現在のニューヨークは、屋外テニスコートや子供用プレイグラウンドやプールがオープンし、少しずつ人々の笑い声も聞かれるようになってきました。
セントラルパーク内のサイクリングコースも多くの人々で溢れていますが、マスク着用は気の毒に思える、連日のヒートウェーブ(熱波)です。
レストラン、カフェは、いまだに、エアコンでコロナが拡散されるかもしれないという危惧のもと、小さな屋外テーブルでのみ営業許可中。お酒類は、もともとニューヨークでは屋外でのアルコール飲酒は禁止されているため、席について食事をオーダーした場合のみ、サーブされるとのこと。道路上に即席のテーブル席とそれを植木やフェンスできちんと囲って、各テーブルしっかり間隔をおいての、営業です。
この夏空の下、街中でのバーの生ビールは、今年は残念ながらまだチャンスがありません。
でもニューヨークでは、この期間中、一日3食、街角で無料の食事が配布されています。ホームレスでなくても、並べば、普通に一食分のサンドイッチなどがいただけます。本当に必要な方がおられるので、私などは遠慮すべきとは思いますが、いちどだけ試したくて並んでみました。アメリカのミールは、色々とおやつもついてきます。大人でも結構嬉しいものです。写真は、ターキー&チーズサンドイッチと、おまけたち。
ミュージカルや劇場、ライブハウスなどのパフォーマンスは、許可が見送られたままです。ジムや美術館なども、閉鎖中。
こんな状況の中、今日は、パンデミック5ヶ月目のニューヨークの交通事情について、少しお話ししますね。
ニューヨークの地下鉄では、あらゆるところでボランティアの人たちにより無料のマスクが配られているそうです。
ロックダウン期間中は、24時間運行で有名なニューヨークの地下鉄も深夜1時から5時までお休みし、その間車内の清掃を徹底したそうです。気の毒と言って良いのかどうか、困ったのは24時間運行の地下鉄を根城としていたホームレスの人たち。おまけに刑務所もクラスターになったらいけないと言うので多くの軽犯罪者が釈放されました。もちろんその人たちもホームレスの収容所に行けば良いのですが、やはりすべて記録が残ると言うことで、9割以上の元囚人らは自らホームレスシェルターでなくそこから出ていくことを選んだとのこと。そんなわけで、その人たちは今いったいどこにいるのでしょう。謎です。犯罪が増えることを懸念する声を、よく聞くようになってきました。これだけ多くの失業者を出したのですから、この先、色々と問題は起きてくるでしょう。
バスは、ドライバーをCovit-19から守るため、前のほうの席と乗車口を、ドライバーから2メートル位の距離で完全にクローズしてしまいました。
乗客は、料金支払機のついていない後部ドアから乗ってそのままそこから降りることとなり、ずっとこの4か月、ニューヨーク市のバス無料状態が続いています。片道2.75ドル(約290円)、これは私たちにとってはありがたいことで、でもまもなく、後部ドアにも自動改札機がつくことになるようです。おまけに、値上げも考慮中とか。
スマホ世代に人気なのは、Uber、Lift、 Viaなどのカーサービスでしょうか。 日本では、ハイヤーと言えばわかりやすいのかな。イエローキャブだと、マンハッタンでは交通量の多い所では待っていればくることが多いですが、そうでもない場所や人通りの少ない時間帯なら、スマホのアプリGPSで今どこに何台の車がいるのかすぐ見ることができて、便利です。何社かありますが、ドライバーさんもあちこち掛け持ちしている人も多く、サービスは似たり寄ったり。時間帯によって値段が違ったり、乗り合いになるものもあれば、(現在はこのサービスは無し)、6人まとまればバンを呼ぶこともできたり、いろいろ使いこなすと良さそうです。
そしてもう一つはエコで自転車?今話題のシティーバイクです。ニューヨーク市のバイクシェアのことで、年間会員の会員費は 179ドル(約19000円、この不況の夏になんと10ドル値上げ!) 。1回のレンタルにつき45分以内の利用であれば、追加料金はかかりません。(45分を超えた後の追加料金は、1分に付き 15セントずつ。 ) 月割りにして1ヵ月約1600円と思えば、確かに往復約580円の地下鉄よりは、絶対に安い。
この夏はほとんどの人々が夏のバケーションは取りやめ、サマーキャンプやフリーコンサートなども軒並み中止です。
来年は、みんな元気で、楽しい夏が来るといいなぁ。
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。