映画などにもよく登場する、ニューヨークの街角で見られるニューススタンド(新聞売り場)。
昨今のデジタル化によって、紙に印刷された新聞は、もはや珍しいものに。新聞を求める人も減っているのでは、という中、ニューススタンドでは新聞以外に何が売られているのでしょう〜?
それは、
雑誌、コミック(漫画雑誌)、タバコ、シガー、ソーダ類、飲料水、スナック菓子、キャンディー類、
そして宝くじ!
宝くじ以外は利益率が低そうで、それではニューススタンドは経営が成り立たないのでしょう。
だからなのか、ニューススタンドでは、たくさんの種類の宝くじが売られています。「ロッタリースタンド」と名前を改めたほうがよいのでは、と思うほどです(笑)
今回は、そんな宝くじの中で、代表的な2種類の宝くじをご紹介しますね。
スクラッチ
まず1番目はスクラッチ。スクラッチの宝くじは日本にもあると思うので、こちらは、賞金の仕組みがちょっと面白いんです。例えばこんなの。
「SET FOR LIFE (セット・フォー・ライフ)」
上の段にある6つの数字(1から30までの数字の中から6つ)が、下の15個の数字の中から見つかれば、一致した数字の下に書かれている金額がもらえる、と言うわかりやすいもの。
それに加えて、下の数字の中で「星印☆」が出ると、上の6つの数字に関係なく、星印の下に書いてある金額の10倍の金額がもらえる!
このチケット↓は、知り合いがたまたま、500ドル(約5万5千円)当選した時のもの。確かに、下の数字の左端に「星印☆」が出ています。
そして!この宝くじの面白いところがもう一つ、下の段で金額のところに「LIFE」と書かれている数字が、上の段に見つかったとなれば!
なんと、毎週5000ドル(約55万円)、あなたが生きている限り、生涯ずっともらえる、と言うものなんです☆
凄くない?!
ちなみにこのくじは1枚$10(約1100円)。
もちろん、「星印☆」とか「LIFE」は、めったに出ないらしいです。でも、当たったら毎週55万円、死ぬまでもらい続けられたら、なんかいいですよね。なんか、老後が安心、て言う気がします(笑)。
ちなみに、この500ドル☆を当てた知り合いは、今まで軽く500ドル以上、このチケットにつぎ込んでいる、と言ってました(笑)確かに、宝くじって、当たるわけがないと思いながらも、でも買わなきゃ絶対に当たらないんだよって言われると、買っておいたほうがいいような気がしちゃいますものね、不思議です。
このほかにも、いろんな金額で、いろんなシチュエーションのスクラッチが販売されているようです。
超高額当選金の宝くじ☆
次に紹介するくじは、「LOTTERY(ロッタリー)」、「POWER BALL(パワーボール)」、「MEGA(メガ)」、「TAKE5(テイク・ファイブ)」などの、超高額の、アメリカでいうところの宝くじ。
それぞれに、抽選日と抽選時間が既に決まっており、テレビやラジオなどで当選番号を調べることができますし、その時間を逃してもインターネットでチェックしたり、宝くじ売り場に行けばバーコードを読み取ってくれるマシンがあるので、そのマシンにかざせばWINNERかどうかすぐにわかります。
そのうちの1つ、「POWER BALL(パワーボール)」について、ちょっと説明しましょう。
現在はアメリカ合衆国内の45の州で販売されています。チケットは1枚2ドル(約220円)で、抽選は毎週月、水、土の夜10時59分。
やり方は、チケットに印刷されている白いボールの欄、1から69までの数字の中から5つ、赤いパワーボールの欄、1から26までの数字の中から1つ、数字を選びます。それだけです。でもそれもめんどくさい人は、すでにナンバーが選ばれたチケットを買うこともできます。この写真のチケットは、3枚分が1枚に印刷されています。合計6ドル分です。
それで当選者が出なかった場合は、10ミリオンダラー(約11億円)という金額が、次の回に上乗せされ、また次の回に出なかったら、また更に上乗せと、どんどん上乗せされていきます。ちなみに、先週末のグランドプライズは、181ミリオンダラー(約220億円)でした。
ただし、この高額当選金については、26年間かけてもらう場合だそうです。すぐに現金1回払いでもらうとすると、118.1ミリオンダラー(約144億円)になるそうな。
きっと利子分が、約1/3ですか、そしてここから州によって違いますが、税金が25%とか引かれるそうです。そうすると、たった88.5ミリオンダラー(約108億円)か〜、、、なんてね(笑)。
なんだかずいぶん減っちゃうような気がしますが、それにしても2ドル(約220円)がこの金額になるのだから、あまり文句言う人もいないみたいです。
ちなみに、現在までの最高金額は、なんと1.6ビリオンダラー(約1950億円)というのが、2016年に出たそうです。その際は3人のWINNERが、カリフォルニア、フロリダ、テネシー州から出たという事で、当選金は3人で割るので、ひとり533ミリオンダラー(約650億円)ぐらいになったようです。
また、2019年に出た758ミリオンダラー(約925億円)、これは全額、1人で獲得したらしい。さすがに、アメリカ、スケールがどでかいですよね。ちまちました考えかもしれませんが、925億円を1人により、1億円を925人に当選させて欲しいなぁ(笑)。
当選した人が公表される!!
日本と大きく違う、驚くべきところは、
なんと、当選した人の顔や名前が、公表される州が多いことです!(公表されない州も、あるらしい。)
実際に当選した人がいて、ちゃんと当選金が支払われていますよ、ということを示す為、という点では、確かに公明正大ではあります。
ですが、何億円も当たった人の実名や顔写真が、ネットやテレビを通じて公表されるのは、なかなか厳しいような気がします。こちらではジョーク交じりに言われますが、宝くじに当たると、いきなり遠い親戚が尋ねて来たり、友人がどっと増えるのだそうです。(大笑)
ギャンブルはほどほどに
各チケットの下の方に、下記のような記載があります。
keep gambling fun.
Know your spend limit.
Need help? Visit
NYProblemGamblingHelp
.org
「ギャンブルは、楽しむだけにしようね。いくらまで使っていいかよく考えてからチケットを買ってね」
というような感じ。親切ですね(笑)。
まあ中には、やっぱりお金が入るたびに、生活費の分まで宝くじを買っちゃう人もいそうですものね。
さてさて、不景気になると販売数が伸びると言う宝くじ。
当たるわけがないと思いながらも、でも当たったらどうしよう、フロリダに家を建てよう、ココナッツ生い茂る海辺にリゾートハウスが欲しいな、とか、VIP みたいに、ちょっと大きめのクルーザーを買って、きままに世界一周もいいな、とかいう想像を膨らますのは、個人の自由ですよね。
老後の事とか考えてると気が重くなるけれど、それよりも、アメリカ人は結構楽天家なので、宝くじが当たったら何をしようって真剣に考えてる人たちとか結構いて、楽しいです。
自分の人生をどう生きるか、人それぞれではありますが、まだ起こってもいない心配事を憂うより、ポジティブにプラス思考で、明るい毎日を過ごすほうが、得なような気がする今日この頃です。
ではまた来週〜。
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。