以前話題だった国葬。税金の使い道としてどうか、法的根拠は何か、権限は国会?内閣?政治家の評価はいつ?…といろいろ。
でも誰も言わないことが一つあるのに気が付きました。それは「葬儀」の語源。
いくら待っても誰も何も言いません。私たまらなくなって調べると意外。今回はfuneral とfavor, favoriteなどについてみてみましょう^^
funeral(フューナラル/葬式)のDNAはFAU(ファウ/火を焚く)。「ファウ」の発音が「フュー」と変っています。
現代では火の有難みなど感じませんが、大昔は違ったでしょう。点けるのも点いた火を消さないのもさぞ大変だったと想像されます。火は神聖視され大事に扱われるような存在だったのかも。
そんな大事な火を燃やすならですよ。燃やしてもらう人も皆が敬う大事な人だったはず。「火を焚く」から「(死者に)敬意を示す」と意味が広がっっていったのかもしれませんね。
FAU(ファウ/火を焚く→死者へ敬意を示す)→ funeral(葬式)
もしもですが。葬式の語源が死者への敬意ならイコール敬意に値しない方の葬式はするべきでない…これでは国葬ばかりか葬式の数が激減しそうですねw
<燃え広がる意外な関係?>
話をDNAに戻しましょう。このDNAを持つ英単語にfavor (フェイヴァ/親切な行為)があります。敬意が好意や親切に広がったのでしょうか。
favorは、ちょっとしたことを頼むときに使えます。例えば
Will you do me a favor?(=Can I ask you a favor?) (お願いがあるんですが?)
お願いの内容は何でもありです。例えば賄賂を渡しながら言ったらすごいジョーク?w
FAU(ファウ/火を焚く→敬意を示す)→(好意)→(親切な行為) favor
さて、このfavorから派生したのがfavorite(フェイヴァリット/お気に入り)。例えば
What is your favorite season?
(あなたが一番好きな季節は何?)
He’s a favorite with the prime minister.
(彼は首相のお気に入りだ。)
さらにもう一歩踏み込んで調べると、favorの派生語にこんなものまで。
favoritism (フェイヴァリティズム/えこひいき)
葬儀の語源から依怙贔屓(えこひいき)に繋がるとは、正直思ってもいませんでした。
FAU(火を焚く→敬意を示す→好意)
→親切な行為(favor)
→お気に入り(favorite)→えこひいきー(favoritism)
<謂れのない非難かそれとも…>
仮定の話ですが、一国のリーダーが依怙贔屓する人なら…と考えてみたんです。
特定の人間や身内、団体をひいき…不平等だ!って妬みやいがみ合い…結局生まれるのは分断かも。
残念ですが、故首相もお友達や団体だけのひいきを非難されたよう。そして社会の分断を招いたと。
いっそ故首相がエコ政策を進め「私はecoひいき」なんてキャッチフレーズ作れば良かったのにw
ダジャレはともかく、繰り返しになりますが、今回の語源調査で分かった皮肉なコト。
「葬儀」は亡くなった尊敬できる方を偲ぶもの。他方「えこひいき」とも結びつく…
こんな風に意外な関係を発見しながら、単語や英語を楽しく学べればいいですよね。
See you soon!
Jiro
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員