パンデミック禍のNew Yorkですが、9月2週目に入って、少しずつですが、収容人員の25%で、美術館や博物館などがオープンしつつあります。ニューヨーカー待望のレストランは、9月30日より6ヶ月半ぶりに最大収容人員の25%以下で、入り口での検温、今後の必要時の連絡のために連絡先を明記、十分な距離を保ちマスク着用で、屋内営業がやっとオープンできる模様。
10月ともなるとニューヨークはダウンジャケットが必要な位ですので、屋外の臨時テーブルでは、ちょっと厳しいですものね。11月から、この10月の実績においてオッケーとなれば、収容人員の50%まで許可が出るかもしれないとのこと。
食事を提供しないバーは、まだ屋内営業は開店できません。(屋外での飲酒はここNYでは禁止なので、アルコール類のみ提供の店は、屋外営業も許可されていません。)アメリカの各地で、バーを開けた州はすぐにコロナ感染が拡大へとぶり返すので、それだけは避けたいと言うところなのでしょうか。エンタメも、7ヶ月目に入り、すべてのシアター、コンサートホールやクラブがいまだ待機中、待ちくたびれてきた感じです。
本日9/11現在で、アメリカ50州のうち17州が、ニューヨーク州へ入るためには14日間の自己隔離が必要となっています。従わない場合罰金は2000ドル(約21万円) 。NYの新しい法律は、地下鉄など公共の交通機関を利用する際マスク着用に従わなかった場合、50ドル(約5300円)の罰金だそうです。
そして、ニューヨークは9月11日のあのワールドトレードセンター崩壊から19年。大きな式典が跡地のグラウンドゼロ メモリアル記念館で行われ、政界の有名人も集結しました。現アメリカ大統領トランプ、アメリカ大統領候補ジョー・バイデン、ニューヨーク州知事クオモ、ニューヨーク市長デブラシオ。
もう19年も経ったのかという思いです。あの時は、21世紀になってすぐ。アメリカは希望に燃えていました。戦争ではないけれど、今まで世界大戦で全く被害を受けたことの無かったアメリカ本土がこれだけの被害を受けたという初めての経験で、それは大きな打撃でした。
そんな中、週末のニューヨーカーの楽しみは、とても心地良い公園でのピクニック。Central Parkも、例外ではありません。9月の2週目、季節はすっかり涼しげな風が吹いて、夕方になると肌寒いぐらい。青々と茂った芝生の上に、思い思いのシートや、毛布、使い古しのシーツを広げ(アメリカではベッドは大概クイーンサイズなので、ピクニックにはちょうど良いのです)、またアメリカは椅子社会なので折りたたみの椅子やテーブルを持ち込む人もとても多いです。
飲んだり食べたり携帯したり、読書をしたりお昼寝したり。パンデミックを一瞬忘れそうになる、のどかな1日です。
Central Parkは原則、調理は禁止、アルコール類も禁止ですが結構強者の確信犯(!)もいます。先日は、30人ほどのオールファミリーで見事バーベキューの準備を万端整え、直火で炭火焼のバーベキューを楽しんでいる家族がありました。あまりに幸せそうで、道行く人もみな、微笑んでいました。
その他にもたくさんの可愛らしいカップケーキを持ち込んでのお誕生日パーティー、ピンクの大きなバルーンを飾りつけスイートセブンティーン(アメリカでは特別な、女子17歳)のお祝い、ゲームに興じたり、
見事に祭壇まで作っている南米人のパーティーも見かけました。
また、アメリカでハンドボールと言うと、素手にグローブをはめて、テニスボールより少し小さめのゴムのボールを1枚の壁に向かって打ち合う、ゲームの事を言います。(私たち日本人が普通ハンドボールと呼んでいるチームのゲームは、ヨーロッパでできたものです。
サッカー同様、アメリカではイギリス育ちのサッカーよりも、アメリカンフットボールが人気なのと同じ道理ですね。) Central Parkにもそのコートがあり、最近やっとそこもオープンしたので、テニスコートと同様、連日とても賑わっています。
このまま、ニューヨークが、一日も早く元に戻れますように。
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。