ニューヨークは、いまだにロングのジャケットが手放せない日が多々ありますが、一方で先週末は、気温が華氏70度台(摂氏20度ぐらい)まで上がり、桜が咲きました。
今週は、まるで熱波のような80度台(摂氏30度近く)が3日間続いて、急に夏がきたようです。人々は大喜びで、ノースリーブのミニワンピの女性陣が街を闊歩し、男性は半袖シャツです。
なのですが、土曜からはロングのダウンジャケットに戻るようです・・・。ニューヨークの気候はローラーコースター(ジェットコースター)と言われる所以です。
さて、そんな熱波で桜が満開になった、ニュージャージー州にある、Branch Brook Park (ブランチ・ブルック・パーク)に、行ってきました。
この公園は、桜が有名で、4000本を超す桜の木があるそうです。これらの桜は、1927年にフルト家から寄贈されたもので、現在ではワシントンDCの桜よりも、種類や数が多いと言われている位だそうです。
当日はウィークデーなので道中すいているかと思ったのですが、そうでもなく。ジョージ・ワシントン・ブリッジを超えて、ニュージャージー州のハイウェイ95号に入ったあたりから、どんどん混み始め、マンハッタンから30分位で着くかと思ったのですが、渋滞に巻き込まれ、55分ほどかかってしまいました。
でも、桜満開の中、パークの中は桜街道のようになっていて、その下を車で走れるので、とても爽やかな気持ちになりました。
日本のようなお花見はない
前にも少しお話ししたかもしれませんが、ニューヨークでは、日本のようなお花見はありません。きれいなさくらの木の下に、シートを敷いて、そこでピクニック、と言うのはありますが、日本のようにブルーシートで場所の取り合いをするような混雑には、到底及びません。
アメリカでは、ほとんどの州で、屋外で酒類を飲んではいけないので、おとなしめに、サンドイッチなどのピクニックが普通です。
私も以前は、グレープジュースの空き瓶に赤ワインを入れたり、ウォーターボトルにウォッカを入れたりしてお花見に持っていったものでしたが(笑)、今はすっかり、水でお花見、に慣れました。
日本であまり見かけない様子のひとつは、子供が桜の木によじ登っている光景です。子供が桜の木の枝に座っているところを、親が嬉しそうに写真にとったりしています。桜の花がたくさん付いている木の枝をブンブン揺らして、できることなら折って持って帰りたい、くらいの勢いの男の子もいます。
日本だったら、桜の木に触れること自体考えられないというか、桜の木や花を尊ぶ心、が普通の日本人にはありますよね?アメリカの桜は、めっちゃかわいそうです。
また、日差しがとても暖かかったせいもありますが、ビキニの水着でねっ転がり、サンベイジング(甲羅干し)をしていた女性たちも数人いました。うーん、日本だと、お花見の場所で水着姿もいないかな。アメリカはホントに面白いです。
さて、週末から春に戻るようなので、また暖かくしなくちゃ。今度は、ファーマーズマーケットの様子をまたお知らせしたいと思います。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。