一年半前に書いたブログ「英会話フリータウン六本木」を読み返してみた。
当時、Swatchの行動地域(action area)は,防衛庁のあった赤坂9丁目(現ミッドタウンが防衛庁跡地)を中心に,六本木全域、赤坂,麻布一帯に及んだ。
六本木界隈は、17人に一人は外国人が居住していており,「英会話好き」には人気のスポット。
何が人気かというと、外国人と気軽に話ができる場所ということだ。
飲食店で働く外国人が日本人客を店に呼び込むために、夕方から歩道にでてくる。つまり,街角で外国人と英会話が無料でできるのだ。
さながら六本木は英会話のフリータウンだ。(気取ったネーミングですね)
自分で読み返してみて「フト!」気が付いた。
それって普通じゃない!知らない人に話しかけるなんてフツーやらないですね。
それを日常で、何のためらいもなくしていたSwatch。
実は、そこに英会話上達のコツがあると思ったのです。
<片言英語では、何も始まらない!>
「行きつけの外国人の多いレストランやバーで,カウンターに座り,隣に外国人が座るのを待つ。
英会話武者修行の場である。常連になると,外国人から声がかかり始めた。」
30年以上前の六本木で英語の武者修行をしていたSwatchは、そんな生活をしていました。
ここでキーワードとなるのが「常連となると」です。
いつも同じ時間に同じ場所にいる。カウンターに座って、ビールを飲んでいる。
カウンターの前には、バーテンダーがいる。
たまたまそこのバーのバーテンダーは、イスラエル人で片言の日本語と英語で会話を楽しむ。
バーに入って、一直線にバーカウンターに歩いていく。
バーカウンターについてからの会話はいつも同じ!
Swatch:How are you doing, today?
(今日の調子はどう?)
Bartender:Great! What would you drink?
(最高!何にしますか)
S:Beer to start!
(最初はビールで!)
B:OK! Here you are!
(了解!どうぞ!)
S:Thanks, buy you beer!
(どうも。ビールおごるよ。)
B:Thank you!
(あざっす!)
S&B:Cheers!
(乾杯!)
<スクリプトを作って会話を演出する! >
毎日同じバーに行って、バーテンダーに同じスクリプト(台詞)で挨拶してビールをおごる。
それが常連。バーで英会話をタダで練習しようというSwatchの計画。
先ほどのバーテンダーとの会話は、お互い英語が母国語ではないという共通点があり、だいたい1週間ほどで自然に出来上がったスクリプト(script)だ。
ビールをおごることも、最初は断られたが、マネージャーを巻き込んで、OKを取った。
バーカウンターの椅子につき、カウンターに向いたスポットライトに照らされた瞬間、Swatchは英会話の人となる。
会話はシンプル、発音はできる限りfluentに、よどみなく台詞を吐き出す。
会話は一人ではできない。バーテンダーを相手に、決められた台詞を話すのだ。
スクリプトを作り上げ、会話を演出する。自作自演の英会話ショー。
カウンター周りで、外国人に目立つようふるまうのです。
テーブル席に着く外国人と目を合わせる。
第2のスクリプトは、さらに単純だ。
How are you doing? と 笑顔。それだけ。
How are you doing? は、「ハワイdoing」と発音すると流暢に聞こえる。
外国人と目を合わせ、How are you doing? といい、笑顔をつくる。
その5秒間がファーストコンタクト「未知との遭遇」になる。
その出会いがどのように展開するかは考えなくてよい。
5秒で、会話は終わればよい。5秒でも外国人と英語で会話をしたことは、事実として残る。
その繰り返しが蓄積し、英会話のスクリプトが変化していく。
How are you doing? 笑顔
↓
How are you doing, today?
↓
How are you doing, Mr.?
Call me Jim.
↓
How are you doing, Jim?
と変化していく。
さらに、Can I buy you beer?ビールでもおごろうか と会話は進む。
会話も進み、人間関係もそれなりに深くなっていく。
<訳のわからない長話より、短いあいさつで好印象!>
短い会話で十分なのである。
つたない英語で、長々と訳の分からないことを説明されても会話は成立しない。
言い慣れた英語で、短く挨拶する。それだけで、同じ空間を一緒に共有できるのです。
片言で話す英語では、英語を話すことに一所懸命で相手に伝わらない。
伝えたいのは自分の気持ち。片言では伝わりません。
聞く方にとっても、片言英語では、聞き取ることに神経が行ってしまい、気持ちは伝わりにくい。
よどみなく話す台詞は、バーというステージで効果的に相手に感情を伝えることができます。
どんな感情を伝えますか? 自分が楽しいという感情です。
お気に入りの空間で、おいしいビールを飲み、リラックスしている感情を相手に伝えたい。
それだけで、幸せです。英語で生活している気分に浸れます。
それらの感情を、挨拶の中に凝縮して、英会話をする。
さらに笑顔で、好印象を演出します。
<See you later! で次に会う約束をする!>
英語で難しいことや、日本の文化を伝えたいということも大事かもしれません。
ただ、その前に自分の感情をストレートに外国人に英語で伝えることの方が断然楽しいです。
短いあいさつを英語でかわす。短いあいさつの中の単語一つひとつが重要な意味を持っていく。
そんな会話の変化を楽しみながら、人間関係を構築していく。
It’s been a long time no see!
随分久しぶりだね!
I’m glad to see you again!
また会えてうれしいよ!
It’s on me!
おごりだよ!
It’s my shout!
今回は俺のおごりだ!
と、一言一言会話が増えるたびに、関係が密になっていく。
バーという空間の魅力と自由な雰囲気を楽しみながら英会話を学んでいく。
人の出会いを、英語を通して、友達の輪にしていく楽しみがあります。
会話の終わりは、これも決まり文句である一言。
See you later!
文字通りに、後で会うという約束ではなく、気軽に「またね!」と約束をする。
この一言で、また会いたいという感情を、ぶつけるのである。
一言一言を工夫しながら、また、スクリプト化して練習を繰り返し、あくまでも自然に、
流暢に英語を操って、会話を楽しむ。
聞きやすい英語で相手と自然なコミュニケーションをとっていくことです。
執筆家・英語教育・生涯教育実践者
大学から防衛庁・自衛隊に入隊。10年間のサバイバル訓練から人間の生について考え、平和的な生き方を模索し離職を決断する。時を同じくして米国国費留学候補者に選考され、留学を決意。米国陸軍大学機関留学後、平和を構築するのは、戦いを挑むことではなく、平和を希求することから始まると考えなおす。多くの人との交流から、「学習することによって人は成長し、新たなことにチャレンジする機会を与えられること」を実感する。
「人生に失敗はなく、すべてのことには意味があり導かれていく」を信念として、執筆活動を継続している。防衛省関連紙の英会話連載は、1994年1月から掲載を開始し、タモリのトリビアの泉に取り上げられ話題となる。月刊誌には英会話及び米軍情報を掲載し、今年で35年になる。学びによる成長を信念として、生涯学習を実践し、在隊中に放送大学大学院入学し、「防衛省・自衛隊の援護支援態勢についてー米・英・独・仏・韓国陸軍との比較―」で修士号を取得、優秀論文として認められ、それが縁で定年退官後、大規模大学本部キャリアセンターに再就職する。
修士論文で提案した教育の多様化と個人の尊重との考えから、選抜された学生に対してのキャリア教育、アカデミック・アドバイジングを通じて、キャリアセンターに新機軸の支援態勢を作り上げ、国家公務員総合職・地方上級職、公立学校教員合格率を引き上げ高く評価される。特に学生の個性を尊重した親身のアドバイスには、学部からの要求が高く、就職セミナーの講師、英語指導力を活かした公務員志望者TOEIC セミナーなどの講師を務めるなど、大学職員の域にとどまらぬ行動力と企画力で学生支援と教員と職員の協働に新たな方向性をしめした。
生涯教育の実践者として、2020年3月まで東京大学大学院教育研究科大学経営・政策コース博士課程後期に通学し、最年長学生として就学した。博士論文「米軍大学における高等教育制度について」(仮題)を鋭意執筆中である。
ワインをこよなく愛し、コレクターでもある。無農薬・有機栽培・天日干し玄米を中心に、アワ、ヒエ、キビ、黒米、ハト麦、そばを配合した玄米食を中心にした健康管理により、痛風及び高脂質血症を克服し、さらに米軍式のフィットネストレーニング(米陸軍のフィットネストレーナの有資格者)で筋力と体形を維持している。趣味はクラッシック音楽及びバレエ鑑賞。
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