生まれて初めて日本に行った!というアメリカ人の友人に、初めての日本の感想を、色々と聞いてみたシリーズ。
ここで「匂い」についてひとつ質問をいただきました。
「空港に着いた時、インドだったらカレーの匂い、韓国だったらキムチの匂い、日本は醤油の匂いがする、と聞いたことがあります。やっぱり日本って醤油の匂いがしたのか、聞いてもらえますか?」
というものでした。
ニューヨーカーの友人曰く、「醤油ではないけれど、とにかく食べ物のすごくいい匂いがした。行く前から、日本はとにかく食べ物がおいしいって聞いていたから、空港にも良いレストランがたくさんあるんだろうなと思った。」と言っていました。
どうやら醤油の匂いはしなかったようです(笑)
そんな匂いについて、アメリカでのエピソードを思い出しました。
とっても寒い冬、温かいだし汁をサーモス(保温水筒)入れて、いつも演奏しているレストラン、アルトロに持って行って、休憩中に飲んでいたことがあったの。寒いからって、コーヒーを飲み過ぎるよりはいいかな、と自分では思ってたんだけど、お店のマネージャーに、
「この不思議なフィッシィ (fishy) な匂いは何?」
って聞かれてびっくりしたことがありました。
フイッシィって、英語の意味は、まぁ「魚っぽい」と言うか「海の匂いがする」とか、でも「生臭い」と言う意味もあるんですよね・・・
あともう一つ、
昔々、アメリカで観光バスに乗った時、バスの中でランチに鮭弁当が出て、そのあとでアメリカ人運転手が休憩終わって帰ってきて、うげっ!
この魚臭い匂いをなんとかしなきゃ、と、エアコンを強にしたりして、とっても気持ち悪そうだったのを、覚えてる・・・
アメリカ人にとって、ベーコンの焼ける匂いは最高😀なんだけれど、魚の焼ける匂いは、好きじゃない人が多い。
アメリカ大陸は、西海岸と東海岸以外、ほとんどの州に海は無いので、ほとんどのアメリカ人は、シーフードがあまり好きではない、と言うか、食べないのが普通なぐらい。アメリカ人の約半分は、全く魚を食べない、というデータまである位だから。
アメリカ人はほとんどが内陸出身だから、シーフードが苦手なんだろう。生まれも育ちも大海の中、島国の私たちとは、基本が違うんだろうね。DNAは、そう簡単には変わらない。
前に、日本橋のCOREDOっていうおしゃれなショッピングパークに行ったことがありました。「コアな江戸」の意味を持たせたみたいで、江戸時代の賑わいを再現して、日本の伝統的なものを色々と紹介しながら販売してました。
一階入り口付近に、出汁のお店が何軒かあって、日本人にとってはめちゃくちゃいい匂いで、そそられるんだけれど、もしかしたらアメリカ人にとっては、魚臭い?って思われるかもしれない(笑)
今回は友人のお話というよりは、私の匂い体験のお話になってしまいましたが、次週は、改めて、ニューヨーカーの友人のお話で、日本の見どころ3選、をお届けしますね。
では、また来週♫
Kayo
P.S.
以前、日本で、ロビーやエレベーターホールがとてもいい香りのするホテルに泊まったことがありました。広い、黒を基調とするおしゃれで素敵なロビーで、何の香りって言うのか、支配人さんにきいたところ、オリジナルの「江戸薔薇」というフレグランスで、そのホテルでのみ、購入可能だったそう。今回お願いしておけばよかった(笑)
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。