【World Life】とは?
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「ただいま」って “I’m home” じゃない!?

World Lifeな生活
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遠い昔のお話…

アメリカへ留学したばかりの頃,私は大学の寮で生活していました。

でも,

「一般家庭の生活を味わいたい!」

と強い思いを抱いていた私は,学校へお願いしてホームステイをすることに。

だって,アメリカの家,アメリカの家族,なんだか海外ドラマみたいじゃないですか!

そして,そこで

「ただいま!」

と言いたかったんです…。

言ってみたかったんですよ,英語で「ただいま!」って。

そして,いざ言ってみると,それは微妙だったのです。

―「ただいま」≠ “I’m home.”―

「ただいま!」と言うとあなたはどのような英語表現を思い浮かべますか?

きっと多くの方は,

“I’m home!”

と思ったのではないでしょうか。

確かに「ただいま」を調べてみると “I’m home.”と説明されている本やサイトがたくさんありますし,間違ってはいません。

でも普段の生活で,

“I’m home.”

と言っている人を私は知りません。

そう,あの時の自分以外では(笑)

その当時の私,言いましたよ。

学校から帰ってすぐにお母さん(ホストマザー)に

“I’m home!”

って。

そりゃあ念願の英語での「ただいま」ですもの。

表情も極上の笑顔(*^^*)

でもなぜかお母さんは一瞬沈黙して,取って付けたように

“Welcome home!”

と笑顔で,でも私にもわかるくらい大げさに言ったんです。

当時の私は,

???

(なんか変なこと言ったのかな?)
“I’m home.”って違ったのかな?)

と思ったのですが,そこを追求する英語力もなくそのままにしていました。

このお母さんの沈黙,あなたはなぜだかわかりますか?

―「ただいま」って「それ」でいいんだ!―

日本語の「ただいま」は,

①「只今帰りました。」

②「たった今帰りました」→「たった今」→「ただいま」

となったという2つの説があるそうですが,日本ではもうおなじみの挨拶。
だから,英語でも同じようなフレーズがあると思うのは当然かもしれません。

いくつかの英語教材などにも “I’m home.”と掲載されているのですから,

「ただいま」= “I’m home.”

と思うじゃないですか。

だから私もお母さんに, “I’m home.”と超張り切って言ったわけです。

でもその反応が微妙な間と舞台役者のような “Welcome home!”

その理由,今となってはよく理解できるのです。

実は,英語には「ただいま」という特定の表現があるわけではありません。

通常は,

“Hi, Mom.”
(ハイ[ただいま],お母さん。)
“Hi, Cozy. How was your day?”
(ハーイ[おかえり],コージー。今日はどんな日だった?)

のようなやりとりが「ただいま」「おかえり」の挨拶となるのです。

―「じゃあ, “I’m home.”は?」―

「そうは言っても,“I’m home.”って表現も教材に載っているし,[ただいま]という意味でも使えるんでしょ?」

そう思いますよね。

確かに「ただいま」という表現で間違いありません。

でも,毎日のように使う「ただいま」ではないんです。

“I’m home.”が使われる場面としては,大きく分けて2つあると思うのです。

1つ目は,

旅行などで,家に帰ってきたのが久しぶりの場合。

「ふぅ,我が家に帰ってきたぞー!」という感じでしょうか。

「家に帰ってきた」ということを強調して

“I’m home!”

と言うことができます。

2つ目は海外ドラマや映画などでも見かける(かも?)シーン。

家に帰ってきたのに,いるはずの家族が見えない。

「帰ってきたぞ。」

という意味合いを込めて,

“I’m home.” と言う場合があります。

この場合,

「あれ?どこにいるんだ?」

という気持ちで “I’m home.” とちょっと大きめの声で呼ぶような感じです。

―そういうことだったのか!―

毎日の生活で言う「ただいま!」というのは,英語では

“Hi.”
“Hello.”

などのごく簡単な挨拶でOKなんですね。

それを私は,「ただいま」= “I’m home.”だと思っていたのでホストマザーのお母さんは,

「あら,学校から帰って来ただけなのにずっと会ってなかったみたいに言うのね。」

もしくは,

「私,ここにいるじゃない。」

という感じでちょっと大げさに,

“Welcome home!”

と言ったの「かも」しれませんね。

最後にちょっと余談を。

これを書いていて,ある映画を思い出したのです。

1988年公開の “Big”という映画。

ご存知の方,いらっしゃいますでしょうか。

トム・ハンクス扮する少年ジョシュが,中身は少年のまま大人の体になり,子どもの目線で大人の社会を経験するという映画です。

その最後のシーンを思い出したのです。

(ちょっとネタバレ注意^^;)

大人の体から子どもの体に戻ったジョシュが,久しぶりに家に帰った時に

ジョシュは, “Mom? Hello! It’s me.”(ママ,ただいま!僕だよ。)

と言うのです。
確かに, “I’m home.”とは言っていません。

でもジョシュのお母さんは,

“Josh? Josh! Josh!”
(ジョシュ?ジョシュ!ジョシュ!)
“Oh my god! Oh, thank God you’re home!”
(ああ,なんてこと!帰ってきてくれたのね!)

と,お母さんは “You’re home!”という表現を使うのです。

実はここで,子どものジョシュとお母さんの時間の体感がわかると私は思うのです。

それは,

子どものジョシュにとって,初体験だった大人の世界はあっと言う間の短い時間。
だから,帰った時にジョシュは“Mom? Hello! It’s me.” と,普段どおりの感じの「ただいま」を言います。

反対に,急に子どもがいなくなってしまったお母さんには,それはそれは長い時間だったでしょう。

“Oh, thank God you’re home!”
(ああ,帰ってきてくれてありがとう!)

“You’re home.” と言っています。

実際のそのシーンはこちらから。(2分22秒あたりから)

こういうちょっとした表現を映画から見つけるのもおもしろいですね。

さて,その後のワタクシ。

“I’m home.” を一切使わなかったのか?というと…

使いました。

でもそれは,「長期休み等で日本へ帰国し,アメリカへ戻った時」に,です。

今度はちゃ〜んと学習してからその表現を使った,若かりし日の自分でありました。

ということで,

みなさま,また来週〜♪

 

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