コロナが明けて、生まれて初めて日本に行った!というアメリカ人の友人に、初めての日本の感想を、色々と聞いてみたシリーズ。
1ヵ月にわたる日本旅行で、印象に残ったおいしいものやレストラン(キュイジーヌ)を3つ、挙げて貰いました。
これは本当に難しい質問だったようで、というのも、日本では、ありとあらゆるものが、道端で売っているものからスーパーマーケット、デパ地下、カフェやレストランまで、全てがとってもおいしかったそうです。
そんな中、No.1は、
ー神戸牛のステーキー
「神戸牛のステーキ」!これは私の予想通り!鉄板焼きで、白衣のコック服を着て、白いコック帽をかぶったシェフが、目の前で、見事なナイフさばきで、焼いてくれるタイプのもの。お肉が本当に美味しかったと。
実は私も、数年前に、ライブツアーで神戸に行った際、神戸牛を頂きました。こ神戸牛を食べた時、口の中で溶けていくステーキがあるんだって、噂には聞いていたものの、初めて味わったとき、すごい感動したのを思い出しました。
アメリカに住んでいると、ステーキは、どうしても衛生上の問題から、なかなか生肉に近く食べるのは難しく、一番近くてミディアムレア、でもミディアムまで焼いてもらった方が安心と言われ、そうするとどうしても、肉の歯ごたえがよくなります。
そういうステーキに慣れていると、日本の神戸牛は、まるで雲の上のステーキのよう。これは外国人にも、絶対受けるはず、と思っていました。まあ、高級品と言うことで、相応に値段が高いのがネックですが、、、
ー炉端焼きー
No.2は、「炉端焼」とのこと!目の前に、大きな炭火の囲炉裏があり、その周りにはおいしそうなシーフードや旬の野菜がずらっと並べて置いてあり、それを着物姿でたすきをかけた威勢のいいお姉さんが、いい感じで焼いて、それをえいやっと木製の大きなしゃもじに乗せて、サーブしてくれるのが、とても楽しかったと。
和製バーベキューと言いますか、「炉端焼」にはその一言で言い切れない、何とも言えない情緒がありますよね。おまけに調理人さんが女性だったとは。
お魚のグリルといっても、アメリカのレストランなどのように、1匹まるまる出て来るわけでは無いから、切り身が一切れですから、いろんなものが頼めて、食べてみることができて、相当に楽しかった模様です。
また、そのお店のシステムが、注文を伝票をつけるのではなく、食べ終わった食器は全てテーブルの上に残しておいて、会計の際に、そのお皿やコップの数で計算するのだそうです。これは明朗会計ですね。アメリカでは、そんな会計システムは見たことないです。これも、きっと日本人が真面目で、正直な国民だからですね。
ー天ぷらー
No.3は、「天ぷら」。銀座にある「天一」というお店の、カウンター席にお呼ばれしたそうです。最初は、天ぷらをカウンターで食べるってどういうことかなって思ったそうですが、行ってみて、納得したと。
目の前で、腕利きの職人さんがカラッと揚げて、それをそのまま目の前の懐紙の上に置いてくださるわけですね。
あんなに軽い、ディープフライを食べたのは初めてだ、との感想。思わずどうやって作っているのか調理人さんに聞いてみたところ、そのレストランの調理場のシステムでは、卵と水の割合だけが決まっていて、粉を足すのは調理人の腕次第なのだと。
また、もう一つの感想として、なんとその天ぷらが、IHの調理台だったというのが印象にのこっているようです。なんと、鍋の下に火が見えないので、その点も調理人さんに聞いてみたとの事。
そしたら、デパートなどのビルに入っているレストランは、すべて、もうガスは使えないのだそうですね。確かに言われてみれば、安全管理の点からは、そうなるのもうなずける。
でも、デパートの中には、中華料理の店も入っているはずでしょうし、大きな火力を使うレストランは、一体どうしているのだろう、なぁんて小さな疑問も浮かびましたが、きっと日本の技術だから、IHの火力も、プロ仕様ならすごく強いものがあるのかもしれませんね。
ちょっと気がつかない間に、時代は随分とモダンな風に流れているのですね。IHは、安全なので、お年寄りの家にあるものだ、とばかり思い込んでいたけれど、今や、一流のレストランで、一流のおもてなしに堂々と使われる存在なのですね。とても勉強になります。
さあ、数回に渡ってお届けしてきました、生まれて初めて日本に行った!というアメリカ人の友人に、日本の感想を、色々と聞いてみたシリーズ、今回でひとまずは終了となります。
まるまる1ヵ月楽しんでくれた日本旅行。自然にも恵まれて、美味しいものや素敵なものがたくさんある国、日本。かけがえのない思い出になったことと、思います。
話を聞いて、改めて世界中の方に自慢できる国、日本に生まれてよかった。ほんとに、そう思います。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。