Katz’s Delicatessen / カッツ・デリカテッセンと言えば、ニューヨークでは昔から有名な、パストラミ・サンドイッチのお店です。
◯Katz’s Delicatessen
https://katzsdelicatessen.com
創業は1888年。ユダヤ人のコーシャー・デリカテッセン(ドイツ語で「調理済み食品や珍味を売る店」)として、数々のお店の中で、今日まで生き残り、ベスト・デリカテッセンと呼ばれ続けてきました。
中でも有名なのは、パストラミや、コーンド・ビーフなどのお肉類をライ麦パンで挟んだ、サンドイッチ。レストランの格付けで有名なザガットでも、2016年に、ニューヨークでのナンバーワンのデリカテッセン、に選ばれています。
とにかく、このパストラミは、一言で言います、
おいしい!
素晴らしく、おいしいです。
それが山盛りでお皿に盛られてきます。大げさでなく、「超幸せ!」と思う瞬間☆
24時間営業で、真夜中に行っても、おいしいサンドイッチが食べられ、とにかくいつも大勢の人々でごった返しているレストランです。多くの、ドラマや映画の中で撮影に使われたことも多いので、見た事あるなって思う方もいらっしゃるかもです。
私が、1番印象に残っているのは、メグ・ライアンとビリー・クリスタルの映画「When Harry Met Sally...(邦題は、「恋人たちの予感」1989年)の、メグ・ライアンが、テーブル席で、ウブなビリーをおちょくったシーンです。そんなに、時が経つのね。
また、2007年の映画、「Across the Universe / アクロス・ザ・ユニバース」、ビートルズのナンバーだけで綴られた、ミュージカル映画。
All You Need Is Love(君に必要なのは、とにかく愛さ!)って、青春群像劇とロマンスが、1960年代後半の政治的背景のもとで、描かれていて、ハートがキュンキュンしました。映画は、メンバーの1人の若者に、ベトナム戦争への召集令状が来てしまったところから始まるのですが、そのシーンのレストランがこの、カッツ・デリカテッセン。
少しだけその映画のお話をさせていただくと、主人公は、リバプールから来たイギリス人。なので、アメリカの兵役を免れるのですが、親友のアメリカ人青年は、米国政府の徴兵制度に従わねばならない。行きたくない、まだ死にたくない、けれど、行かなければ、逮捕。友人たちもそれを止めたい。どうしたらいいんだろう、、、そんな中、苦渋の決断を下す時が来ます・・・。
ベトナム戦争反対、ヒッピーへの逃避、そして反抗のロック音楽。この映画には、ジャニス・ジョプリンを彷彿させる女性シンガーや、ジミ・ヘンドリックスをイメージさせるギタリストなどの、当時の世相を反映させる登場人物たちにより、その頃の様子をとてもよく表現している、と思います。
さて、しょっちゅう行きたいけれど、なかなか行けない、カッツ・デリ。それがね、なんとパストラミ・サンドイッチ1人前が、27.45ドルなんです。なんと約4100円。サンドイッチを3つ購入したら、1万円を軽く越してしまいました。驚きの物価高のNYから、お届けしました。(笑)
ではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。