おはようございます。
木曜日のCozyです!
我が家のすぐ近所にはドラッグストアがあるのですが,そこの店長さんとは何かと親しく話をさせてもらっています。
先日,そのドラッグストアに行ったときのこと。
ある商品について質問したんですよね。
するとその店長,
「ちょっと待っててくださいね。 “Stay”で!」
って,茶目っ気たっぷりに言ったんです。
私はその言葉のチョイスに思わず
「お!」
と感心。
なぜ感心したのだと思います?
―“Stay”って「待ってて」の意味もあるの!?―
その店長さん,本当にいい人なんです。
だから,話しやすさのあまり,つい
「質問するなら店長に」
って思っちゃうんですよね。
その時も店長さんに質問したんですが,
その時に店長さんが言った
「“Stay” で!」
という言葉で,
なぜ私が「おっ!」と思ったのか。
私たちって,通常「待ってて」と言いたい場合,すぐに
“wait”
を思い浮かべると思うのです。
もちろん正解です。
でも店長が使ったのは,
“stay”。
“stay”はよく「滞在する」と訳され,「待つ」という意味はないように思われます。
でも,状況によっては「待つ」とも感じられる不思議な単語なんです。
さて,“stay”と “wait”って,一体どんな違いがあるのでしょうか。
― “stay”のイメージ―
名前は “Shadow”と “Cashmere”。
よく,
“Shadow, sit.”
(シャドウ,おすわり)
“Shake hands!”
(お手!)
“Cashmere, stay!”
(カシメア,待て!)
なんて言って遊んでいたので,
“Stay”と言われると,そのことを思い出すんですよね。
ワンコに言う
「待て」
からもイメージできるように,“stay”は
「そのままでいる,その場にとどまる」
こと。
つまり,「動かずに,今の場所や状態をそのまま保っている」イメージです。
私が ShadowやCashmereに言っていた “Stay”(待て)のように,
「(じっとして)待て」
というニュアンスなんですね。
― “wait”のイメージ―
「何かを待つ」
という気持ちの動きです。
順番や,次に起こることを心の中で期待しているようなニュアンスがあるんです。
つまり,“stay”は「そのままでいる」ことに焦点を当てており,
“wait”は「何かを待っている」ことにフォーカスされている感じ。
英語では,この小さな違いをちゃんと使い分けているんですね。
たとえば,子どもに「ここでじっとして待ってて」と言いたい場合は,
“Stay here, I’ll be right back.”
(すぐ戻るから,ここで待ってて)
と言えば,
(戻るまで,動かずここでじっと待ってて)
という意味になり,
友だちに,
“OK. I’m waiting.”
(わかった。待ってるよ)
と言えば,
(とりあえず,[来るまで自由にしながら]待っておこう)
というように,
「友だちが来るのを期待して,自由に時間をつぶしながら待つ」
という感じが込められているのです。
だから,店長さんの
「“Stay”で!」
は,英語として見ても案外いい線いってるんですよね。
あのとき店長さんが言いたかったのは,
(すぐ対応するので,別のコーナーに行かないでここで待っててね)
という意味を含んだ声かけだと思うのです。(たぶん
人によっては,
「 “Stay”なんて犬のしつけのようで失礼だ」
と感じる人がいるかもしれませんが…(笑)
でも,ちょっと親しくなった私との関係性を考えると,
“stay”もありなんですよね。
「他に行かずに待っててよ」
そこを強調された表現なんですもの。
もし英語でもうちょっと丁寧に言うとすれば,
“Please stay here for a moment.”
これが一番近い感じかもしれません。
でも,通常,お客さんへ言うなら
“Just a moment, please.”
もしくは
“Please wait a moment.”
のほうがいいかもしれません。
―気持ちが届く大切さ―
改めて考えると不思議な言葉ですよね。
“待つ”だけで,
「動かずにいる」と「何かを待つ」
の両方を包み込んでしまう。
英語みたいに“stay”と“wait”を分けなくても,
やわらかく,あたたかく,どちらの気持ちも伝わる。
その曖昧さこそ,日本語の便利さであり,やさしさなのかもしれませんね。
あの店長さんの「Stayで!」も,
きっとそんな日本語の感覚から出た言葉なんでしょうね。
「そのままでいてくださいね」という思いやりと,
「少し待っててくださいね」という柔らかさ。
その両方を,自然に言葉にしていた。
英語を学んでいると,つい正しい言い方ばかり気にしてしまいますが,
言葉の本質って,やっぱり
“気持ちがどう届くか”
だと思うのです。
言葉って,完璧じゃなくても伝わります。
むしろ,少し不器用なくらいのほうが,
あたたかく響くこともある気がする私です。
それでは,今日も良い一日を!
See you next week~♫
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。











