アメリカは人種のるつぼといわれています。英語で表現すると、“The United States is referred to as a melting pot of races.”です。
るつぼ(melting pot)は、中に物質を入れて高温で溶解させる耐熱性のある入れ物を言います。
アメリカは、多民族国家です。それぞれの民族性を大切にし、生活の基本にしています
と考えると、るつぼで溶解された一つの「アメリカ文化」でないのです。民族(race)が入り混じって、それぞれのやり方で生活しています。
「黒人の両親が教える警察官への対応!」の記事は、アフリカン・アメリカンの文化でした。今回は、WASP(ワスプ)の文化で、「白人の母親が教える子供への英会話」についてお話します。
<簡単にいうとWASPって何?>
WASPは、ホワイト・アングロ・サクソン・プロテスタント(White, Anglo-Saxon, Protestant)の頭文字を取った略語((頭字語;アクロニム;acronym)です。
白人、アングロサクソン系の人種、キリスト教のプロテスタントを信仰する人々のこと。
ウイキペディアでは、「社会学では、多くの人々にとって WASP とはいかなるマイノリティ集団にも属さないほとんどの白人を指す」となっています。つまり白人が主役の社会で生きる白人。
歴史的には、白人のアメリカ人プロテスタントで、イギリス系の上流階級を意味したりもします。WASPエリート集団は、アメリカ合衆国の歴史において、社会・文化、政治を支配していた。
簡単に言うと、アメリカ建国から富裕層として、白人社会を作り上げた人種です。
そういう特権階級が、長く続いていて、今でも影響力があると考えればよいですね。
Swatchは、そういった富裕層の白人とのかかわりは多くありませんが、白人の米軍高官とは交流がありました。アメリカ社会では、高級軍人は上流社会の一員として認められています。
軍人の家族とかかわりあう中で、母親が子供に、社会でのコミュニケーションをどのようにとったらよいかを、教育している場面を多く目の当たりにしました。
今回は、米国の白人の母親が子供に教育している話し方について詳しくお話します。
<英語は、論理的に話せ!>
英語は、合理的な思考法とともに、「こうだから、ああなる」という話し方をします。
私はこう思う。何故ならば、こういう理由だからと、会話をまとめます。
子供:I like ice cream.
(アイスが好き)
母親:Why?
(どうして)
子供:Because it’s sweet.
(だって、甘いから)
Why? Because….という形を基本にして、会話を組み立てていきます。母親は、徹底して、この会話の法則を子供に教えるのです。
日本では、
子供:アイスクリームが好きなの。
親 :そう、良かったわねえ。(笑)
という、あまり意味のない会話を聞きます。
親が子供に、何故アイスクリームが好きな理由を聞くことは、あまりありません。
日本人にとっては、子供が話すことが素晴らしい、上出来だという考えがあります。
アメリカでは、とにかく自分の言動に理由をつけることが基本になります。
ここが大きな言語文化の違いの一つです。
<英語は、長く話せ!>
英語という言語は、情報を乗せやすい言語です。フレーズにフレーズを重ねて説明を付け加えることができます。
“I want to eat ice cream that is selling at the Baby Ice cream shop known by everybody”
(みんなに知られている、ベイビーアイスショップで販売中の、アイスクリームを食べたい)
1、アイスクリームを食べたい
2、それはみんなに知られている(有名である)
3、ベイビーアイス店で販売中である
といった情報を、足し算して内容を増やしていくことができる言語です。
次から次に、付け加えていくことで、長~く話すことが、母親から教え込まれます。
なぜなら、長く話すことによって、マウントが取れるからです。
長く話すことによって、情報量が多く、他人より一段上という感覚が生まれます。
足し算することで、単純に長く話すということが実現します。
その中で、自分勝手な理由をつけていけば良いのです(個性を尊重)。新しい情報を加えて、その中に自分の言いたいことに「ぴったりな」フレーズがあれば良いのです。
とにかく、マウントを取るまで続ける。相手が納得するまで、話し続ける。
話を続ける中で、ある程度言い終えたときに、どうするか。
また、同じことを繰り返し始めます。
相手に自分の考えていることを伝えることに、執着します。
アメリカ人の白人で、意味が分からなかったら、すぐに聞き返す必要はありません。
少しわからない顔をする、興味なさそうな振りをしてみてください。
そうすると、同じことを繰り返してくれます。分かるまで繰り返してくれます。
<英語を早く話せ!>
英語を長く話すことによって、マウントをとる。
ただ、英語をゆっくりと話していては、相手がマウントを取ろうとします。
相手が、途中で話を遮ることもありでしょう。
それを回避するためには、英語を「立て板に水のごとく」まくしたてなければなりません。
英語を猛スピードで相手にぶつける。迫力ありますね。結果、マウントも取れます。
白人の母親は、本当に英語を「早くうまく」話すことができます。
放っておいたら、延々と話し続けます。
そうやって、子どもに対しての話し方の英才教育が実施されるのです。
スピードを上げて、持っている情報を相手に一気に投げるのです。大迫力です。
大量の情報を、瞬時に(早く)相手に届ける。
言ってみれば今の、G5の世界に共通しますね。
情報伝達の現在の基準が、100年前に白人家庭では、確立されていたと言っても良いでしょう。
<アメリカ人の理想の話し方は、Speak fast and speak long!>
情報化時代の幕開けに、アメリカ人の白人家庭では、瞬時に情報を大量伝達する技術を、母親が子供に教育をしていた。
Swatchは、アメリカ滞在中にその光景を目の当たりにして、カルチャーショックを覚えました。
あなたの子供への家庭教育の在り方、少し見直してみてはいかがでしょうか。
さらに、あなた自身の英会話の練習に、Speak fast and speak long!を取り入れてみてはいかがでしょうか。英会話力が飛躍的に向上すると思います。
Swatchは、“Speak fast and speak long!”を留学時に取り入れて、飛躍的に英語のコミュニケーション能力が向上しました。
さらに、外国人の中でマウントを取る術も身につけました。
“Thank you, Mom!”
興味のある方は、是非、試してみてください。
執筆家・英語教育・生涯教育実践者
大学から防衛庁・自衛隊に入隊。10年間のサバイバル訓練から人間の生について考え、平和的な生き方を模索し離職を決断する。時を同じくして米国国費留学候補者に選考され、留学を決意。米国陸軍大学機関留学後、平和を構築するのは、戦いを挑むことではなく、平和を希求することから始まると考えなおす。多くの人との交流から、「学習することによって人は成長し、新たなことにチャレンジする機会を与えられること」を実感する。
「人生に失敗はなく、すべてのことには意味があり導かれていく」を信念として、執筆活動を継続している。防衛省関連紙の英会話連載は、1994年1月から掲載を開始し、タモリのトリビアの泉に取り上げられ話題となる。月刊誌には英会話及び米軍情報を掲載し、今年で35年になる。学びによる成長を信念として、生涯学習を実践し、在隊中に放送大学大学院入学し、「防衛省・自衛隊の援護支援態勢についてー米・英・独・仏・韓国陸軍との比較―」で修士号を取得、優秀論文として認められ、それが縁で定年退官後、大規模大学本部キャリアセンターに再就職する。
修士論文で提案した教育の多様化と個人の尊重との考えから、選抜された学生に対してのキャリア教育、アカデミック・アドバイジングを通じて、キャリアセンターに新機軸の支援態勢を作り上げ、国家公務員総合職・地方上級職、公立学校教員合格率を引き上げ高く評価される。特に学生の個性を尊重した親身のアドバイスには、学部からの要求が高く、就職セミナーの講師、英語指導力を活かした公務員志望者TOEIC セミナーなどの講師を務めるなど、大学職員の域にとどまらぬ行動力と企画力で学生支援と教員と職員の協働に新たな方向性をしめした。
生涯教育の実践者として、2020年3月まで東京大学大学院教育研究科大学経営・政策コース博士課程後期に通学し、最年長学生として就学した。博士論文「米軍大学における高等教育制度について」(仮題)を鋭意執筆中である。
ワインをこよなく愛し、コレクターでもある。無農薬・有機栽培・天日干し玄米を中心に、アワ、ヒエ、キビ、黒米、ハト麦、そばを配合した玄米食を中心にした健康管理により、痛風及び高脂質血症を克服し、さらに米軍式のフィットネストレーニング(米陸軍のフィットネストレーナの有資格者)で筋力と体形を維持している。趣味はクラッシック音楽及びバレエ鑑賞。
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