日直、掃除、学級会、委員会…と聞くと誰でも小中学校時代を思い出すでしょう。でも今のエジプトの小学校の話だと聞けば驚きませんか?私は驚きました。
NHKのクローズアップ現代(2023年12月6日放送)によると、エジプトの小学校で、日本にならった日直や掃除、学級会、委員会活動(特活=教科以外の教育活動)が行われているそうなんです。
そうした日本式学校は現在エジプトに51校。応募の倍率は数倍。しかも日直、掃除等の特活は全公立小学校約1800校に広がりつつあるとのこと。
どうして?と、あなたは思うでしょう。
同番組によれば「アラブの春」という民主化運動後、経済は低迷、政情も社会も不安定化。そんな中エジプト大統領が来日して注目したのが日本式教育。
あなたは教育現場出ではないかもしれません。で、専門家の言葉で改めて特活の由来と意義を説明します。
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特活とは学級会・掃除・日直・学校行事等の教科以外の教育活動のことで自主性・社会性を育む。戦時に子供に殺人を教えた反省から生まれた。
自らが望む社会と社会人の姿を、子供たちが自ら主体的に学校で描き練習する。それが特活の役割…とのこと(同番組内での杉田洋氏の発言から)
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さてこうした特活が未来の社会人を育てる為に、エジプトに正式採用されたようです。
2022, 23年、エジプトで3万以上の教員に研修を実施、2023年5月にはエジプトから大規模な特活視察団が来日。
ただこれはあくまでNHKの報道。エジプト本国での伝えられ方も気になり、調べたところ特活の捉え方が日本と微妙に違っていたんです。
Arab News(https://www.arabnews.com/node/1901676/middle-east)英語の「雑誌」(2021 july 28)〜から。
記事では特活の意義が…develops all the skills of the student, focusing on creativity and thinking(考える力、創造力を養う)とありました。
次に特活は所属感・協調性等と共に、異年齢間の文化的交流(cultural exchange programs for different age groups)も促すと、より詳しく紹介していました。
また特活は教員の役割を変えるとも。知識の伝達者から生徒の学びの促進者に変える(…transform the role of the teacher into that of a facilitator.)という指摘。
記事全体として、考える力、創造力、異年齢間の交流、先生の役割の改革などの強調が私には印象的でした。あくまで私の主観ですが…
日本ではどちらかと言えば特活の意義として協調性や社会性のある生徒像が強調されませんかね。自分の小中時代振り返っても、授業以外(=特活)の場面でそういう価値観を何となく教えられたような気がします。繰り返しますが、これも私の主観。
いずれにしても今特活が熱いエジプト。アップデートしていきたいと思います。文化間の影響や交流って面白いですね。
追記:クローズアップ現代の当該の番組(文字ベース)
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4854/
2024年1月7日
追記:アフリカの雑誌
https://www.arabnews.com/node/1901676/middle-east
2024年1月8日
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私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員