久しぶりに学会に参加しました。
コロナ禍で会えなかった人達に再会できて、非常に楽しく有意義な時間を過ごせました。
会話の中で、今まであまり聞いたことがなかった単語が気にかかりました。
「彼は、最近マウント取っているよね」、「彼女は、マウンティング強いね」
といった感じ。若い研究者が頑張っていることの、やっかみかもしれません。
会話では、マウントを取るとか、マウンティングが強いといった使い方をします。
マウントを取ることが、日常会話のなかでは、少し批判的な感じで使われています。
これからは、グローバル化がさらに進み、外国人の中でマウントを取っていくことが必要になります。
あなたなら外国人の中でマウントを適確にとり、リーダーとして活躍できると思います。
今回は、外国人を含む会合で、マウントを取るコツをお話ししましょう。
<マウントの意味をチェックしよう>
現在使われているマウントは、行動を優位にするために、自分の方が有能であるとかをアピールする言動です。
心理学的に説明すれば、他人を矮小化(わいしょうか)して、自分のプライドや優秀性の承認欲求を満たしたいという行為です。
簡単に言えば、自分のことを認めてもらいたいので、目立つことで自分の思い通りにしたいという行為です。
<マウント族の特徴を分析する>
仮に、そういった意識を強く持った人たちのことを、「マウント族」と呼びましょう。
マウント族の特徴を分析すると次のような行動があげられます。
1.傲慢(arrogant:アラガント)
ゴリ押しして、自分の意見を相手に押し付ける。それが相手に対して効果的であったいう「成功体験」を持っている。幼少のころ、わがままが通ってしまったことが、成功体験になっている。つまり精神年齢が低い。
2.プライドが高い(pride:プライド)
プライドだけが高く、実力が伴わないためが、そんな自分のことには関係なく、自慢したがるというタイプも多いです。つまり自己顕示欲が強烈で、自己分析が非常に苦手です。
3.わがまま(selfish:セルフィシュ)
自分がわがままであることを、「感じない、理解できない」タイプ。感情的に物事を判断してしまう傾向が強い。好き、嫌いという単純な判断力が基本となっています。つまり、協調性が欠如しています。
<あなたの戦略を考える>
簡単にマウント族の特徴を整理したところで、それに対応したあなたの戦略(strategy:ストラトジー)を考えてみましょう。特徴で、「つまり、、、」と整理したところが、戦略のポイントとなっています。
基本的に、マウント族の特徴をそのまま再現すれば、マウントは取れます。ただ、そこには大きな弱点があります。マウントをとっても、周りからは批判の的にされる危険があります。
マウント取り合戦をするよりは、しっかりとグループの中でリーダーとしてのマウンティングをしたいですね。それでは、考えていきましょう。
そのために、3つの戦略をお勧めします。
◯戦略1:戦闘対応
戦略1は、相手の精神年齢の低いところの弱みに付け込む作戦です。
小さいころに口喧嘩をして、相手の言ったことをそのまま言い返してやると、相手はいうことに困って、しどろもどろになったことありませんか。
マウント族のそれぞれの特徴が実は弱点になっているのです。その特徴=弱点に、批判を加えていく行為がこの戦闘対応。
言ってみれば(目には目を歯には歯を)という考え方で相手を攻撃する。
これは初期の戦略として有効。相手のマウントを取ろうとする動きを封じることもできます。
傲慢は、言い換えれば、「単純、ワンパターンの行為が多い」ので、少し反論するだけで、相手の自滅行為を狙えます。論理的対応ができないということです。
相手に、反対の立場を認識させれば、それで成功です。まずは、そこでひと段落です。
次に、負けるが勝ち対応をしていきます。
その時の決まり文句は、
“I don’t think so!”
(そうは思いまませんが)
さらに、
“Could you explain it in detail?”
(もう少し、詳しく説明してくれませんか)
◯戦略2:負けるが勝ち対応
相手の言っていることを、認めてあげる。つまり、承認欲求を満たしてあげるのです。
戦闘タイプの戦略を負けるが勝ち対応に切り替えます。
(もう少し詳しく説明してください)の後が、有効です。子どもが駄々をこねているのを見て、子どもに都合の良いことや、好きなことを思い出させることをいってやると、安心して子どもは納得します。
大人には、「なるほど、そういうことでしたか」と認めるのです。(わかっていなくても)
決まり文句は、
“I like that point!”
(そこのところ(ポイント)いいですね!)
そこのところ(ポイント)とは、なんであるかは特にいう必要はありません。
あなたが何かを認めたという事実を、表明すればよいのです。状況は、その時点で変わります。
さらに進めて、次の戦略ほめ殺し対応で攻めます。
◯戦略3:ほめ殺し対応
何かについて、(いいね!)を相手に伝えたのですから、負けるが勝ち対応は成功です。
そうすると、相手は、さらに自己顕示をしようと自慢します。
その自慢を聞き逃してはいけません。それが攻勢の変換点になります。
つまり、自慢話ほど、論理的に抜けた話はないのです。
決まり文句は、
“Sure!You can do that for us, thank you so much”
(おっしゃる通りです!やってくださいますか。ありがたいですね~)
これで、相手はするのか、しないのかを回答しなければならなくなります。
どちらにせよ、あなたがマウントを取っていることに間違いはありません。
ハサミと何とかは使い方次第と言います。
<日本人は立派なリーダーになります!>
これからさらに日本の企業もグローバル化がすすみ、日本国内においても、外国人の含まれるプロジェクトは、 多くなります。
その状況で、あなたはリーダーとしての役割を果たさなくてはならないと思います。
その時に、マウントを取ることは非常に大切になります。
マウントを取ることを意識する場合は、グループの中でリーダーとして行動しようとする気持ちが必要です。
日本人の中では、主張する人に対して、「あなたが言うのだから、自分でやればよい」という発言は、話がややこしくなってしまいますので、避けましょう。
外国人の場合は、ある程度のそういった理論は、受け入れられるので、
“Sure!You can do that for us, thank you so much”
(おっしゃる通りです!やってくださいますか。ありがたいですね~)
は、有効な発言になります。
他の国よりも教養が深く、周りに配慮するという生活をしているあなたは、グループでリーダーになることはそんなに難しいことではありません。
グローバルなリーダとしてマウントを取り、活躍していきましょう!
執筆家・英語教育・生涯教育実践者
大学から防衛庁・自衛隊に入隊。10年間のサバイバル訓練から人間の生について考え、平和的な生き方を模索し離職を決断する。時を同じくして米国国費留学候補者に選考され、留学を決意。米国陸軍大学機関留学後、平和を構築するのは、戦いを挑むことではなく、平和を希求することから始まると考えなおす。多くの人との交流から、「学習することによって人は成長し、新たなことにチャレンジする機会を与えられること」を実感する。
「人生に失敗はなく、すべてのことには意味があり導かれていく」を信念として、執筆活動を継続している。防衛省関連紙の英会話連載は、1994年1月から掲載を開始し、タモリのトリビアの泉に取り上げられ話題となる。月刊誌には英会話及び米軍情報を掲載し、今年で35年になる。学びによる成長を信念として、生涯学習を実践し、在隊中に放送大学大学院入学し、「防衛省・自衛隊の援護支援態勢についてー米・英・独・仏・韓国陸軍との比較―」で修士号を取得、優秀論文として認められ、それが縁で定年退官後、大規模大学本部キャリアセンターに再就職する。
修士論文で提案した教育の多様化と個人の尊重との考えから、選抜された学生に対してのキャリア教育、アカデミック・アドバイジングを通じて、キャリアセンターに新機軸の支援態勢を作り上げ、国家公務員総合職・地方上級職、公立学校教員合格率を引き上げ高く評価される。特に学生の個性を尊重した親身のアドバイスには、学部からの要求が高く、就職セミナーの講師、英語指導力を活かした公務員志望者TOEIC セミナーなどの講師を務めるなど、大学職員の域にとどまらぬ行動力と企画力で学生支援と教員と職員の協働に新たな方向性をしめした。
生涯教育の実践者として、2020年3月まで東京大学大学院教育研究科大学経営・政策コース博士課程後期に通学し、最年長学生として就学した。博士論文「米軍大学における高等教育制度について」(仮題)を鋭意執筆中である。
ワインをこよなく愛し、コレクターでもある。無農薬・有機栽培・天日干し玄米を中心に、アワ、ヒエ、キビ、黒米、ハト麦、そばを配合した玄米食を中心にした健康管理により、痛風及び高脂質血症を克服し、さらに米軍式のフィットネストレーニング(米陸軍のフィットネストレーナの有資格者)で筋力と体形を維持している。趣味はクラッシック音楽及びバレエ鑑賞。
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