おはようございます。
木曜日のCozyです!
最近,暑いですねー。
暑いので,愛犬をトリミングにつれていきました。
シャンプーの香りが爽やかで,
かわいい顔がさらにすっきりかわいくなって大満足!(←飼い主バカ?)
でも「トリミング」って “trimming”という英語はあるけれど,
私たちがよく使っているような,
「ペットのトリミング」
に対しては,あまりそのように言わないんです。
この “trimming”という意味,
本当はどんな意味だと思いますか?
― “trimming”? “trimmer”?―
ワンコの散歩をしていると,最近このフレーズをよく聞くんです。
うちの愛犬のトリミングは,普段お世話になっている動物病院でしてもらっています。
トリマーさんとの相性がとても良いみたいなんです。
大の病院嫌いなわが家のワンコ。
他の病院だと,この世の終わりか?というくらい拒否反応するのに,
なぜだかこの病院だけは自分からスイスイ入っていくんですよね。
不思議です。
きっと先生方や,看護師さん,そして担当のトリマーさんのことが大好きなんでしょうね。
さてこの
「トリミング」
「トリマー」
という言葉。
もちろん英語なのですが,
本来の
“trimming”
“trimmer”
は,私たちが使っている感じとはちょっと違うのです。
どんな感じなのか,みていきましょう!
―トリミング=trim?―
日本では「トリマー」という職業があって,「トリミングサロン」もたくさんあります。
彼らは,犬や猫を可愛らしく,きれいに整えてくれるプロフェッショナル。
だから
「トリミング=ペットの理美容」
と思いがち。
でも,英語圏でその感覚はちょっと通用しにくいのです。
“trimming” “trimmer”の原形は
“trim”(トリム)
この “trim” という単語の意味は,
「刈り込む,(見た目を)整える,揃える」
というニュアンスがあります。
髪の毛なら
“trim your bangs”(前髪を整える),
庭木なら
“trim the bushes”(植木の形を整える)
というように使います。
だから,ワンコの毛を切って整えたり,足の毛をちょっとだけ切って揃えたりするのは “trimming”でOK。
でも,通常,トリミングのサービスとして入っているシャンプーや爪切りなどを含む場合は, “trimming”とは言わないんですね。
それではどう言うのか。
英語では,ペットの毛のお手入れ全般のことを
“grooming”
と言い,
それをする人を
“groomer”
と呼ぶんです。
「グルーミング」って聞いたことありませんか?
私たちが普段,愛犬愛猫に使っている「トリミング」という言葉は,
シャンプー・カット・爪切り・耳掃除など,トータルケアのことを指しています。
英語でその意味を持っているのは,“grooming”という言葉なんですね。
「トリミングをしてもらいに,ワンコを病院に連れて行った」
と言いたい場合,英語では
“I took my dog to the vet for grooming.”
“I went to the vet to get my dog groomed.”
“I took my dog to the groomer.”
のように言うと
英語ネイティブには,
「あ,ワンコの全身をきれいにケアしてもらったんだな」
というのが伝わるんですね。
さらに,ペットのカットのデザインなどよりおしゃれにする意味合いを含む場合は,
“pet styling”
といい,
それをしてくれる人を
“pet stylist”
と呼ぶこともあります。
―どうして日本では 「トリミング」なの?―
じゃあ,なぜ日本では「grooming」ではなく「トリミング」が主流になったのでしょう?
考えられる理由のひとつは,和製英語的な広がりなんだそう。
先述したように,“trim”には,「整える」という意味があります。
ペットの毛をカットして整えることを “trimming”と言っていたのが,だんだんと範囲が広がっていき,「ペットの全体的なお手入れ」という意味で使われるようになったのかもしれません。
もうひとつの可能性は,写真の「トリミング」。
写真などに詳しい方や,画像のアプリやソフトウェアを使っている方ならご存知だと思いますが,画像の不要な部分をカットして見た目を整えることを
「トリミング」
って言いますよね。
「 “trim” =見た目を整える」
というところから,印象として根付いたのでは,とも考えられるんです。
でも,それだったら人間のカットも「トリミング」って言いそうなのに,どうして動物だけに使うようになったのだろう?って思いますよね。
その理由として考えられるのは,
「日本語にはすでに,カット,散髪など[髪を切る]ための言葉が使われており,
それらが十分に定着していました。
そのため、“trim” や “trimming” が入り込む余地はなかったようです。
一方で、ペットの毛を整える文化は比較的新しく、それを表す言葉にはまだ決まったものがありませんでした。
そこに、「写真のトリミング」の感覚がうまく当てはまり、
「ペットのトリミング」
という表現が自然に広まっていったと考えられるのだそう。
なるほど,なんだか納得ですよね。
ちなみに,英語でも “pet trimming” という表現がまったく通じないわけではないんです。
先に述べたように “trimming” は,切りそろえたり,整えたりする感じ。
つまり “grooming” の中の一部の作業という感覚なんです。
全体のケアを指すならやっぱり “grooming” や “pet styling”なんですね。
ところで全くの余談なのですが,
先ほど,
“trim your bangs”(前髪を整える)という英語を例として紹介しましたよね。
次の2つの画像を見てください。
上は日本人女性,そして下が欧米人の女性です。
髪について,違いがわかりますか?
日本の女性は,画像のように前髪がある人が多い印象です。
でも,欧米の女性は,あまり前髪を作らないんですって。
一説によると,前髪を “trim”したり手入れしたりする手間をあまりかけたくない,という理由があるそう。
実際はどうしてなのでしょう?
ちょっと友人に聞いてみたいと思います。
と,話はそれてしまいましたが,
街なかで「トリミングサロン」を見つけたり,
トリミングの話題になったりしたときは,ちょっとだけ
「英語では “grooming”って言うんだよな」
と思い出してみてくださいね。
このように日本語と英語の言葉のズレを知ると,
やっぱり言語って不思議で面白いな,と思う私なのでした。
それでは
See you next week 〜♬
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。