こんにちは
NYのKayoです。
ニューヨークの1月は、街が急にシーン、と静かになります。
ホリデー・シーズンのきらきらしたイルミネーションがさっさと片づけられ、12月に酷使された胃袋と肝臓が「ちょっと休ませて」と訴え始める頃。
そんなタイミングで、ニューヨークでは毎年のように話題になるのが、
「Dry January /ドライ・ジャニュアリー」
です。
これは、年明け早々の禁酒月間のことで、1月の1か月間、お酒を一滴も飲まない、というなかなか潔いチャレンジです。ここニューヨークでは、もうすっかり市民権を得た習慣になっているのだそう。
考えてみれば、12月は飲まない理由を探すほうが難しい季節。クリスマス・パーティーをはじめ、友人とのいろいろな集まり、そして「せっかくだから」の一言で、グラスは何度も満たされます。
その結果、1月になると「なんだか眠りが浅い」「顔がむくんでる」「ズボンがきつい」と、体からのクレームが続々。
Dry Januaryは、そんな体の声に耳を傾ける、ちょうどいい言い訳を与えてくれるキャンペーンみたいです。
効能は?
さて、効能はというと、1か月お酒をやめるだけで、睡眠が深くなり、朝の目覚めが軽くなり、頭がすっきりする。肌の調子がよくなった、体重が自然に落ちた、血圧や血糖値が下がった、という話も珍しくありません。
何より、「あれ、私、毎晩飲まなくても平気だったんだ」と気づく、呑兵衛さんの精神的なリセット効果が、大きいようです。
肝臓にとっても、この1か月はまさにボーナス休暇〜。せっせと自己修復に励んでくれます。
Dry January成功のコツ!
しかし、そんな簡単に禁酒と言われても・・・、と思うあなたへ!
「成功のコツ」は、あまり気負わないこと。
ニューヨークでは、友人と「今年もやる?」と軽く約束して、ゆるく連帯します。冷蔵庫にはノンアルコール・ビールや、スパークリング・ウォーター、そしてちょっと凝った Mocktail / モクテル用の材料を常備。
夜の一杯を、ハーブティーや読書、ヨガや散歩に置き換えてみるのも、おすすめです。最近はアプリで日数をカウントしたり、気分の変化を記録したりする人も、増えているのですって。
Mocktail / モクテルって?
Mocktail とは、アルコールの入っていないカクテルのこと。
言葉の由来は
Mock(まがい物・〜のふりをする)+ Cocktail / カクテル
つまり、「お酒っぽい見た目や雰囲気はあるけれど、実はノン・アルコール」という飲み物なんです。
例えば、フルーツジュースと炭酸水、ハーブやシロップなどを組み合わせてカクテルのようにお洒落なグラスに注ぎ、ライムやミントを飾ったり。見た目は、バーで出てくる見た感じも素敵な一杯そのもの。でも酔わない。これが最大のポイントです。
ニューヨークでは、
「今日は飲まないけど、雰囲気は楽しみたい」
「車を運転するからアルコールは控えたい」
「Dry January中だけど、バーには行きたい」
そんな人たちのために、最近ではレストランやバーのメニューに、当たり前のようにモクテル欄があります。お酒を飲まない=場の空気を壊す、という感覚はほとんどありません。
日本でいうところの「ノンアルコール・カクテル」ですが、「Mocktail / モクテル」という言葉には、我慢ではなく選択であり、子ども向けではなく大人の一杯、というニュアンスが含まれているようです。
お酒をやめる人のための代用品、というより、「今日はこれがいい」と自然に選ぶ、もうひとつの社交って感じかな。
1ヵ月間の禁酒の結果は
Dry January の面白いところは、終わったあと。
「2月になったら、前より飲まなくてよくなった」「飲む日を、選ぶようになった」という人がとても多いそうです。
完全禁酒が目的ではなく、お酒との距離感を少し見直す。そのくらいの優しさが、このキャンペーンのいちばんの魅力かもしれません。
12月に頑張りすぎた自分に、1月は少しだけ休暇を。ニューヨークの寒空の下、温かいお茶を片手に「今日は飲まない日」と決めるのも、きっと、なかなか悪くありませんよね。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。




