Hey!guys.
月曜日のSwatchです。
良く考えてみると,自衛隊生活で,記憶力が養成されたように感じる。
Swatchは,若いころ,歩兵(自衛隊では普通科隊員というが)であったので,富士山の演習場などで,月一のペースで野外訓練をしていた。
これから敵陣めがけて攻撃作戦するときのミィーテイングで,指揮官から,「メモを取るな!」と言われた。「え?メモ取っちゃいけないんだ」。
「なぜ?!」と疑問がわいた。
<メモ取り禁止って本当ですか>
ミィーテイングの後,指揮官に呼ばれた。
「何故かわかるか?」
メモ取りがダメなどと,初めていわれたので,素直に「分かりません」と答えた。
すぐさま,
「お前のメモによって,計画が敵にばれたらどうなるか」
と質問された。
え、敵にばれるって、どういうこと?
そのあと、自分だけでなく,自分の所属する部隊全体が,危険になるかもしれないと説明されたが、正直良くわからなかった。
50年前は、大学生でも、情報が洩れるとか、スパイが日本にうじゃうじゃいるとかという風に考える人はいなかった。そんな社会風潮の中で、自分の書いたメモが、敵に知れるとか言われても、ピンとこなかったSwatchである。
根拠を示せば、陸上自衛隊服務規則第3章第1節命令及び会報(下達伝達の方法)がある。
自衛隊は、命令で行動する組織である。隊員にどのように行動するかを伝えることを、下達伝達(かたつでんたつ)という。
自衛隊には、部下に命令を伝える手段が3つあります。
(1)口達(こうたつ)
(2)口達筆記(こうたつひっき)
(3)文書交付(ぶんしょこうふ)
簡単に言えば、口頭で伝える、口頭されたことを書きとる、文書を配るです。
これを読めば、私の指揮官が「メモを取るな」といったことは、あまり適当でない。
メモとってもいいじゃん!となるのだが、規則には続きがある。
続き
「文書の交付は、必要最小限にとどめ、有事の際における命令の下達及び伝達を確実迅速にする習慣を養わなければならない。」
と規則に書いてあります。つまり、印刷した文書を配るのは、必要最小限にする。いつも自衛隊が有事のことを考えて、命令を伝えるときは、文書ではなく口頭で確実に、手際よくやらなければいけません。
さらに、日常から相手に物を伝えようときは、時間をかけず、しっかりと伝える習慣を身につけなさいと言うことなのです。
<記憶力をあげなければ、生きていけない>
最初は、理屈ではわかるが,実際に自分のメモが敵にわたる可能性などないと考えた。今考えれば,可能性はあるといえる。
味方の行動も,敵の行動も理解でき,そういった戦闘上の情報のせめぎあいで,作戦の可否が決まるからだ。
そんな状況で,自分の任務をやり遂げるには,記憶力が必要となる。正直、大変なところに来てしまったと考えていた。
個人的に,記憶を良くするには、どうしたらよいのだろうと思案していたのだが,私の指揮官は,その記憶力を普段の生活の中で,養成していくのが,上司の責任であると胸を叩いた。
今考えれば、良い上司にあたったものだ。
ということで,Swatchは,あらゆる面で記憶力を高める訓練をされた。
メモを取らずに言われたことを復唱し,即実行する。いわゆる短期記憶の向上トレーニングだ。あなたもご存じだと思うが,短期記憶は高校生から10代の終わりで,そのピークを迎える。
あなたは、大学生となり,2年次ぐらいに,高校時代のように一夜漬けの記憶がきつくなる経験があると思う。
頭が悪くなったわけではなく,短期記憶の役割が終わったのだ。短期記憶は,サバイバル記憶とも呼ばれ,子供が危険を回避するときに使われる,一時的な記憶力である。
もう少し説明すれば、子どもが危険なもの,例えば,部屋に置かれたストーブに近づいていくと,母親は「危ないから近づかないで」と注意する。子供は,危険を察知し,ストーブへ歩むよることをやめる。
次の日,同じことが起こる。子供は,ストーブが危険であることを忘れている。記憶が短期間で消えてしまうのだ。とりあえず,今、現在の危険を回避するための一時的な記憶力なのだ。
一般的には,短期記憶は十代で急速に衰えるが,自衛官のように訓練された場合,短期記憶が向上することもある。
短期記憶力は,私の体験上、努力によって向上するのだ。覚えたことを,即実行するという行動を繰り返すと,記憶と行動がマッチし,行動のパターン化が生じる。それこそ,隊員が求められる実践力となる。
<記憶法における復唱の大切さ>
先ほどの陸上自衛隊の「命令及び会報」のなかに、今考えると記憶力の向上に関連して、さらに追加事項がある。
追加事項は、「命令を受領したものは、その要旨を復唱するのを例とする」である。
命令を口頭で聞いた隊員は、その要旨(概要、重要なところ)を復唱(ふくしょう)することを、例外なくやらなければならないということなんです。
上司から話をきいたら、それをそのまま繰り返し上司に伝えることを、日常的にして行く訳です。
それも「迅速に確実に」する。もたもた言っていると、「何言ってるんだ」と怒鳴られる。今ならパワハラで大変なことになりそうですが、50年前は、そんなことは当たり前です。
規則に書いてあることを、繰り返しする訳ですから、いやでも慣れてくるし、そういった能力も自然についてきます。
ひどいところに来たという感覚は、逆に、すごく良い教育環境にいるという実感に代わっていきました。
自衛隊が本当に教育に熱心であり、それをシステマティックに実行しているという状況を端的に指摘している著書があります。
『自衛隊という学校』『続自衛隊という学校』(荒木肇著、並木書房)(副題:若者は何を学び、どうかわったか)
です。
Swatchの放送大学大学院の修士論文に多数引用させていただいています。
本題に戻ると、復唱をするという習慣が、記憶力を向上させると同時に、ある重要な能力を向上させることになるのです。
Swatchは、現在、大学でキャリアアドバイザーをしており、学生の就職活動の支援に携わっています。
その中で、企業が求めている能力が「コミュニケーション能力」です。コミュニケーション能力は、自分が言いたいことをべらべら話す(大学生の解釈)ではありません。
<英語学習に実は応用が可なのです>
相手の言ったことを理解して、その答えを的確に話すことです。まさに自衛隊の日常生活です。
相手の言ってることを理解するには、相手の言っていることを聞き取らなければなりません。そして、頭の中に入れることにより、言語化できるのです。
頭の中に情報を入れるときに役に立つのが、復唱です。相手の言ったことをそのまま繰り返すことによって、正確、迅速に言語化できます。
そのテクニックを得た学生は、面接の合格率が飛躍的に向上します。
学生の例を挙げるまでもなく、Swatchは、自衛隊生活の日常生活の中で、上司から罵倒されながらも、情報伝達を「確実迅速にする習慣を養わなければならない」を実践してきたのです。
現在の脳科学では、前述の一連の行動が言語活動に影響することが分かっています。
日本語を論理的に話すという行為は、まず頭でフレーズを考えることです。何を話すかを決めること。それを言語化と言います。頭の中にフレーズが浮かべは、相手に自分の意見を伝えることができます。英会話で言えば、相手に伝える英語のフレーズが頭に浮かんだ状態です。
ほとんどの日本人が、ここでやめてしますので。つまり、言語化するところで学習を終えてします。
コミュニケーションするためには、頭にあるフレーズを音声化しなければなりません。つまり「話す」ということです。その話すという行為が、日本語でも英語でも、練習しないとできないのです。
言語化と音声化。つまり、頭にフレーズを思い浮かべる。英語のフレーズを思い出す。そして、声に出して伝えるという練習をすることで、あなたの英語の知識は、一気に英会話として実用化するのです。
自衛隊生活を振り返ってみると、メモを取らず、自分の記憶で「相手に情報を確実に迅速に伝えていく生活」が、自分の英語人生の礎だったと感じます。自衛隊式の記憶術を、あなたも英会話力向上に役立ててみてはどうでしょうか。
執筆家・英語教育・生涯教育実践者
大学から防衛庁・自衛隊に入隊。10年間のサバイバル訓練から人間の生について考え、平和的な生き方を模索し離職を決断する。時を同じくして米国国費留学候補者に選考され、留学を決意。米国陸軍大学機関留学後、平和を構築するのは、戦いを挑むことではなく、平和を希求することから始まると考えなおす。多くの人との交流から、「学習することによって人は成長し、新たなことにチャレンジする機会を与えられること」を実感する。
「人生に失敗はなく、すべてのことには意味があり導かれていく」を信念として、執筆活動を継続している。防衛省関連紙の英会話連載は、1994年1月から掲載を開始し、タモリのトリビアの泉に取り上げられ話題となる。月刊誌には英会話及び米軍情報を掲載し、今年で35年になる。学びによる成長を信念として、生涯学習を実践し、在隊中に放送大学大学院入学し、「防衛省・自衛隊の援護支援態勢についてー米・英・独・仏・韓国陸軍との比較―」で修士号を取得、優秀論文として認められ、それが縁で定年退官後、大規模大学本部キャリアセンターに再就職する。
修士論文で提案した教育の多様化と個人の尊重との考えから、選抜された学生に対してのキャリア教育、アカデミック・アドバイジングを通じて、キャリアセンターに新機軸の支援態勢を作り上げ、国家公務員総合職・地方上級職、公立学校教員合格率を引き上げ高く評価される。特に学生の個性を尊重した親身のアドバイスには、学部からの要求が高く、就職セミナーの講師、英語指導力を活かした公務員志望者TOEIC セミナーなどの講師を務めるなど、大学職員の域にとどまらぬ行動力と企画力で学生支援と教員と職員の協働に新たな方向性をしめした。
生涯教育の実践者として、2020年3月まで東京大学大学院教育研究科大学経営・政策コース博士課程後期に通学し、最年長学生として就学した。博士論文「米軍大学における高等教育制度について」(仮題)を鋭意執筆中である。
ワインをこよなく愛し、コレクターでもある。無農薬・有機栽培・天日干し玄米を中心に、アワ、ヒエ、キビ、黒米、ハト麦、そばを配合した玄米食を中心にした健康管理により、痛風及び高脂質血症を克服し、さらに米軍式のフィットネストレーニング(米陸軍のフィットネストレーナの有資格者)で筋力と体形を維持している。趣味はクラッシック音楽及びバレエ鑑賞。
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