こんにちは
NYのKayoです。
今回は、ニューヨークやヨーロッパの駅と日本の駅について。
日本の鉄道はとにかく素晴らしくて、周知の如く、世界に誇れる文化だと思います。中でも私が「これはすごいなぁ!」と毎回感心するのが、駅そのものの存在感。
日本の駅は、単なる「電車に乗る場所」だけではないですよね。下手をすると、ちょっとしたショッピング・モール。
改札に辿り着くまでに、パン屋さんがあって、和菓子屋さんがあって、本屋があって、服まで買えてしまう。100円ショップがあって、レストラン街がある。駅に着いただけで、なんだか心がウキウキしてしまうのです。
不動産広告で「駅近」が最強ワードなのも、よくわかります。
最近では、駅構内から直結、あるいは雨に一滴も濡れずに行けるマンションまであるそうで、人気のようですね。雨の日も、真夏の猛暑の日も、仕事や学校に「よいしょ!」と気合を入れずに行ける。これはもう、ハイクラス生活、そのものです。
<ニューヨークの駅は>
では、ニューヨークはどうでしょうか。
私が住んでいるこの街では、「駅の構内=便利」ではありません。むしろ逆で、「駅の周りは気をつけて」と言われるのが普通です。たとえばマンハッタンのペン・ステーション。
地図で見るとミッドタウンの一等地。なのに、実際に行くと、ホームレス、薬物やアルコール中毒の人たち、喧嘩、置き引き、スリが日常茶飯事。慣れている私でも、夜はできれば近づきません。
少し東に行くと、あの美しいグランド・セントラル駅があります。今では観光名所としても有名ですが、1990年代の大改築が始まる前は「ワイルド・ウェスト」とまで呼ばれた危険地帯でした。
広い待合室にはホームレスが溢れ、物乞い、喧嘩、売春…、もちろん今は綺麗になってるんですけどね。
今の姿からは想像もつきませんが、駅という場所がいかに荒れやすいかを物語っています。
<ヨーロッパの駅は>
ヨーロッパも似たようなものです。
私はパンデミック前まで、演奏旅行で、ほぼ毎年のようにフランスのパリに行っていましたが、駅北や駅東の治安の悪さは有名でした。
構内や周辺を、大きな軍隊用の銃を持った警察官がウロウロと巡回している光景は、今思い出しても緊張します。
ヨーロッパの駅といえば、Kiosk (売店) が少しある程度で、日本のような「駅ナカ天国」とはまるで別世界です。
<旅先のグルメに舌鼓を打つ駅弁の文化>
その点、日本の駅は世界各地の駅と比べると、本当に特別です。清潔で、静か。きれいに清掃されたパウダー・ルーム(お手洗い)も完備。
最近ではなんと、温泉の足湯まである駅なんかもあるようですね。
そして日本人は、電車の中でお弁当を食べるという、なんとも平和的な楽しみを、クリエイトしました。各地に名物の駅弁があり、「今日はどれにしようかな?」と選ぶ時間までも含めてが「旅」。
これ、世界的に見ると、かなり、実用的であり、優雅な、美味しい文化だと思います。
駅が安全で、居心地がよく、楽しい場所であるということ。それは、その国の社会の成熟度を、しっかり物語っていると思います。
日本の駅は、ただの交通インフラではなく、日本人の几帳面さと優しさと思いやりが詰まった、小さな街。そう思うと、次に駅に降り立つとき、ちょっと誇らしい気持ちになりません?いいなぁ、日本の駅。アメリカもこんなだったら楽しいのに。
ここでは、どこの駅へ行っても、ホットドッグかスライスピザか、ハンバーガー…。(笑)
それではまた次回♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。




