Hi!
火曜のJiroです。
中高生でも、60代でも、発音が突然大きく変わることがあります。
実際最近私の生徒さん達に起きたように。
その理由は、実にシンプルでした。
発音記号が読めるようになったからです。
そう聞くと、
「発音記号なんてやったことない」
「読めない」
「今さら覚えられない!」
とあなたは思うかもしれません。
その反応はもっともです。
日本の英語授業では、発音記号をほとんどやらないからです。英語教師の側にも「そこまで教えなくても……」という気持ちがあるのでしょう。
正直に言えば、私自身中学・高校で教えていた頃、生徒達に発音記号はほとんど教えませんでした(笑)。
ところが退職後、考えが変わりました。
発音記号は、かなり役立つ。
そう思うようになった理由は二つ。
発音記号の効果
一つ目は、実際にその効果を見せつけられたからです。
家庭教師で教えている中高生だけでなく、60代の女性達まで、発音記号を少し教えただけで発音が大きく変わったんです。
例えば、カタカナ英語が急にレベルアップし、ノリノリで歌を歌えるようになったとか。
考えてみれば、当たり前。
発音記号とは、そもそも「この単語はこういう音」と、
発音を目に見える形
にしたもの。
聞くだけでは、「今の音、ア? エ? その中間?」となってしまいます。でも、
cat [kæt] と目で見れば、
「あ、この母音か」と分かります。
耳だけで追いかけていた音が、視覚的に目でも見えるようになる。
これが大きかったのだと思います。
そして二つ目。
発音記号は、思うほど難しくありません。
今回は、むしろこちらの話をしたいと思います。
(1)どうせ読めれば十分
、発音記号は書けなくてよいんです。
読めれば十分。
私だって、何も見ずに全部正確に書けと言われたら自信がないかも(笑)。
辞書などに書いてある発音記号を見て、
「ああ、こう発音するのか」
と分かれば、それで目的は達成できます。
(2)本当に注意すべき記号は、それほど多くない
英語の発音記号は、数え方にもよりますが全部で40数種類ほど。
でも、その中には
[ d, t, s, e, i ]
など、すでに見慣れた文字がたくさんあります。つまり、40数個をゼロから全部覚えるわけではないのです。
感覚的に言えば、40人の敵がいるように見えても、半分くらいは見慣れたキャラ。
新しく覚える必要のある敵は、せいぜい20数人。
そして生徒に「ここは特に注意しよう」と言うラスボス級は10個程度(笑)。
考えてみれば、これは道路標識と似ています。
日本にはたくさんの道路標識がありますが、毎日の運転で特に大切なのは、
一時停止、駐車禁止、一方通行、進入禁止、横断歩道……
といったおなじみのものです。
私たちはそれをいちいち、
「これは赤い逆三角形だから……」
などと考えません。
見れば分かります。
そして、その通りに無事運転しています。
発音記号も、そこまで行けばよいのです。
それより何より、日本人は何千もの漢字を普通に使っています。
「鬱」は難しいとしても(笑)、発音記号が数十個増えるくらい、考えてみれば大したことではありません。
日本人なら発音記号くらい、お茶の子さいさい――のはず(笑)。
では、どこから始めるか
英語の発音を全部一度に変える必要はありません。
まずは、間違えやすい音をいくつか「見分けられる」ようになれば良いです。
私が今、生徒に発音記号を教える際、特に強調しているのは次の二つ。

1.まずは同じ「ア」に聞こえやすい母音の区別!
[ɑ]
大きく口を開ける感じのア
far [fɑ:r] farm [fɑ:rm]
[æ]
アとエの間のような、つぶれたア
bat [bæt] cat [kæt] Sam [sæm]
[ʌ]
短いア
but [bʌt] come [kʌm] sun [sʌn] up [ʌp]
[ə]
曖昧なア
again[əgen] and[ənd]
などです。
「ア」とカタカナ一文字で済ませていたところに、実は違う音がある……
その違いが目に見えるだけでも、発音はかなり変わります。
2.紛らわしい子音を区別!
たとえば、
[tʃ]
日本語の「チャ・チュ・チョ」に近い音
chat [tʃæt] change [tʃeindʒ] chip [tʃip]
[dʒ]
その濁った音
jet [dʒet]
[ʃ]
日本語の「シャ・シュ・ショ」の子音
show [ʃou] she [ʃi:] ship [ʃip]
[s]
日本語の「サ・ス・セ・ソ」に近い子音
so [sou] sea [si:] sip [sip]
ここで、
ship [ʃip] / sip [sip]
she [ʃi:] / sea [si:]
を比べてみると違いが見えてきます。
これだけでも、かなり違いそう。
発音記号を学ぶというと、何十個もの謎の記号を暗記する勉強の気がします。
でも、本当の意味はそこではありません。
英語の音が、目でも見られるようになる
繰り返しになりますが、
今まで耳だけで聞いていた英語の音が、目でも見られるようになる
これが発音記号の一番大きな力ではないかと思います。
中学生でも、高校生でも、60代でも、ここは同じでした。
60代の方達は、典型的なカタカナ英語っぽさが、発音記号を導入するとかなり正確な発音になりました。
音そのものに年齢制限がないように、発音記号にも年齢制限はありません。
まず7,8個ほど。
目で見えると、口から出すのがずっと楽になります。
Seeing is believing
「百聞は一見に如かず」は、案外、英語の発音にも当てはまるのかもしれませんね。
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員








