【World Life】とは?
スポンサーリンク

「お世話になります」って英語で言える?

World Lifeな生活
この記事は約7分で読めます。

 2022年が始まって早20日。

仕事のメールや電話で何度,

「お世話になっております。」

「今年もよろしくお願いいたします」

と言ったことでしょう。

おそらく,これを読んでいただいているほとんどの方も同じではないでしょうか。

そして,よーく訊かれるのが,

「『いつもお世話になっております。』とか『よろしくお願いいたします。』って英語でどう言えばいいの?」ということ。

これ,本当によく訊かれるのですが,

みなさんなら英語でどう言いますか?

―まずは一息おいて―

「お世話する」は, “take care of” 

「なっています してくれています」なので,進行形?

と考えて,

You are always taking care of me.
(あなたはいつも私をお世話しています)

「文法的にも間違えていないので,これが正解!」

と思った方もいらっしゃるかもしれません。

でも,答えは×

「じゃあ,
“Thank you for taking care of me.”
(私のお世話をしてくれてありがとう)
じゃない?」

それも×

いや,本当に文法的にはまったく問題ないんですよ。

でも根本が違うのです。

それは,そういう表現やそのようなことを言う習慣が英語圏には「ない」から。

言語はその国の文化や習慣が大きく影響しています。

この「よろしくお願いいたします。」や,「お世話になっております。」は,

その典型的なものの1つと言っても過言ではありません。

詳しい説明はおいといて,これらの「挨拶」って日本っぽいと思いませんか?

何かを具体的にお願いするわけでもなく,

また,直接的に何かお世話になったお礼を述べているわけでもなく

ただただ,曖昧なこれらの決まり文句。

でもその中に,「あまり具体的に説明できないけど大切な意味を持っている」。

言葉にしなくても「察する」ということを自然と行う,実に日本人らしいと私は思うのです。

これはまさに日本の文化・習慣を背景に生まれた言葉。

だからアメリカなどのように,はっきりと具体的に伝える英語圏の人々に対して,

「言葉だけ」を翻訳して言っても伝わらないのです。

ですので,訳すときには「ちょっと一息おいて」,

それこそ,「これは直訳しても大丈夫かどうか」

を瞬間的に「察する力」が大切なのかもしれません。

―「察する」ことってできるの?―

「そんなこと言ったって,文化とかわからない部分もあるし・・・。」

そう思う人もいらっしゃると思います。

でも,ちょっとこの表現で考えてみてください。

ほら,みなさんがよく使う「お疲れ様です。」という言葉。

これを伝えたいと思って英語に訳すとします。

“You are tired.”(あなたは疲れています。)

“You must be tired.”(あなたは疲れているに違いない。)

このあたりが浮かんでくると思うのですが,いずれも

「ちょっと違うなぁ」と思いませんか?

「これ,『あなたはきっと疲れている。』って決めつけすぎている気がするんだけど。」

と思ったアナタ,正解!そうなんです。

その感覚が大切なんです。

もちろん,オフィスで同僚が本当に疲れている感じの場合は使えますが・・・。)

「ちょっと違うなぁ。」⇨「この表現,英語圏でも使うのかな。」

となればしめたもの。

そこから,「じゃあ英語ではどうやって言うのだろう?」と英語での表現を知っていく。

これを積み重ねていくことが大切なんですね。

―じゃあ,英語ではどうやって言うの?―

そこですよね。

まず,英語には

「お世話になっております。」

「よろしくお願いいたします」

「お疲れ様です。」

のような表現はほぼありません。

日本のビジネスメールでは,「お世話になっております。」から始めるのが一般的ですが,

英語では,Hi. Hello. などに続けて,

I hope you are doing well / good / fine.
(お元気のことと思います。)

How are you doing?
(こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。)

I hope this email finds you well.
(お元気のことと思います。)

I hope all is fine.
(すべて順調のことと思います。)

のような表現から始めます。

また,自分の国や地域の季節の話をすることもあります。

そして,「よろしくお願いいたします。」に関しては,単純に

Thank you.
(ありがとう。)

としたり,何かを依頼したメールなどでは

Thank you in advance.
(前もってお礼申し上げます。)

などの表現を用いたりします。

この, “Thank you in advance.”が,日本の「よろしくお願いいたします。」に代わる言葉として用いられることもありますが,あくまで「お願いして,相手が受け入れてくれる」という前提なので,

「受け入れてもらえないかも?」という場合はあまり使えません。

その理由は,ちょっと図々しく思われてしまう可能性があるからです。

返信を必要とする場合は,

I look forward to hearing from you.
(お返事を待っています。)

などの表現を使うと無難です。

―じゃあ,「お疲れ様です。」は?―

会社の人との電話やメール,社内チャット,オフィスに入った時など

「お疲れ様です。」

という挨拶から始めることが多いと思います。

でも,前述した通り,英語には軽い挨拶としての「お疲れ様です。」という表現はありません。

では,「何も言わないのか?ですよね。

よく使うのは,いたって普通の挨拶。

Hi, how are you doing?

How’s it going?

のような「調子はどう?」といった軽い挨拶が中心となります。

もちろん,普通の挨拶なので返す方も,

“I’m good, thanks.”などと返すんですね。

―英語にするときは,意味を中心に―

伝えたいことを英語に訳す時,つい,「日本語をそのまま英語に訳す」といったことをしがちです。

このような「直訳」は,きちんとした意味が通じなかったり,勘違いされてしまったりと,時として危険。

むか~し,テレビのお笑い番組である芸人が

“Mr. Fukusui doesn’t come back in Bon. “

と言って笑いを取っているコント?を見ました。

みなさん,これ何を言っているかわかりますか?

直訳すると,「フクスイさんは,お盆には帰りません。」となります。

このネタをご存知の方,また感の良い方はお気づきかもしれません。

そう,これは

「覆水盆に返らず」ということわざ。

言うまでもなく,「一度してしまったことは取り返しがつかない。」というのが主な意味。

それを意味ではなく,「言葉だけ」を英語に訳してコントにしたのが,

“Mr. Fukusui doesn’t come back in Bon.”

まあ,色々とツッコミどころ満載な英語ではありますが,

これを聞いた時,私は

超笑いました。ww

「面白いところに目をつけたなぁ。」と。

これはコントだし,「意味を考えたら,そんなわけないじゃん!」って笑えますよね。

でも,

「お世話になっております。」

「よろしくお願いいたします」

「お疲れ様です。」

だって,同じように「言葉だけ」で訳してしまうかもしれません。

“Thank you for taking care of me.”

「お世話になっております。」と言ったつもりが相手には,

「私の身の回りのお世話をしてくれてありがとう。」と勘違いされ,

「あなたのお世話をしたことはありません!」と思われてしまうかもしれません。

だから直訳は危険な場合があるんですね。

英語に訳すときは,その本来の意味を考えることで相手に「本当の意味」が伝わるのだと私は思うのです。

「覆水盆に返らず」の英語訳としては,

 “It is no use crying over spilt milk.”
(こぼれたミルクを嘆いても無駄だ。)

が一般的に知られています。

でも,その英語のことわざを知らないと出てきません。

その諺がどのような意味なのか,を考えると

“We cannot fix what we’ve done.”
(やってしまったことは,もう直せない。)

のような感じでしょうか。

このように,「意味を考えて相手に伝える」ことが大切。

英語を学習されている方,英語を使わないといけないけど,まだ不安,という方々に是非,そのことを知っていただければと思います。

Have a wonderful Thursday!
(良い木曜日を!)

タイトルとURLをコピーしました