先日、ジャズクラブ「SMOKE(スモーク)」に行ってきました。
目的は、ピアニスト、ビル・チャーラップ♫
ベーシストのピーター・ワシントンとドラマーのケニー・ワシントンをフィーチャーした最高のピアノトリオを率いています。
彼は、アメリカの有名ジャズスタンダード曲の代表的演奏家として知られ、タイム誌は、
「曲に対する彼の見解がどんなに想像力に富んだり、驚くべきものだったりしても、彼は常にその本質をつかみ出し、それを表現することができる。」
と述べています。
そんなチャーラップは、フィル・ウッズや、トニー・ベネットから、ジェリー・マリガンやウィントン・マルサリスまで、現代の多くの主要なアーティストと共演し、1997年からこのトリオを率いてきました。
ガーディアン誌(英の大手新聞)は、
「ユニットとして、これはたしかに史上最高のピアノトリオの1つである。」
と説明しています。
チャーラップのキーボードのタッチは、軽く、ほんとうに繊細でありながら、重音演奏するときには常にどっしりしていて、でもクリアで、音がとにかく美しいのです。
さて、今回のチャーラップトリオのチケット代は、1番良い席がプレミアムシートで1名55ドル。横とか後方はちょっと安めで、私が確保したピアノの真横の席、パーシャルビュー(ステージが全部ちゃんと見えるわけではない席)は40ドル。
ステージ全体は見れませんが、私にとって、チャーラップの動く10本の指を、目の前で見続けられるなんて、そんな幸せな事はありません。やった!
ちなみに、立ち見席も40ドルのようでした。立ち見なら、食事を食べなくても良いから、バジェット的にその点は助かりますね。
今回、インスタント・シート・ドット・コムというウェブサイトからチケットを取ったのですが、チケットを2枚取るためには、何やらフィーと言うものが6.7ドルかかりました。アプリを使う使用料のようでした。なんだか腑に落ちませんが、他にチケットの取り方がわからなかったので、これで払いました。
このSMOKEというジャズのライブハウスは、ディナーが必須。一人当たり、メインコースのお料理を一皿、必ず取らなくてはいけないんです。まぁここは一流のため、お食事のお高いこと。
でも、3年以上、ほとんどお出かけはしてなかったので、とかなんとか自分で理由を作り上げ、今回は奮発することに。牛肉料理、ブレイズド・ショートリブ (ショートリブの蒸し煮)が36ドル。可愛いらしい付け合わせ、小さなにんじん、ポテト、エシャレットなどがちょこんとついてきました。そしてビールが1杯、小さめグラスでオシャレに8ドル。もちろんこれにチップや税金が掛かってきます。
コンサートの内容は、素晴らしい!の一言。この、ビル・チャーラップのピアノ演奏の素晴らしさは、メロディーを弾くときの、粉雪が降るような、繊細なピアニッシモの感触と、後半盛り上がってきたときの、コードでの重音演奏の、戦車の攻撃のような迫力との対比が、もの凄いのです。行ってよかった。涙うるうるものでした。感動いっぱい胸いっぱいで、とっても幸せになれた一夜でした☆
それではまた来週♫
Kayo
◯ジャズクラブ SMOKEサイト
https://smokejazz.com/
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。