日本ではとても厳しい統制下に置かれている、薬物に関しての記事になります。
cannabis / カンナビスと正式には呼ばれるマリワナ(大麻)。タバコのように吸ったり、気化したり、中にはクッキーやキャンディに入れて食べることもできるものもあるそうです。
そんなマリワナが、ニューヨークでは2021年、アメリカ合衆国で第22番目の州として、法律で解禁となりました。お店は、レクリエーション・マリワナ・ディスペンサリーズ、つまり「嗜好大麻薬局」という名前になります。
クッキーに入ったマリワナと言えば、少し前になりますが、大好きだったアメリカのテレビドラマ「ビッグバン☆セオリー/ギークなボクらの恋愛法則」での一幕。
主人公の、オタクな天才青年物理学者たちが、知り合いになった女性のグループからお手製のクッキーを分けてもらって、それを疑いもなく食べたところが、なんだか全員が気持ちよくなってしまって、それはつまり大麻が入っていたらしいと言う、(とにかくその出演者たちのふわふわとぼけた会話がおかしくて笑い転げた)、そんなエピソードもありました。
来年の半ば位からは、ライセンスがあれば、住民がそれぞれ自宅で栽培することが許可になるそうです。これも面白いシステムですが、なんだか笑っちゃいます。つい先日までは、持っていたら逮捕されたりしていたはずなのに。
マンハッタンのダウンタウンにも、今年の始めに「ハウジング・ワークス・カンナビス・カンパニー」と言うお店がオープンしたそうで、200種類の商品があり、6ヶ月間ほどで、すでに12ミリオンと言う売り上げを上げたのだとか。(日本円で言うと、18億円位)。
つまり、それだけ大きな税金が、増収入としてニューヨーク州に入ってくることになります。それと新たな雇用も見込まれているとか。正規の職業として、「マリワナのセールスマン」とかになるわけですね、なんかすごい。
21歳以上であれば購入でき、1人85グラムまで、法律で許可されているのだそうです。
ちなみに、ハウジング・ワークスと言う会社は、30年以上、社会的平等のために戦ってきた、非営利団体だそうです。
顧客にインタビューすると、このシステムは本当にいいよ、自分が何を買ったのかちゃんとクリアにわかるからね。と、評判もなかなかのよう。闇で買うよりは、もちろん安心のはず。
ニューヨーク州ではまだまだ新しい試みなので、なかなか、簡単にあちこちでこの薬局がオープンすると言うわけにはいかず、マリワナ農家として免許を取るのも大変だし、お店(薬局)を出すにも書類の提出を済ませてから免許が出るまで、一筋縄ではいかないらしく。
またお店の営業許可が出るまでも、免許が取れても相当に時間がかかるので、大変なビジネスだ、と今日もテレビのニュースでやっていました。
リサーチしてみたところ、国として、嗜好、医療目的として許可しているのは、カナダ、ウルグアイ。そして国の1部で許可されているのは、アメリカ合衆国、ポルトガル、イスラエル、ベルギー、オーストリア、オランダ、イギリス、スペイン、フィンランド、ドイツ、韓国など。
アメリカのニューヨーク州では、ライセンスを取れば合法と言うことになってしまったため、今度は、ライセンスを持っていない闇の売人たち(!)がどんどん逮捕されていくことになります。
ちなみに、われわれ在留邦人は、在ニューヨーク日本国総領事館からメールが届いており、日本の大麻取締法は、海外でも、マリワナの栽培や販売に関わると、罰せられることがあるそう。その地域ではオーケーであっても、日本人である以上、大麻には絶対に手を出さないように!とのことです。
「マリワナは、21歳になってから」なんて言う広告が地下鉄に貼ってあるそうです。経済効果が上がると言われてしまえば、従うしかないのでしょうか。そういえば、禁酒法の時代 (1920年1月17日〜1933年12月5日) が、しばらく続いたアメリカ。
お酒が、法律で解禁になった時も、人々はこんなふうに喜んだのでしょうか。あまり変化のない日本から来たので、アメリカのこういうコロコロと世相によって変わっていく法律は、とっても興味深いです。ね。
今回はそんなニューヨークのマリワナ事情をお届けしました。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。