留学中のある日,私は自分の部屋でダラダラと過ごしていました。
すると,
「コンコンッ!」
Somebody knocked on the door.(←先週の復習です(笑))
とノックした音がしたと思ったら,
“Cozy, you got company here!”
と,ドアの向こうからホストマザーの声が。
「え, “company”?会社?わたしゃまだ学生…」
って思うじゃないですか!
あなたは,この “company”って何のことだと思いますか?
― “company”=「会社」じゃない?―
私たちはついつい
“company”と聞くと,「会社」をイメージしがちですよね。
それは間違ってはいません。
でも,その時私のお母さんは,
“You got company here.”
と言ったんですよ。
(う〜ん,会社じゃないしなぁ。スカウトか?)
なんて思ったか思わなかったかは覚えていないのですが,
急いで玄関へ行きました。
するとそこにいたのは,クラスメイト。
“Hey, what’s up?”
(元気?)
“Why didn’t you call me first?”
(先に電話してよー。)
なんて言いながら,
“How come did you call him “company”?”
(どうして彼を[カンパニー]と呼んだの?)
とお母さんに聞くと,
「“company”には複数の意味があって,「仲間」や “visitor” という意味もあるのよ」
と教えてくれました。
そういう体験から学んだ言葉って,忘れないんですよね。
今でも強烈に覚えております。
―なぜ「仲間」?―
確かに,英英辞書で調べてみると
a: association with another : (他の人との付き合い)
b: companions, associates (仲間)
c: visitors, guests (訪問者,客)
と書かれています。
それでも,どうしても「会社」のイメージから抜け出せない人もいるかと思います。
ここでちょっとだけ覚えやすくするためのコツを!
“company”という英単語の “com”は
「一緒に,共に」
を意味する接頭辞。
例えば,
“companion”(仲間,連れ,コンパニオン)
“community”(コミュニティ)
“committee”(コミッティー,委員会)
などの言葉を見てみると,「一緒に(なにかをする)」というイメージが湧きませんか?
そして,残りの“pany”は,ラテン語の「パン」を意味する“panis”なのだそう。
“com pany”で,「一緒にパンを食べる」=「一緒に食事をする」
となり, “company”は「仲間」という意味でも使われるようになったのだとか。
では,なぜそこから「会社」になったのか。
それはもうおわかりかもしれませんね。
「仲間」が集まってビジネスを行うところ,それが “company”(会社)ということなんです。
こうやって覚えると,まるで体験したかのように覚えやすくありませんか?
ただ1つだけ注意点が!
「仲間,訪問者,連れ」などの意味で使われる “company”は,単数であれ複数であれ,形は “company”のままで使われますよ。
― “office” もいろいろありますー
“company”は,「仲間」「会社」などの意味がありました。
そして,「会社」といえば “office” という単語も関連語として出てきます。
この “office”,日本でも「オフィス街」などという言葉もあるので,
「会社の事務所が集まっている街」なんて思ってしまいますよね。
もちろん,それも間違いではありません。
主にアメリカになるのですが,こんな言葉も使われています
それは,
“a doctor’s office”。
そのまま読むと「医者の部屋か事務所?」って思いますよね。
これは,以前「Hospitalというと驚かれる理由」
で, “hospital”は大きな総合病院を指す単語だと説明しました。
それに対して,
“doctor’s office”は,「診療所」「医院」「診察室」などを指す言葉なのです。
“doctor’s office”は
「お医者さんが事務作業等をする部屋のことかな?」
と思ってしまいがちですが,アメリカでは診療所などを意味するんですね。
他にも,
定冠詞の “the”や冠詞の “an”をつけて
“the office” “an office” は,会社の事務所などを表します。
“My boss left the office an hour ago.”
(上司は1時間前に会社を出ました。)
のように,今日はもう帰った,ということを表すことができます。
でも, “the”や “an” を付けずに
“My boss left office yesterday.”
とすると,
「上司は昨日,退職しました。」
“the”や “an”がないだけでこんなに違うなんでびっくりですよね。
ということで,今回は
“company”と “office”の意外な意味,をお伝えしました。
少しでも
「へぇ〜!」
と思っていただけたら幸いです。
私も,
「“company”(会社)は仲間が集まっているところ」
ということで,多くの仲間たちともっと絆を深めようと思った秋の夕暮れでした。
それではまた来週〜♫
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。