「エディブル・フラワー」って知っていますか?
最近,スーパーなどでもよく見るようになったと思うのですが,
あなたは買ったこと,あります?
“edible flowers”とは,
「食べることのできる花」
のことですが,
「食べることのできる」
だったら,
“eatable”じゃないの?
って思いません?
― “eatable”と “edible”―
そもそも
“edible”
という言葉に馴染みがない人もいらっしゃるかもしれませんね。
“edible”とは
「食べることのできる」という意味。
ですので,
“edible flowers”とは,
「食べることのできる花」
という意味なんですね。
この言葉,なんでも後期ラテン語の
“edibilis”(食べられる)
という言葉から来ているんですって。
そんな “edible”ですが,
「食べることができる」
を表すのだったら,
“eat”に「〜することができる」
という意味の“able” を付けて
“eatable”
でいいんじゃないの?
って思いませんか?
調べてみると, “edible”と “eatable”にはちょっとだけ違いがあったんです。
これら2つの単語の基本的な共通点は,
「食」に関する語で「食べられる」ということ。
英英辞書によると,
eatable: Food that is safe to eat and satisfactory in taste.
(“eatable”:食べても安全で,味に関しての満足度もあるもの。)
edible: Food that is safe to eat but not necessarily enjoyable in taste.
(“edible”:食べても安全だが,必ずしも味を楽しめるとは限らない)
とあります。
う〜ん,味の満足度の違い…なのか? そうなのか?
と思いつつも,さらに他の辞書を調べてみると,
eatable: Something that is palatable or enjoyable to eat.
(“eatable”: 口当たりの良いもので,食べて楽しいもの。)
edible: Something that is safe and nutritious for human consumption.
(“edible”: 人間が食べても安全で,栄養価の高いものを指す。)
とあります。
さらに様々な辞書や記事を調べてみたのですが,どれも同じようなことが書いてありました。
共通することはつまり,
“eatable”は,美味しく食べられるもの。
“edible”は,食べても害のないもの。
という感じ。
日本語でもこれらの違いについて紹介されているページや動画がたくさんあります。
そこには,
“eatable”は,「食べようと思えば食べられるもの」。
“edible”は,「食に適したもの=食用」
と説明されているものもあります。
“edible”に関して異論はないのですが,
“eatable”は,実際に英英辞典に掲載されていることとちょ〜っと違っている…
「美味しく食べられるもの」
と,
「美味しくなくてもどうにか食べられるもの」
と真逆の説明。
これは一体どういうことなんだ!?
と突き詰めてみると,
“eat”(食べる)+ “able”(できる)
という組み合わせを考えると,
「美味しく食べることができる」
とも
「(味は関係なく)ただ単に食べることが可能である」
という「両方の解釈ができる」,という感じなんですね。
なかなかややこしい…
あ,間違えました。
言葉って興味深いですね。
―衝撃的な事実が!―
“eatable”と “edible”は,両方とも
「食べることができる」
という意味ですが,ニュアンスが若干異なる,というお話をしましたが
さらに調べると衝撃な事実が!
複数のネイティブの意見には,
“I was not aware that “eatable” is technically a real word.”
( “eatable”が実際に存在する言葉とは知らなかった。)
“I’ve never used the word “eatable.”
( “eatable” って使ったことがない。)
“ I don’t think “eatable” is a correct word.”
The word “eatable” sounds like a mistake.”
( “eatable” って正しい言葉ではないと思う。)
“Not “eatable” for me.”
(自分は “eatable”は使わない。)
アメリカ人の意見が多かったのですが,
「使わない,使ったことがない」
「言葉としては正しくないと思う」
のような意見がたくさんあるではないですか!
一説によると,“eatable”はフォーマルな文章や書物に使われる語(原文英語)とありました。
だから一般的な会話ではあまり使わない単語なのかもしれませんね。
でも
「使わない!」
というのにはびっくり。
皆さん一様に,
“The word “edible” is very natural and commonly used.”
( “edible”はごく自然で一般的に使われている。)
とのこと。
結論としては,
“eatable”と “edible”。
どちらも「食べることができる」という意味ではあるけれど,
一般的に使われているのは “edible”の方。
中には, “eatable” という言葉に違和感を覚える人もいるくらい。
日本人にとっては“eatable”の方が意味を想像しやすい気がします。
でも実際に使われているのは “edible”の方なので,
ですので,もしも
「あれ,どっちだったかな?」
と思ったら迷わず
“edible”
を使いましょう。
「“edible flowers”(食べられる花=エディブル・フラワー)」
で覚えておきましょうね。
今度スーパーへ行ったら,探してみてください!
きっとあると思いますよ。
そしてこうつぶやきましょう。
「これ,食べられるのか… “edible, edible, edible flower…”と。
それでは,また来週〜♪
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。