おはようございます。
木曜日のCozyです!
いきなりですが,クイズです。
次の英語をみてください。
Excuse me.
I’m sorry.
Thank you.
Hello?
Pardon me.
これらの表現に共通する,
「ある日本語」
があります。
その日本語とは何でしょうか。
次を読む前に,あなたの答えを決めてくださいね。
―見知らぬ人からのHelp!―
屋上の駐車場に車を停めて,鍵をかけて歩き出そうとしたところ,
「すみません!!」
と,見知らぬ女性から声をかけられたんです。
でもその方,どうもすごい体勢をしていらっしゃる。
どうやら,サイズアウトしてしまったジャケットを着ていたらしく
ご自分で脱げなくなってしまったらしい。
それを脱ぐのを手伝ってほしいとのこと。
(あら,大変だ!)
と,ジャケットを引っ張るも,腕の部分がひっかかって脱げない。
その方は,
「すみません…」
としきりに恐縮。
なかなか袖から抜けなかったので,他の人の助けも借りて力ずく。
そして思い切り引っ張ってようやく脱げたんです。
その方は,
「すみません,本当にすみません。」
と頭を下げて車に乗って去っていかれました。
いやぁ,見知らぬ人のジャケットを引っ張るなんて…と
こんなことある?
と後から笑いが込み上げてしまいました。
それにしても,なんで私だったのでしょうかね!??
さて,クイズの答え。
勘のよいあなたは気づいたでしょうか。
先ほどの問題の答えを。
そう,この女性が何度もおっしゃっていた
「すみません」
なんです。
それはどういうことなのでしょうか。
それでは,もう一度,英語を見てみましょう。
Excuse me.
I’m sorry.
Thank you.
Hello?
Pardon me.
これらは,普通に翻訳すると,
すみません。失礼します。
ごめんなさい。
ありがとう。
もしもし?
なんとおっしゃいましたか?
のように訳されますよね。
でも,今回のこの女性の場合,
最初に
「手伝ってもらえますか」と,お願いをしに来られた際の「すみません!!」は,
“Excuse me.”
です。
そして,手伝うもなかなかジャケットが脱げない!
とこちらも服が破れちゃったらいけないし,でもきつそうなのでなんとかしなくてはならない,と一生懸命にお手伝いしていた時におっしゃった「すみません…」は,
“I’m sorry…”
そして,最後にやっとジャケットが脱げた際に言われた「すみません。本当にすみません」は,
“Thank you!!”
です。
日本語では「すみません」の一言だけれど,英語で表す場合は様々。
状況に応じた表現にする必要があるんですね。
― “Excuse me.” “I’m sorry.” “Thank you.”―
今回のようなことって,なかなかそんなシチュエーションはないかもしれません。
でも,「すみません」という意味での“Excuse me.” “I’m sorry.” “Thank you.”って,
普段の生活でも結構使うんです。
ちょっとみてみましょう。
【すみません=“Excuse me.” 】
これは「すみません」や「失礼します」とも訳されるので,イメージしやすいですよね。
人に話しかける際の “Excuse me.”はよく使われるフレーズ。
他にも,誰かと食事をしていてトイレなどで席を立つとき,
また,くしゃみをしたり人の前を通ったりする時にも “Excuse me.”が使えます。
ゲップをしてしまった人が
“Excuse me.”
と言う場面にはよく遭遇しました(笑)
【すみません=“I’m sorry.” 】
人にぶつかってしまった場合や,約束に遅れてしまった時など 「自分の非を詫びる」場合に,“Sorry”や “I’m sorry.”を使います。
この場合,「ごめんなさい」も使えますが,多くの大人は「すみません」と謝罪の意味で使いますよね。
ですのでやっぱり “I’m sorry.”=「すみません」となるんですね。
【すみません =“Thank you.” 】
道端で落としたハンカチを後ろを歩いていた人が拾ってくれたとします。
この場合も「あ,すみません。」って言えますよね。
でもその「すみません」の本当の意味は「ありがとうございます」です。
ですので,やっぱり “Thank you.”も「すみません」と訳すことができるんですね。
電車で席をゆずってもらったり,食事中にお店の人がお水を注いでくれたり…
感謝の気持ちを表す場合は “Thank you.”も「すみません」と日本語では訳すことができるんですね。
このように,“Excuse me.” “I’m sorry.” “Thank you.”は,いずれも状況によって
「すみません」
となります。
これこそ日本語のマジックであり,英語との違いでもありますね。
―まだまだある「すみません」―
“Hello?”や “Pardon me?”も,場合によっては「すみません」という意味になるんです。
“Hello”というと,たいていは「こんにちは」であったり「もしもし」であったりします。
でも,こんな場合はどうでしょう。
あなたはあるお店に入りました。
でもお客さんも店員さんも誰もいません。
レジに行っても誰もいません。
そんな時,日本語では「すみませーん!」と言うかと思います。
でも英語では,
“Hello?”
ということが多いんです。
“Hello?”(こんにちは?→誰かいますか?→すみません)
というような感じです。
また,
“Pardon me.”は “Excuse me.”よりもちょっと丁寧な感じ。
ちょっとフォーマルな感じの場所で使うと良い感じ,かもしれません。
このように「すみません」という一言なのに,英語では様々な言い方がある。
逆に日本語の「すみません」にはこんなにも使い方がある,ということなんですよね。
こう考えると,言葉って本当に面白いと思いませんか?
いつも言っていることで恐縮ですが,
私たちは「英語」を覚える際に,辞書的に一語一義で覚えてしまいがち。
つい,日本語をそのまま英語にしようとして
例えば,(「すみません」は “Excuse me.”だから…)
と,どんな状況でも “Excuse me.”を使ってしまうと相手にうまく伝わらないこともあるかもしれません。
そんな場合は,
(ここは感謝の気持ちを表すから,Thank you.だな。)
(この場合は,謝罪の気持ちだから,I’m sorry. だな。)
のように状況などを考えるようにしましょうね。
ということで,また来週〜♪
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。