こんにちは
NYのKayoです。
アメリカで暮らしていると、ちょっとした日常の中に「へぇ、そうなんだ」と思う発見がいくつもあります。そんな中で今日はバスルームのお話。
たとえば、トイレットペーパーの向き。これは、いちど皆さまにお話ししたいと思いつつ、なかなかチャンスがなかったので、ついに今日、ここで。
そしてトイレ専用のスリッパ、そしてもう一つ不思議な、シャワーのあれこれ。
逆向きのトイレットペーパー
日本式だと手前に垂らしておくので、次の人が使いやすいですよね。
見た目もきれいだし、使うときもスムーズ。一方でアメリカ式だと、壁側にダランと垂れていることが多くて、見た感じもちょいみっともないし、その垂れてるペーパーをくるっと丸めると、今度は取りにくいんです。
しかもそれだと、わざわざ左手を使ってペーパーを回さないといけない。
やっぱり日本式のほうが理にかなっている気がします。
なぜアメリカでは逆側にトイレットペーパーをつけるのか?いろんな人にも聞いてみたのですが、習慣だから、と言うだけで、いまだに理由がわかりません(笑)。ちょっと面白いですよね。
トイレ専用スリッパ
日本に帰ると、玄関で、しっかり靴を脱ぐ、あの習慣に「日本だ〜、戻ってきた〜」と、ほっとします。
西洋では家に帰って、ベッドに入るまで靴を履いているのが、普通なので。
むしろリビングでくつろいでいる時も、靴を脱いで足の裏を見せると言うのは不作法とされていて、とにかくずっと同じ靴を履いています。でも、日本に帰って、自宅に入り、トイレの専用スリッパを見ると、アメリカ暮らしが長い私は、つい「そうだった、トイレ専用スリッパ!」と微笑んでしまいます。
欧米人から見れば、トイレだけ別のスリッパを履き換えるのは、少し不思議。こんなにきれいに清潔にお掃除されているトイレなのに。
そうなんです、このトイレ専用スリッパは、日本にだけ存在するもの。それでも、こんな細やかな衛生観念が日本の暮らしには自然に根づいていて、帰るたびに「この丁寧さが、日本人なんだな、」と温かい気持ちになるのです。
アメリカ人は朝、日本人は夜
もうひとつ気づいたのが、お風呂のタイミング。
アメリカでは、ほぼほぼが朝シャワー派。朝のシャワーで頭をしゃっきりさせ、睡眠中の汗を流して、「さぁ、一日がんばるぞ!」という気分になるのだそう。一方、日本人は夜にお風呂に入って、一日の疲れや汚れを流してから眠るのが、普通みたいです。
私もずっと以前、若い頃には朝シャワー派でしたが、健康に気をつけ始めてからは、朝シャワーだけで1日を終えるのが少し落ち着かなくて、こちらの人たちは夜は汚れたまま寝ちゃうの?一日の疲れ、取らなくてもいいの?なんて思っていました。
だってNYのバスタブ小さすぎ
アメリカ人はシャワーだけ。ホテルに泊まってもシャワーだけ、バスタブなしって言うところが多いのに驚かされます。
アメリカ、特にニューヨークのアパートなどのバスタブって、とにかく浅くて小さいんです。まるで子ども用のビニール製プールみたいで、肩まで浸かるなんて到底ムリ。これじゃ「湯船につかってリラックス」という発想は生まれません。
アメリカで、バスルームでの目的は「健康のため」ではなく、「目を覚ますため」のシャワーなんですね。
アメリカでも広めたい東洋医学
一方、日本ではお湯に浸かることそのものが癒しであり、健康法でもありますよね。お風呂に入って体を温めると、血液が体中に行き渡り、心までほぐれる。
時間があれば温泉へ行き、季節の景色を眺めながら湯気に包まれる。そんな文化がある国は、きっと世界でもそう多くないでしょう。
体を整えることを大切にする考え方は、東洋医学の「気を整える」「冷やさない」という知恵にもつながっていると思います。
(あ、そう言えば古代ギリシアやローマにも、お風呂があったそうですね。それも興味深い!)
西洋医学の国
アメリカは、れっきとした西洋医学の国。痛ければ痛み止め、熱が出たら解熱剤、というのが基本です。だから「体を温めて整える」という発想はあまりありません。
食べ物でもそう。日本なら誰でも知っているような栄養バランスの知識も、こちらでは学校で習わないのだそうです。そのため、多くの母親にその知識がない。
スーパーの棚にところ狭しと並ぶ、カラフルなシリアルやチップス、クッキー、キャンディやソーダを見ると、「うーん、もう少し野菜を…」なんてつぶやきたくなってしまいます。
でも、だからといってどちらが正統という話ではなくて、それぞれの国に合った、それぞれの意義があるのでしょう。
バスルーム一つについても、「バスルームの意義」が。
アメリカ人は朝のシャワーでリセットし、日本人は夜のお風呂でほっと一息。どちらも一日の区切り方が、違うんですね。
最近の私はというと、朝はアメリカ式のシャワーで目を覚まし、夜は日本式に足湯で一日の疲れを癒す。トイレットペーパーの向きも、気づけばうちは日本式、演奏しているお店(Arturo’s)ではアメリカ式。
どちらの良さも受け入れながら暮らしているうちに、「まぁ、どっちでもいいか」と思えるようになりました。(結局は、それ。大笑) そんな折衷スタイルが、ニューヨークでの私らしい“中間点”なのかもしれません。
それではまた次回♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。








