知らない人はいないくらい誰もが知っている英単語の一つ“sorry”。
多くの場合の意味は、
“I’m sorry.”(ごめんなさい。)
というフレーズで知られています。
“Sorry…” “I’m so sorry….”
相手に何か悪いことをしてしまった時に謝るこの英語、簡単ですが誠意を感じる言葉です。
企業やお店などの場合も、 “Sorry, WE’RE CLOSED”(すみません、定休日です。)のように使われています。
でも、使われるのは謝罪の場合だけではないって知ってました?
これを覚えておくと、ちょっと英語の幅が広がりますよ!
知らなかったSorry…
まだアメリカに移り住んだばかりで英語もあまりわからなかった10代の頃、近所のショッピングモールを友人と歩いていました。
その時、何を話していたのかは覚えていないのですが、何か辛い苦しいような悩みを話していたような気がします。
その時、話を聞いてくれていた友人のCarolが私にこう言いました。
“Oh, I’m sorry.”
私は「なんで謝るんだろう・・・?」と不思議に思いました。
と言うのも、この数日前にも別の人から “I’m sorry.”と言われていたからなのです。
その時は、家族の知人が亡くなったとかそういう話をしていたと思います。
このときも、
「え、なんで謝るの?」
「え?あなたが・・・?」
なんて思い頭が混乱したものです。
もうお気づきの方も多いかとは思いますが、この “I’m sorry.”には、
「お気の毒に。」
「ご愁傷さまです。」
「同情します。」
のような意味があったのです。
I’m sorry to hear that.(それは残念でしたね。)
などもよく使われるので、ぜひ覚えておきたい表現です。
それを知らずに、「え、なんで謝るの?」なんて思った自分。
この時、こんな馴染みのある誰もが知っているような単語であっても、実はいろいろな意味があるということを知り、教科書だけで教わるのではない英語の奥の深さを感じたのです。
“sorry”、他の使い方
さて、この “sorry”ですが、こんな場合にも使います。
あなたに対して、ある人が何かを言ってきました。
でもあなたはよく聞き取れませんでした。
A: @%$&#%%…?
B: Sorry?
そう、「え、何ですか?」という感じです。
やさしく言うと、(ごめんなさい、よく聞き取れませんでした)というニュアンスになります。
しかし、相手がちょっとからかってきたり、面白くもない冗談を言ってきたりした時、ちょっと強めに
“Sorry”
というと、「はぁ?」という感じの意味合いになるんですね。
同じ言葉でも状況や顔の表情、声の強さなどで意味が違ってくるのは、どの言語でも同じですね。
これと全く同じことが、 “Excuse me?”という表現でも言うことができます。
いやな気分の “sorry”
謝罪だけではなく、同情や共感の気持ちや聞き返すときに使う “sorry”ですが、「後悔の気持ち」の場合にも使います。
例えば、あなたが友人に何かを真剣に相談したとします。
しかし、その相手は「え〜、そんなこと考えるのはおかしいよ!(笑)」などと、真面目にとらえてくれません。
そんな時、
“I’m sorry I asked.”(訊いて後悔してる → 訊くんじゃなかった → 訊いて損した)や、
“I’m sorry I told you.”(言ったことを後悔してる→言うんじゃなかった→言って損した)
のように言うことができます。
これは相手に直接言うこともあるでしょうし、自分自身のつぶやきとして言うこともあるでしょう。
でも、そんな真剣に話したことを笑われて腹が立つ!ガツンと言ってやりたい!
そんな場合は、
“You’ll be sorry for this!”(このことについて、後悔することになるよ!)
のように言うこともできるのです。
“sorry for ~” と “sorry about ~”
いろいろな意味合いを持つ “sorry”ですが、基本的には「謝る」ときに使うことが多いと思います。
「(〜に対して)ごめんなさい。」と謝る場合、sorry の後に続くのは “for”なのか、それとも “about”なのかと疑問に感じる人もいるかも知れません。
ある待ち合わせの場所に遅れる、というシチュエーションで考えてみましょう。
1.I’m sorry for being late.
2.I’m sorry about the delay.
この2つの文章はちょっと堅いですが、いずれも「遅れてごめんなさい」となります。
基本的に、”sorry for ~”の場合は、「(自分の責任で)ごめんなさい。」となります。
ですので、1.の場合は自分が寝坊するなどして遅刻したので、「(自分のせいで)ごめんなさい。」となります。
一方、2.の “sorry about ~”は、「自分が原因ではなく、状況など仕方なく」という意味合いが強くなる感じです。
たぶん電車が遅延したとかの理由かもしれませんね。
“sorry for ~” と “sorry about ~”の違い、何度か場面を想像しながら口に出して言うと意味がつかみやすくなりますよ。
「じゃあ、 “sorry to ~”もあるじゃん!」と思われた方!
するどいです。
意味合い的に、”sorry for~”は、
“I’m sorry for being late.”(遅れてごめんなさい。)
“I’m sorry for lying to you.”(嘘をついてごめんなさい。)
のように、「過去のことに対して謝る」言い方。
そして、 “sorry to ~”は、
“I’m sorry to bother you.(邪魔してごめんなさい。)
“I’m sorry to hear that.(それを聞いてお気の毒に思います。)
のように、「今現在の状況や、これからのことに対して謝る」言い方となります。
謝らないでぇ〜
“Sorry”は確かに「ごめんなさい。」「すみません。」という意味が主です。
しかし、私達はその意味だけを翻訳してしまうことがあります。
例えば、海外で人に話しかけたり、お店で店員さんに話しかけたりするとき。
“Excuse me.”ではなく、つい”Sorry.”と言ってしまう場合もあります…よね。
え、ないですか?
やっぱりこういう状況のときは、 “Excuse me.” ですよね。
何を隠そう、お店で店員さんに聞こうとして「すみません。」のつもりで、“Sorry”と後ろから話しかけたのは、大昔の「わたし」です。
みなさまもお気をつけを。
“Excuse me but sorry to bother you.” くらい言えたら良かったのに…。
ああ、タイムスリップして教えてあげたい若き日の私に…。
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英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。