それは先週木曜日の晩のことです。
薄暗い裏山の木々の間を光る虫?のようなものが、ポーっと光って飛んでました。
「あれ? 蛍…?」
でも何だか変。(蛍があんな高く飛ぶ?それに速過ぎるし…。あんなに大きいっけ?ぽつんと一個だけだし…)光る軌跡を目で追っていると、私に何か伝えたがっているみたいな気がしてきました。
その日だけならそれ以上気にしなかったかも。でも翌日も見たんです。その上また翌日で計3日連続…(これは何かある。未知の発光生物?最新兵器の実験?超小型UFO?)と大真面目に空想。
そんな空想が正しいかどうかはさておき、私がやっぱり気になりだしたのは「輝く」光の語源。
今回の単語DNAはGHEL(ゲル/輝く)です。
GHELの単語DNAを持つ、glow(静かに輝く), glitter(キラキラ輝く), glass(ガラス), glad(嬉しい)を見てみたいと思います^^*
綴りが大きく変わってますが、単語DNAが現代の英語の単語になるまでにざっと九千年。その間に綴りも大きく変わったようですね。
<炎を上げない輝き>
GHEL ➾ glow (グロウ/炎を上げず輝く) 。あなたはグローランプ(glow lamp)ってご存じでしょうか?LED前の「蛍光灯」を点灯させる明かりのこと。glow(グロウ)ってボーっと静かな炎のない光です。繰り返しになりますが、ここではGHELがglowの綴りに変わってるんですね。
ちなみにドイツ語でglowに当たる単語はglühen.(グルューエン/輝く)。英語のglowとDNAが同じGHEL。Glühweinという飲み物についてはMakkyさんの記事へ(ドイツの定番!…)
GHEL(輝く)→ glow (炎を上げず輝く)
↘ glühen (ドイツ語)
GHEL ➾ glitter (グリタ/きらきら輝く)。少し細かくなりますが、DNAはgliの部分。後半の-tterは繰り返しをあらわす感じです。例えばSNSの「ツイッター」はtwitter(トゥイタ/ツイッター、呟く) 鳥が囀るイメージかも。さてglitterの方はキラキラ光る感じ。例えば有名な諺。
All that glitters is not gold.
(輝く物全て金ならず)
外見を信用するなという意味ですね。
このgoldも元々GHEL。
GHEL(輝く) ➾ glitter (グリタ/きらきら輝く)
GHEL(輝く) ➾ gold (ゴウルド/金)
GHEL ➾ glass (グラス/ガラス,コップ,鏡)。 glaの所にあるのが輝くGHEL。電気も照明も存在しない大昔。鏡や、ガラス製の物の輝き、今の何倍も煌めいて感じられたのかも。
GHEL(輝く) ➾ glass (グラス/ガラス,コップ,鏡)
<嬉しさは心の輝き>
GHEL ➾ glad (グラッド/嬉しい) 。
さて、gladはとてもよく使われる単語。例えば
I’m glad to see you.
(初めまして 直訳は「会えて嬉しい」)
会えた喜びを「(心が)輝く」と捉えたのかも。gladの(心が)輝く感じを知ると、「嬉しさ」が急にリアルになり不思議ですね。以前ネイティブの同僚とgladの語源が話題になり、彼「知りませんでした!」とびっくり。日本人だって日本語の語源大体知らないかも。
GHEL(輝く)➾ 心が輝く ➾ glad (グラッド/嬉しい)
<初日の出に託した思い>
今回お話したglassやglad。中学の授業がこんな感じだったらどうでしょうか。
「glassとgladって、そっくりで不思議だね。実は大昔は「輝く」っていう同じ単語。ガラスも輝く、心も輝くって感じたんだね。」
これなら英語の楽しさが良く伝わるかな…
この記事を読んでくれたあなたには、英語を学ぶ楽しさが通じていそうです。そうでなければここまで読んでくれなかったかも。
さてあなたはどのように新年を迎えられたのでしょう。私は幸い初日の出が拝めました。英語なら
I was glad to see the rising sun again on the New Year’s Day.
(元旦にまた日の出を見られて嬉しかった)
厳しい状況ですが、元旦を照らし出す初日の出、例年より心も嬉しく輝いたのかも。
今年もあなたが英語を楽しく学べますよう….
Wishing you a Happy New Year!
Jiro
追伸
光る虫?の正体まだ全く分かりません。何か情報をお持ちの方お寄せください。お願いします。
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員