See you later, alligator…
年末の掃除をしながら,ふと口から出てきたこの言葉。
ご存知の方はいらっしゃいますか?
実はこれ,「じゃあね!」と別れるときの挨拶の言葉遊び。
“See you later, alligator.”
(じゃあね,ワニさん。)
と言われた場合,すぐに
“In a while, crocodile.”
(もうちょっとしたらね,ワニさん。)
と答えるのです。(※ “After a while, crocodile.”もあり)
“See you later, alligator.”は, “later”と”alligator”がライム(韻を踏む)となっており,
“In a while, crocodile.”は, “while”と “crocodile”がライムとなっています。
でも,これは主に子ども同士や子ども相手の場合。
では,大人同士の別れの挨拶と言えば,どのようなものを思いつきますか?
―普通はやっぱりGoodbyeでしょ?―
一番オーソドックスな別れの挨拶といえば,
“Goodbye”を思いつく方も多いのではないでしょうか。
でもこれ,使い方によっては結構危険なのです。
日本語でも「さようなら。」と挨拶されたら,
ちょっと相手との距離を感じませんか?
英語でもそれは同じ。
ちょっとフォーマルで堅い感じがしますよね。
それもそのはず。
英語の “Goodbye”のニュアンスは,
「次に会う予定がない人に対して」が基本なのです。
ですので,ほとんど付き合いのないような方に対して
“Goodbye”
と言ってもさほど問題はないと思いますが,
仲の良い友人や恋人に言ってしまうと,
「え,なんでそんな冷たいの?
もう会えないの?」
なんて思われてしまうかもしれません。
では「何と言えばよいの?」って思いますよね。
実はこれ,言い方はいろいろあるのです。
―関係によって違う「さようなら。」―
日本語には,丁寧語,尊敬語,謙譲語・・・といろいろあって
その話す相手によって使い分けますよね。
それに比べて,「英語は敬語とかない」って聞いたことありませんか?
きっと,上司に対してもファーストネームで呼ぶなど,割とフレンドリーな印象があるのでそう言われるのだと思います。
また,日本語は一人称も「わたし,わたくし,ぼく,俺,あたし,おいら(笑)」など,人や場面によって使い分けますが,英語では “ I ” しかありません。
そのことも,影響しているのかもしれません。
確かに,その部分は間違いではないのですが,
英語って結構,「その人との関係」によって言い方を変えるのです。
今回のテーマの「別れる際の挨拶」もそう。
最も一般的なのは,
“Bye” “Bye bye”。
この挨拶は説明しなくてもイメージできますよね。
そう,親しい間柄で交わす別れの挨拶。
会社の上司や,目上の人にはそうそう使いません。
そしてもう一つ有名なのが,
“See you later.”
(また後で。)
この “later”(後で)は,実際に近いうちに会う予定があってもなくても,「また近いうちに会いましょ!」という感じでよく使います。
友達や家族,知人といろいろな方々に使え,最も使い勝手が良いかもしれません。
親しくしている上司や目上の人であれば,こちらの挨拶を使うこともあります。
また,
“See you soon.”
(すぐまた会いましょう。)
も “See you later.”と同じくらいつかえます。
でもほんのちょっとだけ,相手とは距離がある感じ。
似たようなフレーズで,
“See you again.”
(また会いましょう。)
は, “Goodbye”に近い意味となり,
「会う可能性は低いかも」という意味を含んでしまいます。
でも,
“Nice to see you again.”
(また会えて嬉しいです。)や,
“See you again next week.
(また来週会いましょう。)
のように次に会う日を付け加えた場合はOKです。
また,会社の就職面接などで,
“I hope to see you again.”
(またお会いできることを望んでいます。)
のように,ちょっとまた会える希望を込めて,フォーマルに言うこともできます。
―もっとカジュアルになると―
“See you later.”が一番使いやすい別れの挨拶,という話をしましたが,もう少しカジュアルな挨拶では,
“Catch you later.”
(また後で『捕まえるね』=『会おうね』)
があります。
また,気の置けない友達や仲間,ちょっと子どもっぽさを見せても何も問題のない間柄の場合,
この “you”を “ya”と表現することがあります。
“See ya!”
“See ya later!”
“Catch ya later.”
“Catch ya”なんて,懐かしのアニメ「ガッチャマン」みたいです(笑)
そう,「ガッチャマン」も
“Gotcha Man”= “Got you Man”のなんです。
“Got you”は, “I got you.”のことで,
「捕まえた!」
「わかった!」
「やった!」
などの意味があります。
人になにか頼まれた際, “OK!”ではなく,”Gotcha!”と言ってみてはいかがですか?
このように,よりカジュアルになると “you”を “ya”とするのはちょっと気恥ずかしい気もしますが,「それだけ心を許せる相手だから使えるんだ」と考えると,英語にも使う状況や関係性に応じていろいろある,というのがわかりますよね。
―See you later. などと言われたら何と答える?―
基本的に,言われた挨拶と同じように返しても構いませんし,紹介したフレーズを使っても大丈夫。
ただ,相手との関係性を考慮して使ってくださいね。
また,
“Take care!” (気をつけて!)
“Have a good day!” (良い一日を!)
“Have a good night!” (良い夜を過ごしてね!)
などの返しもいいですね。
相手が親しみを込めて, “See you later.”と言っているのに,
つい,“Goodbye”と言ってしまった,としても大丈夫。
いつも言っていますが,私たちがネイティブではないことは相手が理解しています。
そればかりに甘えてはいけませんが,
“Goodbye.” 「あ,ちょっとかしこまりすぎたかも・・・」と思ったら,すぐ後に
“See you later.”などと言えば無問題。
英語は「使って」「気づいて」そして「使って」の繰り返し。
これが上達の秘訣なので,どんどん使っていきましょう。
まちがえたら,それがまた経験値となるのですから。
―See you later, alligator. ―
掃除のときに思い出したこのフレーズ,実は続きがあります。
「え, “In a while, crocodile.”でしょ?」と思ったあなた,
よく読んでいただきありがとうございます。
一般的にはそうなのですが,私の場合,なぜかよく言っていたのが
“See you later, alligator. Don’t forget your toilet paper.”
(またね,ワニさん。トイレットペーパーを忘れないで。)
口に出して言ってみてください。結構,リズムよく言えるんですよ。
言葉遊びってどの国にもあって,面白いですね。
さあ,2022年がスタートして,もう半月が経とうとしています。
早いものですね。
2020年は,コロナ渦で一年が終わってしまい「忘れたい年」でした。
2021年は,公私でもいろいろとあり,本当に「忘れたい年」というよりも,
「サヨナラ」したい年でした。
だから,私はこう言います。
「2021年よ,Goodbye!!!」
まあ,「あばよぉーっ!って感じです。
これで2022年は素敵な年になることでしょう(笑)
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。