あなたは,どのようにして英語を学習していますか。
学習した表現や語彙でも,
「学校で習ったニュアンスとは違う。」というものも多くありますよね。
そのニュアンスや感覚を自分のものにできていますか?
きっと多くの方は,ネット記事や動画サイトを見たり,本で学習したりと
自分が取り組みやすい方法で英語に触れているのだと思います。
英語の知識やニュアンスを学習してもその時は,
「へぇ,そうなんだ。」
「こういう感じで言うんだね。」
と思うけれど,でも,時間が経つといつの間にか忘れている…
そんなことはありませんか?
今回は,「ほんのちょっとした方法」で「ほんのちょっと」覚えやすくする方法をご紹介します(笑)
まあ,ほんのちょっとですけどね(^_^;)
―「あたかも」っていう妄想が大事―
私たちは英語に関してはノンネイティブ。
私ももちろん同じです。
そんな「非英語ネイティブ」である私が英語を学習する際,
とても大切にしていることがあります。
それは
「学習した表現や語彙はすぐに使う」こと。
新しく出会った表現や語彙があれば,
次に英語で話す機会があれば,会話の中でなるべくそれらを意識して使うようにするのです。
それを繰り返し行うというのも一つの方法。
でも,それは英語を使う機会がすぐに作れる人向けです。
普段は日本語で生活している人でも,やっぱり「少しでも英語のニュアンスを潜在意識の中に取り入れる方法。
同じ知識を身につけるのでも,
ちょっとしたことで,その英語のニュアンスを覚えやすくする方法,それは
「イメトレ」。
つまりイメージトレーニング。
あたかも自分が使っているように,妄想しながら練習することです。
なんだ,そんなことか!って思った方もいらっしゃるかもしれません。
でもね,これほんとうに大切なんですよ。
英語を紹介する動画サイトなどではよく,
「ネイティブはこう使う!」と紹介されています。
その時は,「へぇ。」と思ったりしますが,
「えっと,どうだったけ?」
とあまり覚えてないことも多いと思います。
でも,このイメトレは,ただシチュエーションを頭で想像するだけなのですが,
不思議と,
「あ,こういうニュアンスなのか!」
とわかってくると思います。
そうなれば,ただ受動的に知識を入れるだけよりも忘れにくくなるんです。
では,百聞は一見にしかず。
やってみましょうか。
― “How about ~?” と “”What about ~?”は同じ?―
私は中学や高校で使用する教科書に関する教材も制作していますが,
「〜はどうですか?」という意味でよく
“How about ~?”という表現を目にします。
例えばハンバーガーレストランなどで,
“Well, I’ll have a cheeseburger. How about you?”
(えっと,ぼくはチーズバーガーを食べるけど,君はどうする?)
のような感じ。
同じような意味で, “What about ~?”もあります。
教材などでも,「書き換えが可能」と説明されていたりますよね。
たしかに,
「相手の意見などを聞いたり,同じ質問に対して『あなたはどう?』」と聞く時には,
“How about ~?” も, “What about ~?”も両方使えます。
例えば,
A: Do you have any plans for this summer?
(夏の予定は何かあるの?)
B: “I’m going to visit my grandparents with my family this summer.”
(今年の夏は,家族で祖父母のところへ行くつもりなんだ。)
“What / How about you?”
(きみはどうなの?)
A: I haven’t decided yet.
(まだ決めてないんだ。)
のように,同じ質問に対して聞いたり,意見を求めたりする場合です。
でも「すべて」の場合において,書き換え可能というわけではないのです。
実は微妙〜に違うニュアンスを持っているのです。
ここで,私の通常の記事だったら,
「“How about ~?” は,○○で, “What about ~?”は,○○のように使います。」
と説明して終わってしまうのですが,今回は「イメージトレーニング」ですから,
いくつかの例文を用いてその場面を想像しながらこの違いを,イメトレしてみましょう。
場面を想像しながら読んでくださいね。
〜How about ~?の場合〜
A: I need to go on a diet. (ダイエットしなきゃなぁ。)
B: Then, how about exercising together? (じゃあ,一緒に運動するのはどう?)
状況が頭に浮かびましたか?
それでは,さらに
A: I feel like having Japanese food for lunch today? (今日は昼食に日本食を食べたい気分だなぁ。)
B: How about Tendon? (天丼はどう?)
A: Oh, I had it yesterday. (ああ,昨日食べたんだ。)
A: Let’s meet up again soon. (また近いうちに会いましょう。)
B: Then, how about Tomorrow? (じゃあ,明日はどう?)
A: That’s too soon. Lol (それは早すぎるよ(笑))
〜What about ~?の場合〜
A: I’m dining out with my boss tonight. (今晩,上司と外食するよ。)
B: What about the dinner I made? (私が作った夕食はどうなるの?)
You could have called me earlier. (もっと早く連絡できたでしょうよ。)
A: Why don’t we go to Ginza for lunch this Wednesday? (今週の水曜日,銀座へランチしに行かない?)
B: That sounds good, but what about your work? (それはいいね,でも仕事はどうするの?)
A: I heard that Cozy and his family is planning to stay in Okinawa for a month this summer.
(今年の夏,コージーたち一家は沖縄に1ヶ月滞在する計画なんだって。)
B: That long? What about their dogs? (そんなに長く?犬たちはどうするの?)
A: Of course they are all together. (もちろんみんな一緒だよ。)
ちょっとイメージつきましたか?
“How about ~?”は,
「相手に提案したり,相手の気持ちを聞いたり,また誘ったりする場合」によく使われます。
一方, “What about ~?” は,
「会話の中にある疑問点や問題点などを確認したり,指摘したりする場合」に使われます。
ちょっと “What about ~?”の方が,
「え,じゃあ○○のことはどうなるの?」
のような,少し強いイメージがありますよね。
まだパッとイメージできないという方は,もう一度,上記の英文を「状況を頭に浮かべながら」声に出して読んでみてくださいね。
―イメトレが大事―
英語に限らず,語彙や表現の学習って微妙なニュアンスがわかりづらいもの。
リーディングやリスニングの学習ももちろん良いのですが,なかなかそのニュアンスまでは掴みづらいですよね。
そんな時は,同じような表現(できれば短い対話文)を用いて,その状況にあたかも自分がいるように読むことです。
それを何度も何度も繰り返し行えば,少しずつそのニュアンスはわかるようになってきます。
今回は, “How about ~?” と “What about ~?”を用いて簡単に説明しましたが,
どの表現にもあてはまりますので,繰り返し「妄想」しながら練習してみてくださいね。
「ほんのちょっと」のイメトレですが,この「ちょっと」を積み重ねることで身につくので,私を信じてがんばっていきましょう!(笑)
でも,いつもと同じセリフになりますが,
「間違ったっていい」
のです。
その間違いが,また自分の「ちから」になるのですから。
それでは,また来週〜♪
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。