40年前のアメリカ留学時、勇んで登録した0からのピアノ講座。
本当に0からなので、単位習得は厳しそう。そこで大学の練習室に暇をみつけてはでかける毎日。
練習室の受付は日替わりアルバイトの学生達。
“Hi”と言えば“Hi. Room Ten. Enjoy it.”と、さっと練習室が使えるシステム。
段々と、色んな人と言葉を少しづつ交わすように…
― こんど試験なんだ ― Good luck ― とか。
そんな風に話す内の一人がAnn。彼女には、どこか日本的な?繊細さを感じました。
キャンパスでは講演会・展覧会・ダンスなど多彩なイベントが週替わりで行われてたこともあり、私はAnnをデートに誘おうと思いたち、コンサートに誘ってみました。
と言っても、当時はデートに誘うマニュアルなど皆無。文字通り「デートに誘う」というシンプルなQ&A的な会話。練習なしのすぐ本番の感じでした。
<デートに誘う~実況中継>
デートに誘う前は、もうドキドキ..。返事が聞き取れるかとか考えながら、アンのいるカウンターに行き、
私:Ann,…I have two tickets for the concert. I wondered if you would like to go with me? if you are free?
(Ann、コンサートのチケットが2枚あるんだけど、一緒に行かない?都合よければ?)
Ann:Oh, thank you.(なんたらかんたら???) but…
…自分にはSteady(決まった相手)が。(外国からの方は気づかないかも、とスッと伸ばして見せた指に小さな婚約指輪?)…結局はNO
その直後は意気消沈しながら、会話でよく聞き取れなかった(なんたらかんたら???)の部分ばかり考えてました。
で「そうか!…I’m honored, but…か」とやっと分かり、時間差で驚いたんです。
I’m honored, but… のニュアンス、あなたに伝わるでしょうか?
「(あなたから受けた)名誉ですが…」という意味。日本語に訳すと仰々しい感じがしますねw
ただ、きちんとした、正々堂々とした断り方ではないでしょうか。
私はその断り方に、自分が一人前扱いされた気持ち。その米女性の態度に(辛さとw)リスペクトというかジーンとしたんです。
それ以来この体験から日米の出会いや恋愛を比べては考え、考えては比べ..
その成果を今回一挙公開w。日米の恋愛事情を一刀両断…は少しオーバーかも。
あくまで私の個人的経験の狭い範囲内の印象です。
<日米恋愛事情の違い>
さてアメリカは、ストレートで事務的。
「いい子だな」➾ 誘う →「Yes」or「No」
少しだけ補足すると、対等で自由な誘いがあって、それにYes/Noで答えるというもの。
「そんなの当たり前だ」とあなたは思うでしょうか。でも実は、日本はず~っと複雑に思うんです。どういうことでしょう。
日本は「男女の出会い」的な状況にしないよう~にするのでは。
兄弟や友達とか言い訳し、「そういう」出会いではない雰囲気づくり。そして自分でもそれを信じるような…
もう少し考えると、1対1の付き合いは常に他のカップル。自分はガチンコ避けてYesかNoも言わずにすませたい。全て曖昧に一緒くたに流れ続けたい…って気がするんです。
でも事実として男と女がその場にいることはいる。だから複雑怪奇。どんな解釈もできる関係が、だらだら~…みたいな気がするんです。
例えば、テレビの朝ドラ最近の「チムドンドン」(あなたが見られる時間帯でないかも)
相手を異性として意識するまでが長かったですよね。まさに避けてる感じ。
これってアメリカならprepuberty (思春期前)の世界…と言ったら言い過ぎ?
言うまでもなく、違い≠優劣です。ただアメリカはストレートでオープン。フラれた私にも分かりやすかったですw。
<意外な日米差?>
さて今回、改めてですがAnnの断り方がやっぱりうまいという気がしました。
日本では、断ると何だか気まずくなり、話しにくくなるって結構あったりしませんか。
でもデート未遂w後もAnnとは練習室のカウンターで普通に話ができる感じ。
これってI’m honored but…という彼女の断り方あってこそだったかも。
断り上手かどうかも、恋愛の日米差の一つなのかもしれません。
あなたもいざという時、素敵な断り方ができると良いですね。
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員