長年にわたって行われていた「ギルダー・センター」の建築工事も終了し、ますます見やすくなった「American Museum of Natural History /アメリカ自然史博物館」に行ってきました。
新しくなった「ギルダー・センター」では、あちこちのカラーパネルがタッチセンサーのコンピュータとなっており、可愛いらしい5、6歳の幼児が簡単にそれを操作しているのを見ると、まるでSF映画を見ているかのような錯覚にとらわれます。
日本でも人気のあった、2006年の映画ベン・スティラー主演、「Night at the Museum / ナイト・ミュージアム」を覚えていらっしゃる方もあるかと思います。
主人公が、深夜のこの歴史博物館で夜間警備員として警備をするにあたり、恐竜が走り出すとか、たくさんのあり得ない出来事に遭遇していくファミリー向けのコメディーでしたが、あの時のアフリカ象とかそのままで、またあの映画を見直したいものだ、と思いました。
さて、このアメリカ自然史博物館、恐竜があったり、モアイ像が見れたり、ニューヨークに生息する虫や鳥、そしてその歴史に至るまで、常設展として展示されております。
その他にスペシャル・アトラクションとして、宇宙を壮大にデジタルで見せてくれるプラネタリウム(現在のショーは、「ワールド・ビヨンド・アース」)や、360度の壮大な映像で見ることができるシアター(現在上演中は「インビジブル・ワールド」)、実際に入って目の前で世界的な蝶を見ることができる、その蝶たちを飼育している温室、など盛りだくさんにあります。
このアメリカ自然史博物館がNew Yorkにオープンしたのは1877年。その後、増改築が重ねられ、どんどん大きくなってきました。26代大統領となったセオドア・ルーズベルトも、彼自身、狩猟が好きなこともあり、随分とこの博物館に貢献しているそうです。「ナイト・イン・ミュージアム」でも、大活躍されてましたよね(笑)。
先ほど申し上げた、2023年5月に完成したばかりの「ギルダー・センター」は、博物館の10棟の建物の間に33のつながりをつくることでキャンパス全体を繋いでおり、博物館の西側、コロンバス通りにも新しいエントランスを設けました。
このビルが、なんとも風変わりで、まるで自然の洞窟に入り込んだかのようなのです。鉄筋に鉄骨を使わずに、そのままコンクリートを吹き付ける、と言う、新しい施工法なのだそうで、とにかくこのビルが目を引きます。この先、ニューヨークのアメリカ自然史博物館、と言えば、この建物がピックアップされるようになるのではないでしょうか。
入ってすぐには、5層階分の吹き抜けの巨大なアトリウムがあり、度肝を抜かれます。気になる入場料ですが、常設展を見るのに入場するだけでしたら、大人は28ドル。これに特別なアトラクションを1つ見ると34ドル。2つ以上のアトラクションを見るならば、39ドル。
この入場料に関して、実は寄付をすることで、年間のメンバーになれて、いつでもこの博物館を訪れることができます。大人2人用で139ドルです。将来を担う子供たちが目をキラキラ輝かせる場所、このアメリカ自然史博物館に寄付をするのは、良いことかな!と思いました。
私の場合は、自分のアパートから歩いて行ける距離ですし、大人2人が年に2回この博物館に訪れることを思えば、お釣りが来る位です。ニューヨークではそんなシステムがいろいろなところにあります。友達は、ボタニカル・ガーデン(植物園)の年間メンバーになっていると言ってました。
各所、年間メンバーになればいろいろな特典がついてきます。このアメリカ自然史博物館では、メンバー特典として、以下のようなことが付いてます。
デジタルのプラネタリウムや、360度の映像シアターなど有料オプションの展示物も含め、大人2名がいつでも入場できる。フード・コートが15%引き、売店は10%引き。年間メンバー専用の特別時間に閲覧できたりする。駐車場が、開館時間中、1日12ドルで停められる☆
さて、お腹が空けば地下にはフードコート、新しくできたギルダーセンターの2階には、レストランがあります。フードコートは、いわゆるアメリカのランチ・カフェ (寄宿舎の学食) といった感じでしょうか。レストランは、昨年できたばかりと言うので、ずいぶんと混み合っていました。
フードコートのバーベキューチキンは、クオーター・パウンドで$4.31、1パウンドは454グラムですから、その4分の1で、100グラムちょっとで600円位の計り売り、という感じですね。付け合わせのコーンを選んだだけで、あっという間に100グラムを超えてしまいます(笑) 。インフレ恐ろしい、最近のニューヨークです。
New Yorkでは、新年早々、マンハッタンのアッパー・ウェスト・サイドで乗客300名を乗せた地下鉄がぶつかって、工事中だった作業車が脱線すると言う事故があって、幸いにどなたもなくならず済みましたが、日本での地震のニュースなども聞き、胸が痛くなります。少しでも被害が少なくて済みますように。被災者の皆さまのご無事を、お祈りしております。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。