なぜ、アメリカでお寿司と言うと、日本にはない、でもアメリカではみんな大好きカリフォルニア・ロール(アボカドとカニかまのロール寿司)なのか。
21世紀、そろそろ「握りずし」がニューヨークでも流行ってもいいんじゃないかと思うのですが、いまだに、なかなか「握りずし」の人気は上がりません。
アメリカ人で寿司が大好き、と言う人と話をすると、ほぼほぼアボカドとカニカマの、カリフォルニア・ロールのことです。
ソイソースを小皿に、お寿司が溺れる位たっぷり入れて、わさびをちょいとそれに溶いて、チョップスティックス。
これが「日本食」と思って食べてくれている人たちがいるのも、食べてくれるだけで、まあ嬉しいことではあります。
カリフォルニア・ロール以外にも色々なロールもありますが、どれも外側に海苔は巻いてありません。黒い海苔が周りにペタっと張り付いていると、紙か何かだと思って、アメリカ人は剥がして捨ててしまいます(笑)
アメリカでは大体において、海藻を食べませんし、海苔と言うものを知りません。なので、アメリカのスシロールは大概「裏巻き」と言われ、海苔が見えないよう中に巻き込んであります。
基本的に、普通のアメリカ人は、料理と言うものはちゃんと火が通っているものだ、と思っています。
アメリカは広大な面積の国ですから、海に面しているのは、LAなど、ウェスト・コーストとニューヨークなどのイースト・コーストのみ。後は全部大陸の内側にあるわけですから、せいぜいが川魚。
これはもちろん、日本人でもちゃんとグリルしますよね。寄生虫やバクテリアなど、衛生面を考慮して。
これは私の想像ですが、アメリカ人にとって「生でお魚を食べる」と言うのは、私たち日本人にとって、アザラシの肉を、おいしいから刺身で食べてみな!って言われるのと、同じような感じかもしれませんね(笑)
一般のアメリカ人は、お刺身やタマゴなどもそうですが、生ものが苦手なようです。
たらこや明太子なども、見た感じちょっとグロテスクと思われがちなのですが、もしかしたら、炙れば食べられるかもしれません。
あと、お魚のお話で言うと、目のついている魚は怖い、と言っていたアメリカ人もいます。小魚、ししゃもとかですね。
アメリカ人の友人が日本を旅行したときに、日本人の知り合いが、最高のおもてなしのつもりで、目の前の生簀で泳いでいた魚を活き造りで出してもらって、もてなしてくれたようなのですが、ピクピク動いているお刺身の切り身を見て、友人は悲鳴をあげたそうです(笑)
確かに、生まれて初めて生き造を見たら、驚くかもしれませんね。
食文化に関しては、それぞれ長年の歴史がありますから、もしかして西洋人は生魚を食べるのに、まだ身体が適していないんじゃないかと、例えば消化酵素を持っていないんじゃないかと思って、AIに聞いてみました。
そしたらこんな答えをくれました。
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「アメリカ人が生の刺身をあまり食べない理由には、消化酵素の違いよりも食文化や食経験、衛生管理が関係しています。
◯消化酵素の違いはあるのか?
日本人とアメリカ人の消化酵素に大きな違いはありません。どちらも魚のタンパク質を分解する酵素(プロテアーゼ)や脂質を分解する酵素(リパーゼ)を持っています。
◯お腹を壊す理由
生の刺身を食べてお腹を壊す原因として、以下が考えられます:
・食経験が少ないため、腸内細菌が適応していない可能性があります。
・食品衛生管理が厳格でない場合、食中毒のリスクが高まります。
・寄生虫(アニサキスなど)のリスクも考慮されます。
・心理的な影響(プラシーボ効果)も胃腸の不調に寄与することがあります。
結論として、アメリカ人が刺身を避ける理由は消化酵素の違いではなく、食文化、腸内細菌の適応、食品衛生管理、寄生虫のリスクなどが関係しています。慣れれば問題なく食べられることが多いです。
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なるほどです。どの答えもめっちゃ納得いきます。
なんかちょっとスッキリしました。
少しずつ西洋人にも、お刺身を慣れていってもらったらよさそうですね。
昔は冷蔵庫や冷凍庫がなく、生魚は新鮮じゃないと食べられないものだから、日本のような四季のある島国だからこそ、お刺身の文化が進んだのですね。
島国でも、熱帯だったら、すぐ悪くなってしまうから、お刺身にはならなかったでしょう。あー、日本に生まれてよかった。またいつものように、ほんとに私って幸せと思う今日この頃です。
最後は、ニューヨークのアッパー・ウェスト・サイドのお寿司屋さんの、ベジタブル寿司のフォトを添えますね。ちょっと面白そうだったので頼んでみました。(微笑)
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。