外国人との会話で、なかなか空気が読めない経験ありませんか。Swatchは、アメリカ人との会話で、「あれ?」どういうことなのだろうと感じたことが良くあります。
反対に、アメリカ人からしてみれば、日本人の曖昧な言動が理解できない場合も多いと思います。
そんなすれ違いは、英語の語感から来ていることが多いのです。
語感というのは、単語の持つニュアンス、雰囲気のようなものです。それを理解することが英会話上達の秘訣です。
日本人が迷っているときについ出てしまう「う~ん」、「えっと」は、何か都合が悪そうだとか、難しそうだなという感じが伝わってきますが、アメリカ人には、聞き流されてしまいます。
逆に、アメリカ人が“Maybe….”(多分)といった時、日本人はどう感じるでしょうか。
<Maybeには、2つの意味がある>
あなたが、アメリカ人から“May be!”(多分)と言われたときに、ある程度、実現可能性があると感じた場合、トラブルかも知れません。
基本的な考え方は、白黒つかないという感じ。
可能性=不可能性で、50%:50%です。自分では決められないということなのです。
約束事をして、アメリカ人が“Maybe!”(たぶん)といった場合、「ダメ!」を意味していることが多いのです。日本人の「ん~」と違って、アメリカ人ははっきりと“Maybe!”と発言します。
が、その意味は、「分からない。だめだと思う」と断っているのです。
けっして、「多分」といっているのではなく、「わからない」とさじを投げているのです。
もし、約束であれば、アメリカ人は後から時間や場所を調整することはありませんから、その時にしっかりと会うときの時間と場所について口にします。
そういった情報がないときには、絶対にその約束は、反故(ほご)にされます。
“Maybe!”は断りの表現だということを覚えておいてください。
もう一つの“Maybe”の意味は、これも日本人にとっては、「え?」と感じるかもしれません。
それは、「興味がない、どうでもよい、考えていない」という意味です。
「たぶん」ではなく、そのことについては、考えていないし、確信がない。どうでもよいことだと思っている、そもそも考えたことがないということです。
ある女性が、親しい男性に「この服、私に似合ってる」と聞いたときに、maybeと答えると、
Dose this look good on me?
(この服、私に似合ってる)
Maybe.
(まあね。:どうでもよいと思っている)
これからは、“maybe!”とアメリカ人が言った時は、「興味がない」と考えてください。
そうすると、俄然、アメリカ人との会話が見えてきます。
<可能性が高い「多分」はprobablyです>
日本人としては、「多分」を英語で是非表現したいですね。
あなたもアメリカ人との会話で「多分」を使ってみたいと思います。
そんな必要があるときに、日本語の「多分」にピッタリな英語があります。
それは ”Probably (プロバブリー)”です。
probablyは、日本語の「多分」とほとんど同じ意味で使えるのですごく便利です。
Probableは、起こりそうなという意味です。何かが起きる可能性や確実性が高い場合に使うことができます。70%~80%の可能性があります。
自分の過去の経験や情報などによって、同じことが起きるのではないかと予測する場合に使うことができます。つまり、自分なりの根拠によって、「起きそうな」ことを予測するという感じです。
どんな理由であれ、自分がそう思っていることが50%以上を越えて、実現しそうに感じるときに、相手に「そうなると思う」と伝えるときに使うことができます。
日本語の「多分、大丈夫」という感覚で使うことができます。
“Maybe”ではなく、これからは”Probably (プロバブリー)”で行きましょう。
例をあげると、
“It’s probably rain tomorrow”
(明日は多分雨模様だね)。
降水確率、50%という感じ。天気予報を聞いたとか、雲の流れで経験的に知っているとかの理由で発言しています。
<Possibly、実は可能性は50%以下>
次にpossiblyを説明します。possible(可能性がある)はという意味から、possiblyは、何かが「起きる:起きない」の可能性が、「五分五分」を示す単語です。
実際に、会話でpossiblyを使うと、その可能性は、50%以下で「どちらかと言えば、可能性が低い」と解釈されることになります。会話で使われる感覚は、50%以下の可能性になります。
ということから、意味的にpossiblyは、(もしかすると、ひょっとしたら)という感じになります。
“It’s possibly snow tomorrow”
(明日は、雪にはならないだろうね)
It’s possiblyだと、感覚的には、「雪になるかもしれない」という感じに取りがちですね。
実は、possibly<50%なので、雪の可能性はない>と言っています。これも混同しがちです。
最初に紹介した、“maybe”も五分五分で、自分では判断がつかないということ「わからない」でした。表現としては、かなりカジュアルで「わかんな~い」という感じです。
possiblyの場合は、少しフォーマルな感じが出てきます。上司やビジネスでクライアントに返事をするときに、できない可能性がある場合に使うことができます。
“Possibly, it depend on what time I finish the work”
(どちらかと言えば、出来かねます。私がその仕事を終わらせる時間によりますが)
これを(可能です)と勘違いしたら大変なことになりますね。これが言葉の持つ語感を理解するとことが重要だということです。
<語感、ニュアンスをしっかりと頭に入れて誤解を避ける>
それでは、今回のトピックスをまとめておきましょう。
Maybe:自分では判断がつかない。どちらでもよい。断るときに使う。
Probably:可能性が高い。日本語のいう「多分、大丈夫」に近い。
Possibly:可能性が低い。否定的な意味で使う。
単語で覚えた意味で理解すると、逆の解釈をしてしまいます。
それぞれの語のもつニュアンスを頭の中にしっかりと整理して入れておきましょう。
辞書を一度引いて覚えてしまった意味ではなく、ネイティヴが持っている語感を理解することによって、会話の中で使われる本当の意味を理解できるのです。
自分の英単語の思い違いをしっかりと書き換えておいてください。
それにより、会話の中での行き違いがなくなります。
そのニュアンスを意識して発言することにより、自分の意見も明確に相手に伝えることができます。
執筆家・英語教育・生涯教育実践者
大学から防衛庁・自衛隊に入隊。10年間のサバイバル訓練から人間の生について考え、平和的な生き方を模索し離職を決断する。時を同じくして米国国費留学候補者に選考され、留学を決意。米国陸軍大学機関留学後、平和を構築するのは、戦いを挑むことではなく、平和を希求することから始まると考えなおす。多くの人との交流から、「学習することによって人は成長し、新たなことにチャレンジする機会を与えられること」を実感する。
「人生に失敗はなく、すべてのことには意味があり導かれていく」を信念として、執筆活動を継続している。防衛省関連紙の英会話連載は、1994年1月から掲載を開始し、タモリのトリビアの泉に取り上げられ話題となる。月刊誌には英会話及び米軍情報を掲載し、今年で35年になる。学びによる成長を信念として、生涯学習を実践し、在隊中に放送大学大学院入学し、「防衛省・自衛隊の援護支援態勢についてー米・英・独・仏・韓国陸軍との比較―」で修士号を取得、優秀論文として認められ、それが縁で定年退官後、大規模大学本部キャリアセンターに再就職する。
修士論文で提案した教育の多様化と個人の尊重との考えから、選抜された学生に対してのキャリア教育、アカデミック・アドバイジングを通じて、キャリアセンターに新機軸の支援態勢を作り上げ、国家公務員総合職・地方上級職、公立学校教員合格率を引き上げ高く評価される。特に学生の個性を尊重した親身のアドバイスには、学部からの要求が高く、就職セミナーの講師、英語指導力を活かした公務員志望者TOEIC セミナーなどの講師を務めるなど、大学職員の域にとどまらぬ行動力と企画力で学生支援と教員と職員の協働に新たな方向性をしめした。
生涯教育の実践者として、2020年3月まで東京大学大学院教育研究科大学経営・政策コース博士課程後期に通学し、最年長学生として就学した。博士論文「米軍大学における高等教育制度について」(仮題)を鋭意執筆中である。
ワインをこよなく愛し、コレクターでもある。無農薬・有機栽培・天日干し玄米を中心に、アワ、ヒエ、キビ、黒米、ハト麦、そばを配合した玄米食を中心にした健康管理により、痛風及び高脂質血症を克服し、さらに米軍式のフィットネストレーニング(米陸軍のフィットネストレーナの有資格者)で筋力と体形を維持している。趣味はクラッシック音楽及びバレエ鑑賞。
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