みなさま,おはようございます!
久しぶりに自宅のデスクからお届けしておりますCozyです。
おかげさまで,無事に退院することができました。
ご心配いただいた方々,本当にありがとうございました。
入院中,一度もTVを見ることのなかった私。
久しぶりに録ってあった録画番組を何気なく見ていたら,
(お時間ありますか?)
という意味の英語が聞こえてきました。
さて,ここでクエスチョンです!
この「(今)お時間ありますか?」という表現を英語にすると,次の1,2,3のうちどれが適切だと思いますか?
1. “Do you have time?”
2. “Do you have a time?”
3. “Do you have the time?
よ〜く考えてみてくださいね。
―伝説のあのイングリッシュ―
入院中は,暇だからと家族がTVカードを買ってくれていたのですが,使わなかった私。
だって,9時間くらいで1000円なんですもの!
コマーシャルも含めると,なんとなく
「もったいない…」
と思ってしまったケチケチ星人のわたくし。
だったらゆっくり読書でもしましょ。
ということで本ばかり読んでおりました。
でも帰宅してTVを見ていると,
「あ〜,世間は動いているのね」
って感じるんですよね。
ちょっとした浦島太郎的な感覚。
そんな時,録画されていたあるバラエティ番組を見ていたんです。
それは,
「ヤバイよ!ヤバイよ!」
でお馴染みのあのタレントさん。
私,彼の話す,いわゆる出◯イングリッシュなるものが大好きなんです!
文法も表現も本当に斬新〜。
でも,最終的にはなんとか通じてしまうあのコミュ力の高さ!
本当にいつも脱帽なんですね。
文法や単語などハチャメチャなので,専門家の方々の中には「受け入れられない」という人がいらっしゃるかもしれません。
でも,私は彼の度胸とセンスには見習うべきところがあると思うのです。
さて,今回見た回は,
「タイで現地の人に寺院の場所を聞いてたどり着く」
というものだったのですが,ご覧になられた方いらっしゃいますか?
「寺院」
を英語で表現するのに彼が言った言葉は,
“ツルツルboys many many house”
(ツルツル頭の男性がたくさんいる家…かなぁ。)
もうめちゃくちゃです!w
無理やり想像してみると,こんな感じでしょうか(笑)
彼のすごいところは,これで通しながら最終的には通じてたどり着いちゃうってところ。
いやぁ,すごいです。
もうね,彼がまじめに英語を学んだら,すごいことになるんじゃないかって思うんです。
ゆっくりとお茶を飲みながら見ていたのですが,何度お茶を吹きそうになったことか。
そんな時,あるフレーズが耳に飛び込んできたんです。
“Do you have time?”
って。
これは別のタレントさんが発した言葉なのですが,
「(今)お時間ありますか?」
という意味で使われたもの。
さて,冒頭のクイズですが,
「(今)お時間ありますか?」
という表現に対して,1〜3のうちあなたはどれを選びましたか?
1. “Do you have time?”
2. “Do you have a time?”
3. “Do you have the time?
答えは,
1. の “Do you have time?”
が正解なんです。
すごーく簡単に解説してみますね。
― “time”, “a time” “the time”の違いって何?―
ついつい言ってしまいがちですが,この表現は使うことができません。
「時間を表す“time”」は,数えられない名詞(不可算名詞)で,
“a time”, “times”
のように単数・複数を表すことができない名詞なのです。
でも,「 “times”って複数形の言葉あるよね?」
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
例えば, “New York Times”という新聞であったり,
“I have been to England 3 times.”
(私は英国へ3回行ったことがあります。)
という表現であったり。
新聞の “times”には,「時代,時勢,時世」という意味があり,
“I have been to England 3 times.”は,「回数」を表しています。
いずれも「時間」という意味ではないため,複数形にできるんですね。
ちなみに,ニューヨークにあるタイムズ・スクエアですが,1904年にニューヨーク・タイムズ社がその地に移転してきたことから,その名がついたそうですよ!
― “Do you have the time?”―
みなさん, “the”という定冠詞はどんな時に使うと思いますか?
学校では, “the sun”(太陽), “the moon”(月)のように,
「この世に1つしかないものに使う」
のように覚えている人も多いはず。
それももちろん正解なのですが, “the” の基本的な意味は,
「お互いが共通して認識しているもの等」
に対して付けるんです。
例えばこちらの対話を見てみましょう。
A: “I bought a book yesterday.”
(昨日,本を買ったんだ。)
B: “What book did you get?”
(何の本を買ったの?)
この時点では「本」の存在が初めて出てきましたので, “a book”(ある1冊の本)という表現しか使われていません。
A: “It’s about animals in the world.”
(世界の動物についての本だよ。)
B: “I’m interested in the book.
(私はその本に興味があるな。)
のように,最初は “a book”という「どの本かわからない状態」だったのに対して,次にその本について言及するときは,お互い「どの本のことか」共通認識として理解していますよね。
なので,
“I’m interested in the book.”
(私はその本に興味がある)
のように, “the book”となります。
さて,この説明を踏まえて
“Do you have the time?”
となるとどうでしょう?
“the time”ですので,
「お互い共通して認識している時間」
を表しています。
ということは,そう!
“Do you have the time?”は,時間を尋ねるときに使うあの表現,
「時間を持っていますか?=(今)何時ですか?」
のように,時間を尋ねる表現になるんです。
“Do you have time?”=「お時間ありますか?(今いいですか?)」
“Do you have the time?”=「(今)何時ですか?」
“the”があるとないとでは大違いですよね。
実はこれ,私,いっつも「あれ?どっちだったっけ?」って思っていたんですよね。
でも,「共通認識」ということを意識するようになってから迷わなくなったんです。
皆さまにも,
「あ,覚えられた!」
と思っていただけたら幸いです。
それではまた来週〜♪
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。