こんにちは
NYのKayoです。
ニューヨーク、特にマンハッタンで車を持つと聞くと、
「都会だし、地下鉄もバスもあるけど、あったら意外と便利かも、運転するのも、ストリートもわかりやすそうだし。」
と思われるかもしれません。
確かに、買い物に行くにも、遠出するのにも便利、でもなかなかの修羅場な面があるんです。
というのは駐車事情。
ガレージ、いわゆる月極駐車場はもちろんありますが、お値段が可愛くありません。
アッパーウェストあたりだと、軽く500〜600ドル(約75,000円〜90,000円)。もはや、もう1軒の家賃のようです。ニューヨークでは、多くのビルディングがとても古くて、築100年なんていうのはザラ、今さら地下駐車場なんて作れない事情もあり、
結果どうなるかというと、、、
はい、ほとんど路上駐車なんです。
「え?路上駐車オッケーならいいんじゃない?」
と思われるかもしれませんが、そこには、マンハッタンでは、駐車場は「持つもの」ではなく「闘うもの」という言われがあるんです(笑)
それは・・・。
週2回やってくる「お引っ越しデー」
アッパー・ウェストサイドの、私の家の前の通りでは、週に2回、月曜と木曜にサニテーション・デパートメントの、Street Sweeper / ストリート・スイーパー(道路清掃車)がやってきます。時間はきっちり11時から1時まで。その間、その側に車を置いてはいけません。
ということは、週2回、必ず車を反対側へ移動させる必要があるわけです。近所の人は全員同じ条件。となると何が起きるか。
はい、椅子取りゲームです。二重縦列駐車も登場し、通りは一時的に、知恵と根性とパーキング・テクニックの見せどころになります。(笑)
忘れた代償は65ドル(約1万円)
うっかり忘れたらどうなるか。
答えは簡単、65ドルの罰金です。
清掃車より先に、Ticket Agent / チケット・エージェント(チケット係)がやってきます。
彼らは非常に真面目で、情け容赦がありません。「あ、今日だっけ?」と気づいた時には、フロントガラスに、オレンジ色の紙がひらひら、心も財布も寒くなります。
無料に見える路上駐車、実はしっかり請求書が来たりもするんです。
雪の日は、さらに修行モード
冬になると、話はもう一段階ハードになります。除雪車(ゴミ収集車の前面に、大きなPlowをつけたもの) が雪を押しのけ、その雪がそのまま路駐中の車に押し付けられます。数日冷え込むと、その雪は氷となり、カチカチに固まります。
でも清掃日は待ってくれません。反対側に移さなければならないのに、車が出ない!・・・。
仕方なく雪かきを始めると、これはもう筋トレ(笑) 、ジム代が浮いたと思うしか、ありません。
「無料」は、やっぱり高かった
路上駐車オーケーと聞くと、「毎月の駐車場代いらないなんて、ニューヨークって最高!」と思われがちですが、実際は「ただより高いものはなし」。
常にカレンダーと時計と天気予報と、にらめっこです。3日以上の旅行には行けませんし、外出先でも「あ、今日、車動かしたっけ?」と胸がざわつきます。
それでも皆、文句を言いながら車を移動させ、シャベルを購入し、雪をかき、罰金を数度は払い、いつの間にかこの生活に順応していきます。
こうしてマンハッタンの路上駐車は、単なる「車の置き場所」ではなく、忍耐と知恵と少しの諦めで成り立つ(!)、ニューヨーカーの共同作業になっています。
今日もニューヨークのどこかのストリートで、キーを握りしめた人々が小さくため息をつきながら車に向かっている(笑)。そんな光景もまた、ニューヨークらしい日常です。
それではまた次回♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。







