こんにちは
NYのKayoです。
「ずる休み」って、英語でなんて言うんだろう?
そんなことを考えたこと、ありませんか。
アメリカに長く住んでいますが、実は今でもその英語が見つかりません。
というより――どうやら、そんな言葉自体が存在しない模様。
日本では、
「今日はちょっと頭が痛いから休もうかな」
と思った瞬間に、
「でも、それってずるいんじゃない?」
「みんなに迷惑かけるし……」
そんな気持ちが一緒に湧いてきますよね。
罪悪感とセットになった、あの独特の言葉。
それが「ずる休み」。
なんて便利で、なんて自虐的な表現でしょう。
アメリカでは「休む」は堂々とした権利
一方、アメリカではどうかというと、
「今日は mental health day だから休むわ」
なんて、堂々と宣言できてしまうのです。
しかも周囲も、
Good for you! Take care of yourself.
(あ、いいじゃない!大事にしてね)
と、むしろ応援してくれる。
ずるさゼロ。
むしろセルフケアを褒められる、文化の差、歴然です。
もちろん、アメリカにも似たような表現はあります。
play hooky / プレイ・フッキー
(学校をサボる)
call in sick when you’re not really sick / コール・イン・シック・ホエン・ユーア・ノット・リアリー・シック
(病気じゃないのに病欠を装う)
でもどちらも「ずる休み」のような「ちょっと悪いけど、みんなに迷惑かけちゃって」というニュアンスを一語で表す便利さはないんです。
なぜなら、罪悪感ゼロだから!
日本語の「ずる休み」には、「休む=迷惑をかけること」という前提がありますよね。
社会や仲間のために頑張るのが美徳だから、自分の都合で休むなんて、申し訳ない、という罪悪感がついて回る。
だからこそ「ずる休み」なんて絶妙なネーミングが育ったのでしょう。
休むことは当然の権利
でもアメリカでは
「休む=当然の権利」。
会社の有給休暇は「もらうもの」ではなく「当然のもの」
さらに近年では
「mental health day / メンタル・ヘルス・デー」という言葉も一般的になってきて、心が疲れたから休む、という選択がごく自然に受け入れられているのです。
思えば私も最初の頃は、つい日本式に
「すみません、ちょっとずる休みを……」
なんて言いそうになったことがありました(笑)
でもアメリカ人のルームメイトに、
「Why do you say ‘sneaky’?
It’s just your day off!」
と、怪訝なな顔をされました。
彼女らにしてみれば、「休み=バケーションの一部」なので、そこに“ずる”の要素なんて入り込む余地はないのです。
つまり、「ずる休み」という言葉は、日本独特の“罪悪感をうまい具合にパッケージした表現”なのかもしれません。
アメリカ人に説明すると、
So you feel guilty for resting? That’s weird!
(え、仕事を休むのが罪悪感なの?それ、変じゃん!)
と本気で不思議がられます。
ずる休みは日本文化
考えてみれば、ずる休みをした日の、あの小さな背徳感、、、布団の中で昼まで寝てたり、平日お昼の定食に足を運んでみたり、、、あれは日本ならではの“快感”なのかも(笑)。
「ずる休み」という言葉が存在しないアメリカに暮らしていると、日本人の勤勉さと、それに伴う “休むことへの罪悪感” がいかに文化的なものか、しみじみ感じます。
結局のところ、「ずる休み」は翻訳不能の日本文化なのです!
さて、この記事を書き終えた私はどうしようかな。
午後は Netflix でお観ながらアイスクリーム?
それとも最近できた、近くのカフェへ?
これを「ずる休み」と呼ぶか「self-care / セルフ・ケア」と呼ぶかは…わたし次第。
ではまた次回♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。

