こんにちは
NYのKayoです。
ニューヨークで洋服を買おうとして、日本人が「あれ?」と思う場面があるかも。
それは、Fitting room、つまり試着室ですが、隣の試着室からカップルの会話が、普通に聞こえて来ます。日本では女性の試着室に男性が入ることは、まずありませんよね。
恋人でも夫婦でも、男性は試着室の外で待つ、というのが常識ではないでしょうか?
ところがニューヨークでは、女性の試着室に男性が一緒に入るのも、男性の試着室に女性がついて行くのも、珍しくないんです。
店員さんも、止めません。「どうぞどうぞ」という感じ。
服を選ぶのに連れの意見を聞くのはもっともな話なので、こちらではそれほど大きな問題ではないようです。
隣の試着室から「どう?」「うーん、もう一つ大きいサイズかな」なんてカップルの会話が聞こえるのも、ニューヨークではごく日常の風景なんです。
パリでも同じ光景
ヨーロッパでも、似た光景を見ました。
たとえば、パリのブティック。カップルがごく自然に、同じ試着室に入っていくのです。周りの人は誰も気にしていません。
「ああ、ここではこれが普通なんだ」と思いました。なんだか、イチャイチャしてるっぽいカップルもいました。おやおや(笑)
更衣室にカップルではいるかどうかの基準は、国によって、いろいろ違うものですね。
ドイツの裸文化?
さらに面白い話も聞きました。ドイツで合気道のクラスに参加したというアメリカ人の男性が、「更衣室が男女共用で、女性が男性の前でも、平気で裸になって着替えていたので驚いた」と言うのです。
本当なのか少し疑わしい気もしますが、まったくの作り話とも言えないようです。
ドイツには Freikörperkultur、略してFKKという「裸体文化」があり、サウナでは男女が一緒に裸で入るのが普通だそうです。
水着は禁止と聞くと、日本人としては思わず「え、本当に?」と二度聞きしたくなりますよね。
靴下問題、、、
さて、ニューヨークの試着室で、ひとつ納得いかないことがあります。
床です!日本では試着室にカーペットが敷かれていたり、フロアとは違う床材になってたりすることが多いと思いますが、こちらは床がそのまま。
人はそこで靴を脱いでソックスになり、服を試着します。でも同じ場所を別の人が靴のまま歩くのです。
つまり、靴で歩いた床に靴下で立ち、そのあとまた靴を履く。日本人としては「それ、ソックス汚れない?」とつい考えてしまいます。
そう、同じ体験を、空港でもしますよね。
セキュリティ検査で靴を脱ぎ、ソックスのまま歩かされるのです。これは September 11 attacks (アメリカ同時多発テロ事件) 以降の安全対策で、その後の靴爆弾事件がきっかけだそうですが、心の中では
「このソックス、あとで絶対洗おう。靴の中が汚れちゃって、やだな」
と静かに思ってる自分がいます(笑)
床から見えるカルチャーショック
考えてみると、日本では床が生活の中心です。畳に座り、布団を敷き、床を清潔な場所として扱います。
一方アメリカでは、椅子やソファ、ベッドが生活の中心で、床に直接座ることはほとんどありません。だから床の清潔さに対する感覚も、きっと違うのでしょう。
更衣室という小さな空間を見ているだけでも、裸のこと、床のこと、靴下のこと、、、さまざまな文化の違いが見えてきます。
世界中の人々の体は同じなのに、それをどう扱うかはこんなにも違う。
ニューヨークの試着室で服を着替えながら、そんなことをぼんやり考えてしまいました。
小さな更衣室にも、なかなか奥深い文化の物語が隠れているようです。
それではまた次回♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。




