子どもの頃は,とても楽しみだった誕生日。
でも,この歳になると楽しみどころか
「いや,もう誕生日はこなくていいから」なんて思っているのに,
その日が近づいている少し憂鬱なCozyです。
さて,そんな誕生日といえば,やっぱりプレゼント。
日本語で言えば,「贈り物」。
英語では, “present” や“gift”という単語があります。
もうこれは,ほぼ日本語と化しているのでその意味を知らない人はいないはず。
でも,同じ「贈り物」を表すこれらの2つの単語,使い方は同じなのでしょうか。
それとも違うのでしょうか。
あなたはどう思いますか?
― “gift”はフォーマル, “present”はカジュアル?―
この “present” “gift”を調べると,多くの情報が出てきます。
その中でも多いのが,
「“gift”はフォーマルで, “present”はカジュアル」
「“gift”は,目上の人に贈る場合に使う」
というもの。
言われてみれば,そんな感じもしますよね。
ほら,今はお中元の季節。
デパートなんかでも,「夏のギフト」なんて書いてあるのをよく見かけます。
やっぱりフォーマルな感じで贈るのが “gift”という感じもします。
その反対に “present”は,
「近い間柄の関係の人に愛情を込めてカジュアルに贈るもの」
と説明してあるものも多くあります。
確かに,一般的に家族などの誕生日に贈るのは, “birthday present”といいますものね。
でも,私はちょっと腑に落ちないんですよね,この “gift” と “present”の違い。
たしかにイメージ的にはそう思いますし,間違っていないと思います。
何かひっかかるのです。
でも,何がひっかかるのかはわからなかったのです。
―え?両方同じ?―
その何かを知るために,アメリカに住むネイティブの友人たち4名に聞いてみました。
すると全員が全員言うのが,
“Interchangeable.”
(代替可能=同じ意味)
“They’re just synonyms”
(それらは同意語だよ。)
ということ。
「慣習的に,
“Christmas present”
“birthday present”
などと言うことの方が多いけれど, “Christmas gift”や “birthday gift”ということもある。
同じだよ。」
と。
今回聞いた4名は,まったく私の友人であって,それぞれの面識はありません。
別々にメッセージを送って返ってきたのが同じような返答。
中でも興味深かったのが,
「『“present”というと,誕生日,結婚式,卒業式,クリスマス,など特定の日などのために作ったり購入したりして,ラッピング(包装)された “物”や “物質”』というイメージをもつことができる。
“gift”は,それ以外にも無形のものにも使う。
例えば,
“the gift of kindness”(優しさの贈り物),
“gift of compassion”(思いやりの贈り物),
“gift of life”(命の贈り物)
などがそれにあたる。
だからお店で買ったものよりも,さらに価値のあるものは “present”ではなく “gift”といえるけれど,基本は両方とも「贈り物」という意味では同じだよ。」
こういう例文を見るとわかりやすいかも。
“He received a new kidney on Christmas Day. It was the best Christmas present ever, but it was really the gift of life.”
(彼はクリスマスに新しい腎臓を受け取った。それは最高のクリスマスプレゼントであるが,本当の命の贈り物であった。)」
とのこと。
私が感じた腑に落ちない感は,「これだ!」と思ったのです。
「 “present”よりも高価でフォーマルなものが “gift”で,カジュアルなものが “present”」
というのであれば,「その境はどこ?」と思ったのです。
「高価」というのも個人差があるし,カジュアルに親しい人にあげるものが “present”であれば,使う言葉によっては人間関係に罅が入りそう…。
だって,
「私には “gift”って言ったの?親しいと思ってたのに!」みたいな(笑)
なので,どこまでも曖昧感があったんですよね。
―「Gift」―
“present” も “gift”も基本的には,「贈り物」という意味では同じ。
ただ, “gift”には無形のものを表すことができ, “gift of life”(命の贈り物)のように
“present” 以上に重く崇高な意味合いを持つことができる。
だから,「 “gift”は, “present”よりもフォーマルで,高価」
というイメージになったのかもしれません。
さて, “gift”といえば,私は忘れられないショートフィルムがあります。
そのタイトルはまさに,「Gift」。
このショートフィルムは,
“present”として施設から「妹」を養女としてやってくるところから始まります。
あえて多くのことはお話しませんが,
この動画を観て,あなたはどう感じるでしょうか。
ぜひ,最後にあるこのショートフィルムを観ていただきたいと思います。
きっと,人としての大切な何かを気づかせてくれ,
またそばにいる「家族」を抱きしめたくなるでしょう。
そして,なぜ “Present”というタイトルではなく, “Gift”というタイトルなのか。
私の友人が言った,
“Gift of life” (命の贈り物)という部分からこのショートフィルムを通して
“present”と “gift“のイメージもわかるかもしれません。
どうか,誕生日の “present”はよく考えてから贈りましょうね。
See you next Thursday!
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。