曲だけ聞いて、作曲者が誰か分かったことはありますか?
歌っている人が誰かは分かっても、作曲をした人を当てたことがある人は少ないんじゃないでしょうか。実は私以前、たった一度だけ、曲だけを聞いて誰が作曲したか当てたことがあるんです。
それは一月ほど前のことです。帰宅途上でラジオをつけると実に綺麗なメロディーが。つい道路脇に停車して聞き入っちゃったんです。歌ってるのは昔の女性歌手のよう。
♪I’m a singer 虹になりたい。歌い手は虹のように悲しみの雨の向こうで咲くもの..
Rainbow~I’m a singer の曲名に覚えはありません。でも雰囲気的にさださんのような気がしてきたんです。
さださんとは無論「さだまさし」。デビュー当時の空に抜けるような高音に震えたのは私だけではないでしょう。で、後から調べたらやっぱりさださんの曲。
作曲者が分かると、今度は曲名の中のsingerやsingの語源にひっかかり出しました。
(英語は歌はsongだが、シャンソンはフランス語、カンツォーネならイタリア語…訳が分からん。西洋の言葉って元々は一つのはず。なぜ「歌」がこんなに色々?)
今回は言語毎に「歌」を表す語を、DNAを使い見てみましょう^^
<英語はなぜsing>
英語singのDNAは SENGW(セングウ)「スイング」と似ていますね。意味は「まじないを言う」だったようです。
ある説から歌の始まりが伺われます。それはSENGW(セングウ)はsinge(シンジ/焦がす)のDNAでも、という説。「焦がす」なんて火を使った儀式の雰囲気ですよね。例えば、炎と煙の中でおまじないが唱えられる…そんな由来で、英語では今singと言うのかもしれませんね。
SENGW (煙を焚きまじないを言う) →(歌う)sing → (焦がす) singe
<フランス語はなぜシャンソン>
シャンソン(chanson)って特別なジャンルの気がしますが、実はフランス語では単に「歌」。
DNAはKAN(カン)。フランス語でも英語同様DNAを遡れます。
さてカンとシャンでは大違いのようですが、シュやシャの音ってフランス語らしい。例えばシャン
ゼリゼ、シュークリーム(正しくはシューアラクレームとか何とか)
さてKANの意味に戻ると「叫ぶ・大声を出す」だったようです。そこから「歌う、歌や呪文でう
っとりさせる」と変化したよう。
少し細かいですが、語尾のソンは「繰り返し」の意味の名残。結局シャンソンの語源は「叫びまく
る」みたいです。上品なはず?のシャンソンに意外な語源ですね。
KAN(叫ぶ)→(大声の)呪文を繰り返す→歌で魅惑する → (歌) chanson
DNA KANは英語だとincentive (インセンティブ「動機付け」)のcenにあります。
どうして叫びが動機付けにつながるのでしょう?少し細かいですが、
心(の中in)が(KAN叫び→声援→やる気) cenでいっぱい(tive)…みたいに言えるかも
やる気を、心の中の声援と捉えているようです。
心を「(叫び→声援→)やる気cen」で満たす⇒incentive(インセンティブ)
<ドイツ語はなぜリート>
ドイツ語のLied(リート)「歌」は例えば菩提樹や鱒等。(英語のlieライ「嘘」とは無関係。念の為)さてドイツ語にも見つかるDNA。ここはLEU(レウ)「褒める」のよう。歌で褒め讃える感じかも。発音は「レウ」が「リートゥ」に変わっていますね。
DNA LEUレウ(ほめる➾歌で讃える) →Lied(リート)歌
英語のallow(アラウ)「許す」にも同じDNAが入っているようです。
少し細かいですが、allowのalは元々ad(~に向かって)。それに LEU(誉める)が+で「~に向かって誉める⇒行為等を認める⇒許す」みたいに意味が変化したのかも。音もあちこち変化したようです。
ad(~に向かって) +LEU(誉める) ⇒(是認する)⇒(許す) allow
まとめ
<DNAで楽しい英語>
冒頭のI’m a singer.を作ったさださん。Singerなのでsinge(焦がす)繋がり。遥か昔の異国。燻る煙の中で歌う僧がさださん似だったりしてw。
冗談はともかく、今回各言語の「歌」がばらばらなのはDNAそのものが別だからと分かりました。
また別の英単語との繋がりがDNAを通して今回見えました。
このようにDNAで意外な繋がりを辿りつつ、楽しく英語が学べると…やっぱり良いですね。
See you soon!
Jiro
追伸:イタリア語のcanzone(カンツォーネ)は「民謡や(歌謡)曲」の意味。DNAはシャンソンと同じKAN。やはり元々「大声の叫び声連発」から。カンツォーネの方がぴったりな語源かもw
追伸:ロシア語の「歌う」петьピエット)は「(酒を)飲む」(питьピット)と関係するそう。歌は「酒を大地に注ぐ(飲ませる)」儀式由来だそうです。(ピエ..とピ..なら発音もそっくり)さすがウォッカの地w
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員