突然ですが、私この写真どこで撮ったと思いますか?
山道を歩いていた時です。道の真ん中をひっそり横切っていました。多分沢蟹?
車も通る場所。でも一匹じゃない気配。皆車のことなど無視。ただ黙々と坂を上っていく様子。
生き物のエネルギーに感心した私が再び登りかけた時、ふと気になり出したのがcrab(蟹)の語源。
また星座の蟹座はcrabではなくCancerだということも気になり…
もう辺りの景色は上の空。早々に帰宅後調べると…そうか、なるほどの連続。
今回あなたにお伝えしたいのはカニを巡る二つのDNAです。
まずCrabのDNAはGERB(ゲルブ)<引っ掻く>という意味だったようです。
つまり歩く様子が引掻く感じ。手のひらに乗せれば、ひっかかれるような感触ですよね。
その感触からクラブという名前がついた様子。
音はゲルブがクラブに変化したのですね。(部活のクラブはclubで全く別。念の為)
DNA GERB<引掻く> ⇒(引掻くように歩く⇒)カニcrab(クラブ)
<あなたもプールでハイハイしてた?>
同じDNAの英単語にcrawl (這う)があります。発音は「クロール」。
あなたはもうピンと来たかも。赤ちゃんのハイハイ等の「這う」以外に、水泳のクロールの意味も。私クロールってただ両腕をぐるぐる回すイメージだったんです。でも元々は「這う」とか水面を「引っ掻く」意味なのですね。
GERB<引掻く>⇒(歩く様子⇒)crab(蟹/クラブ)
GERB<引掻く>⇒crawl (這う/クロール)
<蟹が癌になったワケ>
さて蟹座の方は英語でCancerです。Cancerと言えば「癌」ですよね。どうなってるのでしょう。
これもDNAから説明できそう。
Cancerの DNAは CAR(キャル) で意味は「力強い」
ここから(力強い⇒丈夫な甲羅⇒)蟹や蟹座の意味につながるよう。
ただ「蟹」の意味が英語では次第に消滅。また癌の意味は、甲羅の固さや全体の恰好からの連想かも。あまり連想したくないですねw
ただここでDNAにちょっと妙なこと。それはCARが直接can-cerになったのではなく、中間の形があったようなんです。言わば「変異形」
それはギリシャ語等に現れたCARCROのような形。。CARCROからさらに時代が下り英語ではcancerになった様子。
DNA CAR(キャル⇒CARCRO /力強い) ⇒頑丈な甲羅⇒(蟹・)蟹座Cancer ⇒(甲羅から)癌cancer
<遠そうで近い「カ」と「ハ」>
DNA CAR(カー)に戻ると、CAR由来の英単語にはhardも。
あなたはCARの「カ」からhardの「ハ」が出てくるのは信じられないでしょうか。
でも音的には「カ」と「ハ」は非常に近いんです。試しに「ハ」を力んで言ってみてください。「カ」になりませんか。つまり👅の位置はほぼ同じ。
hardの意味は「一生懸命・難しい」「難しいから一生懸命にやる」のように結びつきそう。
CAR(力強い)⇒ 一生懸命(hard)
👆難しい(hard)
<蟹座をcrabと言わないワケ>
結局蟹は、元々二つのDNA。でcancerから蟹が消えた…だったのです。
今回もDNAで思いがけない発見。このように意外な繋がりを見つけながら楽しく英語が学べると良いですね。
See you soon!
Jiro
追伸:CAR ⇒ CARCROの変異は畳語(reduplication=音を少し変えた繰り返し)と言うもの。
例:日本語「滅茶苦茶、あっちこっち、時々、しばしば、人々、様々」。
英語bow-wow, again and again, TikTok
人や物の多さ、また繰り返す行為によく使われるとか。古代人が初めて見たのも「カニ」の群れ?
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員