英語の資料を探していて、ふと目に留まった。「英語アクセント魅力度・国別ランキング」。
「へ~!そんなものがあるんだ!」と目を通す。
外国語にはそれぞれの国の母国影響があり、それをアクセントと呼んでいる。日本人の話す英語は、ジャパニーズ・アクセント、米国人の英語はアメリカン・アクセントといった具合。
それぞれの国で話されているアクセントのある英語を32か国、約10,000人にアンケートして、どのアクセントが魅力的かをランク付けした資料だ。
第1位は、ダントツでブリティッシュ・アクセント
第2位は、アイルランド・アクセント。
第3位は、オーストラリア・アクセント。
第4位は、アメリカン・アクセント。
第5位は、フレンチ・アクセント。
それでは、日本人の英語、ジャパニーズアクセントは、何位でしょうか?
<日本人の話す英語は、高評価>
第10位は、インド人のアクセント英語。
それに続いて、ジャパニーズ・アクセントが、第11位にランクイン。
魅力度は、好き嫌いの問題なので、結果を言語的に分析するのは難しいが、世界の人々が好きなアクセントを知るには十分な資料となる。
ランクを見ると、世界で英語を話している人々は、アクセントの持つ魅力を楽しんでいる。
アクセントが分かりにくい、聞き取りにくいではなく、音やリズムを楽しんでいる。
目から鱗である。聞き取りにくい=ダメではないのだ。言葉本来の持つ響きやリズム、抑揚が、相手に与える印象が、魅力的だと素直に感じ取っている。
日本人はどうだろうか?アクセントが強い英語は、聞き取りにくいから苦手。アクセントのある英語はダメ、標準語を話さなければならないと思い込んでいないでしょうか。
そんな日本人の思い込みに反して、インディアン・アクセントが10位。ジャパニーズ・アクセントは、第11位と外国人にとっては、魅力的なアクセントとして評価されている。
<磨かれた言葉ブリティッシュアクセント>
魅力度第一位に輝いたブリティッシュアクセントについて、少し分析してみた。
統計によれば、世界で一番多く話されている英語は、ブリティッシュアクセントなのです。グローバルなビジネス英語は、実は、ブリティッシュ・アクセントです。
ヨーロッパで話されている英語は、もちろんブリティッシュ・アクセント。フランス人もイギリスのアクセントを話します。
一つひとつの言葉を強調し、はっきりと発音することで強弱をつけ、相手に伝わりやすくする工夫をイギリス人は、世界中の植民地で試してきた。
イギリスの大学は、貴族の教育から始まり、数学と古典語学(ラテン語やギリシャ語)は必修。7つの海を支配した大英帝国は、貴族の子弟を植民地の名誉ある地位に送り出した。
そこでの統治(リーダーシップ)は、困難を極めたと思うが、自らの言葉で語り、労働者を統治していったのである。少なくとも現地の責任者には、直接考えを伝え意思疎通をした。
古典語学で鍛えた語学力が役に立ったに違いない。
そして、イギリス人の英語は、意思を明確に伝える言葉として磨かれていったのである。
その過程で,ブリティシュアクセントは、現地人にも発音しやすく,理解しやすいアクセントに進化し,磨かれていったのだと思う。
<英語を話す人にとって日本人の英語は魅力的?!>
Japanese English は、英語を話す31か国のアンケートでは、魅力度が高いと評価された。
これはある意味、「な~んだ!嫌われていないじゃないか!」と安堵するところでもある。
日本語アクセントで堂々とスピーチを実施して、海外の人々を感動させた話は数多くある。
私の教え子にも、全部カタカナ書きしたような英語のスピーチで,最高評価を得た例もある。
英語をカタカナで日本語に置き換えていくという語法は,外国の文化を取り入れる際には有効だったが,言葉を話す際の方法論としてはふさわしくなかった。
江戸や明治時代の外来語は、耳から入った言葉が基準だった。カステラやてんぷらなど原語に近い発音だ。
日本人の英語教師の話す英語がお手本で、「聞く,話す」に関しては、原音を知らず、目の前の英語教師の発音が日本人の英語になった。それがジャパニーズ・アクセント。
しかし、そのジャパニーズアクセントでも、世界で英語を話す人々にとっては、魅力的だった。日本人の話す英語が、世界でも魅力的であるというのは、本当に心強い。
<ジャパニーズ・アクセントを堂々と話す>
このアクセントのランクを見ていて、アクセントは世界の英語を話す人々にとっては、悪いことでも、嫌われることでもないようだ。
母語影響のあるそれぞれの国のアクセント英語は、言ってみれば「私の出身は、日本である」という自己紹介になる。
相手が、あなたの英語を聞き、「日本人だ!」と認識し、日本について知っている知識、文化、風習、流行などを即座に思い出して、あなたに興味を示せば、最高の出会いとなる。
あなたも同じように、相手の出身が分かれば、相手の国の知識を総動員してコミュニケーションをしようとするだろう。
コミュニケーションは、相手の思いやりと情報のやり取りできまる。英語を話す、話せないという問題ではなく、人間として触れ合う機会が生まれる素晴らしさがある。
ここらで,自信をもって,日本語訛の英語を堂々と話してみてはどうだろうか。コミュニケーションが芽生え、きっと、あなたの魅力も倍増すると思う。
執筆家・英語教育・生涯教育実践者
大学から防衛庁・自衛隊に入隊。10年間のサバイバル訓練から人間の生について考え、平和的な生き方を模索し離職を決断する。時を同じくして米国国費留学候補者に選考され、留学を決意。米国陸軍大学機関留学後、平和を構築するのは、戦いを挑むことではなく、平和を希求することから始まると考えなおす。多くの人との交流から、「学習することによって人は成長し、新たなことにチャレンジする機会を与えられること」を実感する。
「人生に失敗はなく、すべてのことには意味があり導かれていく」を信念として、執筆活動を継続している。防衛省関連紙の英会話連載は、1994年1月から掲載を開始し、タモリのトリビアの泉に取り上げられ話題となる。月刊誌には英会話及び米軍情報を掲載し、今年で35年になる。学びによる成長を信念として、生涯学習を実践し、在隊中に放送大学大学院入学し、「防衛省・自衛隊の援護支援態勢についてー米・英・独・仏・韓国陸軍との比較―」で修士号を取得、優秀論文として認められ、それが縁で定年退官後、大規模大学本部キャリアセンターに再就職する。
修士論文で提案した教育の多様化と個人の尊重との考えから、選抜された学生に対してのキャリア教育、アカデミック・アドバイジングを通じて、キャリアセンターに新機軸の支援態勢を作り上げ、国家公務員総合職・地方上級職、公立学校教員合格率を引き上げ高く評価される。特に学生の個性を尊重した親身のアドバイスには、学部からの要求が高く、就職セミナーの講師、英語指導力を活かした公務員志望者TOEIC セミナーなどの講師を務めるなど、大学職員の域にとどまらぬ行動力と企画力で学生支援と教員と職員の協働に新たな方向性をしめした。
生涯教育の実践者として、2020年3月まで東京大学大学院教育研究科大学経営・政策コース博士課程後期に通学し、最年長学生として就学した。博士論文「米軍大学における高等教育制度について」(仮題)を鋭意執筆中である。
ワインをこよなく愛し、コレクターでもある。無農薬・有機栽培・天日干し玄米を中心に、アワ、ヒエ、キビ、黒米、ハト麦、そばを配合した玄米食を中心にした健康管理により、痛風及び高脂質血症を克服し、さらに米軍式のフィットネストレーニング(米陸軍のフィットネストレーナの有資格者)で筋力と体形を維持している。趣味はクラッシック音楽及びバレエ鑑賞。
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