おはようございます。
木曜日のCozyです!
あなたは,こんなこと思ったことはありませんか。
「イギリス英語とアメリカ英語って,どうしてあんなに違うんだろう?」
私たちが普段,何気なく使っている言葉「アパート」だって,
アメリカでは “apartment” ですが,イギリスでは “flat”といいます。
他にも,「エレベーター」はアメリカで “elevator”ですが,イギリスでは “lift”。
地下鉄は,アメリカでは “subway”だけど,イギリスでは “tube”です。
こんな風に,同じ英語でもアメリカとイギリスでは言い方が違ったりすることって,よく聞きますよね。
でも,「同じ単語なのに,意味が違う」というパターンもあるんです。
それってどんな単語だと思いますか?
―パンツ一丁から世界へ!あの芸人から学ぶ英語!?―
イギリスの超有名なオーディション番組,
“Britain’s Got Talent”,BGTをご存知でしょうか。
アメリカでは,”America’s Got Talent”, AGTとして開催され,
今や日本でも“Japan’s Got Talent”が放送されているなど,
世界各国で開催されている超人気番組です。
日本の有名なお笑い芸人である,
x
「とにかく明るい安村」さんが,
“Britain’s Got Talent”で一躍有名になった,あの番組です。
パンツ一丁の姿で,
「安心してください。履いてますよ!」
がお決まりの文句。
日本ではそれで大人気となり,イギリスでも審査員から
「天才的にバカバカしい」と大好評。
またたく間にイギリスでも有名人となりました。
イギリスの番組に出た当初,彼は日本と同じように,
“Don’t worry. I’m wearing!”
と,言ってパンツを指さしていましたが,次第に
“Don’t worry. I’m wearing!”
に続いて,観客が大声で
“pants!”
と叫ぶようになったんですよね。
これは,イギリス英語だからこそ。
“wearing”(着ています,履いています)のあとには,通常
「何を着て(履いて)いるか」
という目的語が必要になります。
だから,観客は
“I’m wearing”のあとに, “pants!”と叫ぶのですね。
もちろん,この “pants”,イギリスでは「下着」を意味しています。
でも,これがアメリカだとどうでしょう?
実は,彼は America’s Got Talent : AGTにも出演しています。
このときはアメリカでの初披露。
“Don’t worry. I’m wearing.”のあとに観客は,言葉というよりも歓声で応えています。
これがもし,「下着」を意味する言葉だったら…
アメリカでは何と言っていたでしょう。
アメリカで “pants”は「ズボン」を意味するので,
“underwear”(下着)
または
“briefs”(ブリーフ)
のように言っていたかもしれませんね。
日本でも,今はズボンのことを「パンツ」という人も多いですが,
イギリスでは「下着」になるので注意しましょう。
―アメリカ英語とイギリス英語,なんで違うの?―
「ゴミ」はアメリカで “garbage”,イギリスでは “rubbish”。
「駐車場」は,アメリカでは “parking lot”,イギリスでは.”car park”。
同じ英語なのに,なんでこんなに違うんでしょうね。
アメリカの英語は,もともとイギリスから移住してきた人々の言葉なのだそう。
つまり,ルーツはイギリス英語なんですね。
大まかに言うと,アメリカ英語は
「アメリカ独自の発展を遂げる中で,表現や意味,発音までもが変化していった」
ということなのです。
だから,同じ英語でもところどころ違いがあるんですね。
―同じ単語なのに意味が違う!?―
今度は「同じ単語なのに,違う意味」があるんです。
それが “smart”。
“He is so smart.”
というと,多くの人が「彼はとても賢い」と訳すと思います。
実際,アメリカ英語では“smart”は「知的な」「頭が良い」という意味で使われます。
以前,私もハワイでこんな経験をしたことがあります。
ある日,コンビニで支払いのとき,うっかりポイントカードを出してしまった私。
思わず
“Oh, I’m such an idiot.”
(あ,バカだなぁ)
と言った私。
すると,レジの店員さんが笑顔でこう言ってくれたのです。
“No, you’re not. You ARE smart!”
(そんなことない。あなたは賢いよ)
ちょっとした失敗を笑い飛ばして,しかも「あなたは賢い」と返してくれる。
なんだかアメリカ人のポジティブなコミュニケーションの良さを感じた瞬間でした。
でもこの会話がイギリスでの会話だったら,“smart”の意味がちょっと変わってくるかもしれないんです。
もちろんイギリス英語でも,“smart”を「賢い」という意味で使うことはあります。
ただ,それ以上によく使われるのが
「服装がきちんとしている」「おしゃれな」「小綺麗な」
という意味。
たとえば,
“Your jacket is very smart.”
と言われたら,
「あなたのジャケットは綺麗だね」
のような意味。
“She looks smart in that dress.”
(彼女のドレス姿,とても上品に見えるね)
のように使うんですね。
だから,
“You look very smart today.”
と言えば,
「今日はとてもおしゃれですね」
という意味になります。
もし,イギリスのお店のレジで
“You ARE smart!”
と言われたとしたら,
それは「あなた賢いね」ではなく,
「あなた,小綺麗な格好だね」
「あなた,キマってるね」
という意味だったかもしれません。
この意味の違い,意外と知らない人も多いのではないでしょうか。
そういえば,日本では一昔前,
「スマート=細い,スタイルが良い」
として使われていました。
もしかするとこの感覚は,イギリス英語の“smart”,つまり
「身なりが整っている」「きちんとしている」「小綺麗な」
から来ているのかもしれませんね。
英語の言葉は,たった一語でも国や地域によってニュアンスが大きく変わることがあります。
“You ARE smart!”と言われた私。
「賢い」「利口な」という意味以外をあまり知らなかった私は,
「あなたは賢い」
と褒められた,ニンマリとしました。
でもこれがロンドンだったら…
私は「賢い」と言われたと思いつつ,実際は
「あなた,おしゃれね」
という意味だったのかもしれません。
そして,そんなことに気づかずに
「ふふふ,賢いって言われちゃった」
と,違う意味でニヤニヤしていたのかもしれません。
まあ,どちらも褒められていることには違いないのですけどね。
言葉を学ぶって,面白いけど複雑。
でもやっぱり面白い!
私は完全にアメリカ英語に慣れているのですが,
あなたはどの国の英語に慣れていますか?
それを知ったうえで,いろんな英語を学習するのも大切な気がします。
“smart”という一語から,そんなことをしみじみ感じた今日このごろでした。
それでは,
See you next week〜♬
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。