Hey!guys.
月曜日のSwatchです。
今回は、「気を付けて」を英語にした時の表現を紹介します。
日本語で気を付けてと言うと、色々なシチュエーションで使えます。友人との別れ際に、「気を付けてね」と相手のことをかるく気遣い、別れの挨拶に、また、目の前に水たまりがあった時にも、「気を付けて」と声をかけます。
日本語の気を付けての表現には、頭を使って対処してくださいと言う考えが含まれています。
最近、天候不順で、気温の日較差(にちかくさ:一日の気温の差)が10度にもなる日がありますが、そんな天候で、「風邪に気を付けてね」と言うつもりで、辞書に載っている表現で、
“Take care not to catch a cold”
といったら、笑われてしまいました。
<Be careful to not catch a cold!ってどんな意味になるの?>
Swatchの若い頃の英語修業は、ひたすら英語の表現を辞書で調べ、暗記すること。それを六本木で出会った外国人に話しかけ、通じるかどうかを確かめる英語武者修行でした。
その日も、仕事を終え、スポーツクラブで汗を流した後、六本木の街に繰り出しました、行きつけのBar Restaurantには、外国人の姿がちらほら。
3月の桜が咲く前の時期、雨がしとしとと降りだしました。友人のアメリカ人のビジネスマンは、小雨の中、傘もささず、タクシーを拾いに外へ出ていくところでした。
そこで、Swatchは、咄嗟に気の利いたことを言おうと思い「風邪ひかないようにね」というつもりで、
“Be careful to not catch a cold”
と友人に声をかけたのでした。
友人は振り向いて、満面の笑顔で、
“Thank you very much!”
と言葉を残して街中に消えていきました。
Swatchとしては、なかなかカッコよく声掛けができたと自己満足していました。店に残った外国人とグラスを傾け、英語を話せるカッコよさの余韻にしたっていました。
すると、友人は、去っていった友人は、「皮肉がきついてね」といったのです。「え?皮肉?どういうこと?」と聞くと、“Thank you very much!”は、皮肉だというのです。
日本語にすれば、「ご配慮、誠にありがとうございます」という感じ。
その原因は、私が返っていく友人にかけた“Be careful not to catch a cold!”にあったようです。
“be careful”は「気を付ける」という意味のですが、それは危険な状況に注意を払うことを言うのだそうです。風邪を引かないようにという配慮は伝わっていると思いますが、、、
彼にとっては、危ないことを、子どものように注意されているように感じたのではないかと思いました。風邪を引くことが、「危険なこととか大変なこと」とかは、他人に言われなくても良いのです。
ちょっとしたミスコミュニケーションです。
<風邪に気を付けてと言いたいなら、この表現>
友人と話をしながら、英語の論議をすることは、言ってみればSwatchにとっては至福の時間。
美味しいお酒も手伝って、話に熱を帯びていきます。
雨の中に消えたbusinessman / ビジネスマン(重役)は、人に指図をされるのは、嫌がるタイプ。
常に自分を律し、ある美学をもって人生を歩んでいる人物。
そんな自律した人物に、「気をつけなさい」“Be careful”は失礼だったよね、と口角泡を飛ばすSwatchをやさしく英語を教えてくれるアメリカ人の友人も。自分の日本語の失敗談を話してくれる。
そんな会話を交わしながら、件(くだん)の「風邪に気を付けて」の表現をおしえてくれた。
英語ネイティブなら、“Be careful not to catch a cold!”とは言わない。
“Try not catch a cold”
「風邪に気を付けて」
を使うとネイティブらしい表現だそうだ。
なるほどね。英語では、あくまでも風邪を引くのは自分から引くという表現を使うんだ。
風邪を引くのも自分の責任。日本人のように、風邪のウイルスに感染したり、うつされたりという感覚がないということか。
その他にも、“Don’t catch a cold!”直接的に「風邪を引かないで」という表現もありだという。
”You don’t want to catch a cold”と言う表現も出てきた。
これらの表現は、ネイティブらしい「風邪に気を付けて」と配慮する表現ではあるが、やはりTPOにあわせて使うべきであると、barでの話は続く。
<Take care!で、さわやかにお別れを‼>
Swatchは、咄嗟に気の利いたことを言おうと思い「風邪ひかないようにね」というつもりで、“Be careful to not catch a cold”と友人に声をかけた。
その目論見は、崩れ去り、“Thank you very much!”とsarcasm(皮肉)で友人に切り返されたというお話、笑い話です。
それでは、外国人とさわやかに別れの挨拶をするには、どのような表現が良いでしょうか。友人とのBarでの会話は続きます。
別れ際に、相手のことを心配したり、特別の配慮をするのは日本人的な行為だと、友人は言う。
アメリカ人は、軽く、明るく別れを演出するらしい。
すぐに会うわけでもないのに“See you later”「じゃあ、また」とさよならを言う。
以前にも紹介したが、「後ほど、会いましょう」という意味では決してない。
もっとカジュアルに言いたければ、“See you!”さらに軽やかに“See ya!”で決めても良い。
それでも、少しは日本人的に、「気を付けてね」と言いたければ、とっておきの表現がある。
“Take care!”である。これで、Swatchも納得する。
“I gotta go!”
(行かなくちゃ)
“Take care, Jonny”
(気を付けてね、ジョニー)
これで、さわやかにサヨナラの挨拶ができます。
“Try not to catch a cold!”が意味的には、「風邪に気を付けて」がしっかり伝わる表現であっても、Swatchのようにいきなり声をかけるのは、避けていただきたいですね。
Swatchの犯した失敗を笑うだけではなく、そこから日本人の持つアメリカ人の考え方のずれを知っていただければ嬉しいです。
執筆家・英語教育・生涯教育実践者
大学から防衛庁・自衛隊に入隊。10年間のサバイバル訓練から人間の生について考え、平和的な生き方を模索し離職を決断する。時を同じくして米国国費留学候補者に選考され、留学を決意。米国陸軍大学機関留学後、平和を構築するのは、戦いを挑むことではなく、平和を希求することから始まると考えなおす。多くの人との交流から、「学習することによって人は成長し、新たなことにチャレンジする機会を与えられること」を実感する。
「人生に失敗はなく、すべてのことには意味があり導かれていく」を信念として、執筆活動を継続している。防衛省関連紙の英会話連載は、1994年1月から掲載を開始し、タモリのトリビアの泉に取り上げられ話題となる。月刊誌には英会話及び米軍情報を掲載し、今年で35年になる。学びによる成長を信念として、生涯学習を実践し、在隊中に放送大学大学院入学し、「防衛省・自衛隊の援護支援態勢についてー米・英・独・仏・韓国陸軍との比較―」で修士号を取得、優秀論文として認められ、それが縁で定年退官後、大規模大学本部キャリアセンターに再就職する。
修士論文で提案した教育の多様化と個人の尊重との考えから、選抜された学生に対してのキャリア教育、アカデミック・アドバイジングを通じて、キャリアセンターに新機軸の支援態勢を作り上げ、国家公務員総合職・地方上級職、公立学校教員合格率を引き上げ高く評価される。特に学生の個性を尊重した親身のアドバイスには、学部からの要求が高く、就職セミナーの講師、英語指導力を活かした公務員志望者TOEIC セミナーなどの講師を務めるなど、大学職員の域にとどまらぬ行動力と企画力で学生支援と教員と職員の協働に新たな方向性をしめした。
生涯教育の実践者として、2020年3月まで東京大学大学院教育研究科大学経営・政策コース博士課程後期に通学し、最年長学生として就学した。博士論文「米軍大学における高等教育制度について」(仮題)を鋭意執筆中である。
ワインをこよなく愛し、コレクターでもある。無農薬・有機栽培・天日干し玄米を中心に、アワ、ヒエ、キビ、黒米、ハト麦、そばを配合した玄米食を中心にした健康管理により、痛風及び高脂質血症を克服し、さらに米軍式のフィットネストレーニング(米陸軍のフィットネストレーナの有資格者)で筋力と体形を維持している。趣味はクラッシック音楽及びバレエ鑑賞。
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