コロナが明けて、生まれて初めて日本に行った!というニューヨーカーの友人に、初めての日本のフレッシュな感想を、色々と聞いてみたシリーズ。
これまで、印象に残っていたことで出てきていたのは、
1、街が見事にきれい。
2、トイレなどのインフラの充実がハンパない。
3、タクシーのレベルが高い。
4、東京の公共交通網のもの凄さ。
5、温泉文化。
6、スーパーマーケットの、野菜や果物の新鮮さ、種類の多さ。
そんなところを上げてもらっていましたが、
日本の素晴らしいところは、まだまだ続くと言うので、もうちょっとだけ、お付き合いください〜。
印象に残ったその7は、
ー人種差別がない。ー
なんと、人種差別がない。
これは、私もそう思うので、なんとも、複雑な気持ちです。
日本で普通に生活している時には、「人種差別」など、全く海の向こうの話のような気がしていましたけれど、自分が実際にその真っ只中(アメリカ)に入ると、自分が有色人種であることを、非常に感じる出来事が、多々あります。
「嘘でしょ?日本人がアメリカで人種差別されるの?」と思われる方もいると思いますが、実際はそうです。われわれは、有色人種、にカテゴリー分けされています。
アメリカは、まだまだ白人が勢力を持っている国です。特に、トランプ大統領になった後、彼自身が人種差別主義者であることを隠そうとしていませんから、それに従う人たちが、堂々と差別をするようになり、暴力事件等含め、人種差別は目に見えてひどくなっています。
同朋意識が強いのは、人間として普通のことだと思うし、当たり前と言ってもおかしくないのですが、もし自分の心を穏やかに保つことができれば、他の、同胞以外の人々にも優しく接することができるのではないか、と思います。そういう人たちが、特に若者が、増えていけば良いのに、と心から祈ります。
そう、そんな人種差別が日本ではないのが、とても印象的だったようです。
ー運転代行サービスー
その8は、運転代行サービスの存在。
なるほど。確かにこれは、アメリカでは、聞いたことありません。何故かと言うと、アメリカでは、軽く一杯なら運転しても良い、と言うふうに黙認されているからだと思います。
普通に考えても、ガソリンスタンドでビールやワインをボックスで売っていたり、ガソリンスタンドに、お酒の安売りの宣伝が大きく堂々と書いてあったり、どう考えても、お酒と車の運転は、ここではかけ離れたものではない雰囲気なのです(笑)。
アメリカ合衆国では、一旦都市部を離れれば、ほとんどの州では公共の交通網がないので、近所のバーに飲みに行くにしても、そこが何マイルとか離れていれば、自分で自家用車を運転して、バーに飲みに行きます。アメリカの映画などにはよく出てきますが、それが普通です。
飲酒運転を完全に禁止してしまうと、アメリカ中のそういう人々が、飲みに出かけられなくなってしまいます。
でも、もちろん、横断歩道を渡る時と一緒で、全てが、自己責任です。
日本では、ノンアルコールビールというのも、すごく人気があるらしい、と言ってみたら、
「アルコールが入っていないビールを、なぜ飲む必要があるの?」
と質問されてしまいました(笑)ふむふむ。
ー屋外でもお酒が飲めるー
その9は、屋外でもお酒が飲める自由の国、ニッポン
これは、「お花見」が良い例です。美しい桜、そしてその満開の花の下で、桜の花びらを愛でながらの一杯。サイコーですよね、それが、アメリカでは許されないのです(笑)
アメリカでは、公衆の面前で飲酒をしてはいけない、と言う決まりが、ほとんどの州にあるようです。多分、これは、宗教的な教えから来ているものと思われます。
50州もあるアメリカ合衆国の中で、たった2州、2カ所だけ、屋外での飲酒が許されているのは、ネバダ州ラスベガスと、ルイジアナ州のニューオーリンズだけと聞きます。
日本では、街のあちこちにあるコンビニで、持ち運びに便利な小さな瓶や缶やカップに入った、あらゆる種類のお酒が置いてあるのにも、感激したそうです。そして、値段も安いと。
そのまま、気の合う仲間と近くの公園に行けば、そこでパーティーが始められそうだと。日本て、なんて平和な、治安の良い国なんでしょう。
「はじめてのニッポン」シリーズはまだつづきます☆
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。