2020年から始まったパンデミックも何とか収まり、観光も元に戻りかけている、ニューヨークです。
まだまだ各地では、コロナの影響で空き店舗になってしまい、その後、急激なインフレでレントが値上がり、空き店舗のまま、という場所も多いものの、タイムズスクエアなどは、観光客を当て込んで、通常近くに戻って来ています。
ニューヨークからも、以前のような感じで、日本へ帰省できるようになりました。この夏までは、飛行機代がとても高かったのですが、夏以降、少しずつ「ニューヨークー日本便」も羽田空港行きが増発されたり、日本観光の人気の高さもあってか、お財布に優しく戻りかけているようです。ありがたいことです。
今回は、周りで日本へ行ってきた!と言う声が多いので、お土産は置いておいて、自分のために日本で何を購入してきたのか、聞いてみました。
まず思った事は、人それぞれだなぁ!ということです。
衛生用品が第一に上がる人もいれば、とにかく日本の食品に軍配が上がる方もある。ファッション関係をトップに仰る方もあれば、とにかく日本の酒、と言う方もある。なるほど、いろんな方が世の中にはおられるなぁと、実感した次第です。
それではまずは、
マツモトキヨシ系
歯間ブラシ、携帯用歯ブラシの透明なチャック付きのポーチに入ったやつ。携帯用の歯ブラシキャップ。日本のフロス。女子は生理用品。
確かに、これらのものは、日本製品が世界で1番良いんじゃないかと思う位です。製品がよくできていて、デザインが良くて、衛生的に保てる。日本にお住まいの方々にとっては、どこにでも売っている、当たり前のものだとは思うのですが、アメリカでは、こういうものがそうは簡単に手に入らないのです。
ベープマット、と言う方もありました。この方は、お庭付きの家に住んでおられます。というのも、マンハッタンのアパートですと、普通、蚊はいません(笑)
あと、季節ものですが、貼れるホッカイロのミニ、これも素晴らしい商品です。寒い寒いニューヨークでは、ほぼ手に入りません。
日本の美味しいもの
茅乃舎の出汁が1番に上がっていました。茶碗蒸しの素とか、洋風だしとか、やはり海外に長く住んでいると、日本の出汁関係のものは、大変に貴重です。
もちろん、日本食スーパーはあるので、高級ですが、出汁昆布や削り節を購入して、それで出汁を取ったりもします。
※注 茅乃舎はアメリカにもできたのですが、値段が高いそうです。
レトルトのカレーを、持って帰ってくるという方もありました。ただ、肉類は、エキスが入っているだけでも、持って来れないそうです。ベジタリアンのココナッツカレーとか、肉類のエキスが入っていなければ、大丈夫みたいです。
日本のカレーは、インドカレーとはまたちょっと違って、おいしいですよね。
手作りの味噌や塩麹、と言うのもありました。お母さんが作ってくれたり、ご近所の方からいただいたりというありがたいもので、こればかりは、どれだけニューヨークでお金を積んでも、手に入りませんものね。
デパ地下系の保存のできるお惣菜
おいしい塩昆布や塩分少なめハチミツ梅干し。錦松梅とか、佃煮類。それからちょっと変わった調味料の類い、おいしい七味唐辛子や、山椒。つき胡麻等々。おーいお茶などの冷水用のお茶、それから上等な新茶。
また、食品ではありませんが、キッチン関係ということで、台所ツール。
私は、今回細切りキャベツにするツールを手に入れました。アメリカでこういうものを買っても、大概すぐに使えなくなったり、使いにくくなったり、壊れたりします。
日本のものは廉価ですのに、本当によくできています。そうそう、忘れてはいけないのは、包丁です。私は日本へ行った際はよく包丁を購入します。鋼を作ることに関して、日本の刀の文化の歴史は長いもので、鋼職人さんのお話など聞くと、感動します。
ファッション系
お洋服、靴、カバン、何をとっても、品質から縫製、色合い、デザインに至るまで、日本のものが最高だと多くの方がおっしゃいます。これは私も同感です。とにかく繊細で、使い心地がよく考えられている。
日本人は、本当にものづくりにかけて、天才的だと思います。バスタオルやスニーカー、メガネなども、このジャンルに入りますね。
お酒・日本酒
最近は、マンハッタンの酒屋さんでも、日本酒が手に入ることもありますが、まだまだ数が少なく、大変に値段が高いです。焼酎はまだ需要が少ないようで、限られた日本酒お取り扱いの酒屋でしか、それもごく少ない銘柄しか手に入りません。
日本食レストランで日本酒を頼むと、グラス一杯で、簡単に2000円超えてしまいますので、どうしても日本酒好きには、日本から好きな銘柄を持って帰って、それをNew Yorkでちびちびといただく、と言うことになります(笑)
それでも、この30年間の間にずいぶんと、ニューヨークに住むアメリカ人の食生活も、変わってきたと思います。最近では、箸をうまく使えないアメリカ人は、稀になってきました。
外国に住んでみると、自分の国の良さが本当に隅々まで見えてきて、ありがたいことです。
飛行機代がもうちょっと安くなってくれれば、また日本に行けるのになぁ!と思いながら過ごす毎日ですが、でも自分で選んだ道なので、ニューヨークで頑張っております。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。