今回は、コロナ禍11ヶ月が過ぎた、今のNY生活の身近な様子をお届けしたいと思います。
※タイトル画像は、最近病院で見かけたかわいいサインです。
NYのバレンタインデー
2021年、年が明け、あっという間にバレンタインデーも過ぎました。ニューヨークでは、ご主人が奥さんに花束を持って帰ったり、そんな感じが普通のバレンタインデーでしたが、今年はリモートワークの方も多く、昨年のクリスマスと同じ感じで、静かなバレンタインだったようです。
日本のように女性からチョコレートを贈るとか、義理チョコとか、西洋にはそういう習慣はありません。もちろん、ホワイトデーも、西洋には存在しません。日本独自の文化も、面白いものがありますよね。普段は告白を待つことが多い女性も、この日ばかりは自分から主体性を持ってアタックできるなんて、なんてロマンティックな事でしょう。
西洋では365日そんな日々ですから(笑)、日本女性のつつましやかな364日間は、そういう気持ちもなかなか言い出せなくて、と言う文化が、とても素敵に思えます。
コロナによる死亡者数50万人越え
本日2021年2月21日(月)、アメリカでのコロナによる死亡者が、50万人を越しました。ホワイトハウスではバイデン大統領が追悼の挨拶を述べ、そしてガーデンでは追悼式が行われ、アメリカは、信じられない悲しみに包まれました。
米国の総人口は3億3000万ぐらいですから、日本の3倍もおらず、人口密度が低い中での死亡者数なのですが、対して、日本でのコロナ死亡者数が8,000人にも達していないと言うのは、本当に素晴らしいことです。日本の政府や人々、医療関係の方々は、世界でもトップクラスで、このパンデミックを頑張っておられると思います。人間の命の尊さを、深く感じる今日この頃です。
昨年3月半ばのロックダウン以来、ここニューヨークは少しずつ小売店が開いたりはしていましたが、多くの店が既に採算取れず、クローズしました。飲食店は屋内営業がなかなか許可にならず、ほとんどしまったまま。やっとこの2月末から、25%の収容人員で屋内営業が認められ、夜も11時までの営業が許可されます。11ヵ月ぶりの外食が楽しめるのも、少しずつ春の訪れとともに、New Yorkらしさが戻ってくるのでしょうか。
食材はコストコのデリバリーで
マンハッタン、サイドウォークには以前の寒波の雪が残り、今日も午前中はひどい吹雪で道は凍っていますが、私のベッドルームの窓際にあるプランツは、冬の間のヒーターの影響も少しはあるかも、でもニューヨークの冬の暖かな陽がたくさん差し込んで、すくすくと天井にくっつきそうな位、育っています。
後は、毎日の食事。1番大事なものですね。ほとんどがコストコのデリバリーです。大きすぎてコストコはちょっとね、っておっしゃる方も多いのですが、にんじんやざくろのジュース、プレーンヨーグルトやバターなども、良いものがとても安く手に入ります。
野菜類や鶏肉等もオーガニックを選べますし、トマトやオニオンは大きな無水鍋でどーんとシチューなど作って冷凍でストックしておきます。ベビースピナッチはちょっと火を通せば小さくなってしまうし、アスパラガスはオーブンのブロイラーで5分ぐらい焼いてヒマラヤのピンクソルトをグラインドしてふれば、おいしくてすぐに食べ切ります。
全粒粉でくるみとレーズンがいっぱい入った防腐剤無添加の、ちょっとドイツ風の固めのパンとか、定番のクラシックなオートミールの大箱、コーヒーに至ってはグラインドされたコロンビア産のフレンチローストが結構美味しくて、近所のお店の半分以下の値段で手に入ります。
以前にも書きましたが、この辺にはトレーダージョーやホールフーズ等、素敵なスーパーマーケットもあるのですが、コロナ禍の現在では、入るのに長い列に並ばなければならず、このところ毎日氷点下のニューヨークではなかなか厳しいです。
なので、コストコのデリバリーは、チップを払うといっても、とても良心的なのでありがたく、毎週利用させてもらっています。
運動はYoutubeで
運動不足の解消は、もっぱら部屋の中YouTubeです。ストレッチやジャズダンス系、ヨガに至るまで、あらゆるエクササイズが網羅されていて、ありがたいことこの上ないです。中にはお年寄り向けの体操教室まであって、椅子に座ったままストレッチができたり。飛んだり跳ねたりするスペースがなくても、結構身体を動かせますね。
そのうち未来には、AI でクルマの自動運転ができてる位だから、もうすぐホログラムで自分の目の前にトレーナーさんが現れたりするようなビデオとかマシンとか、出て来るのかもしれませんね。
アパートメントビルのありがたみ
長い自粛生活で、いろいろ考えたり、思い返したりしている中、今住んでいるこのアパートメントビルディングでとても助かっている事を思いました。
ひとつ目は、冬の寒い時期、ニューヨークはどのビルもそうなのですが、セントラルヒーティングで、各部屋が自動的に暖かいこと。2番目は、ドアマンがいてセキュリティーがしっかりしていて、ドアマンが郵便受けに入らない大きさのものは受け渡ししてくれること。そして3番目は、ゴミをいつでも出せることです。
廊下やロビーの清掃も滞りなく、とても快適な生活が送れています。この点は、もちろんこんなアパートばかりではないので、自分がラッキーだと思います。たまたま現在の管理会社が、しっかりしているからです。(そうじゃないビルディングも、実はたくさん見てきました。)
どれも、普段当たり前になってしまって、あまり思うことはなかったのですが、この自粛生活の中で思い返すことができました。
今こんな感じで元気に暮らしています。いろいろ心配してくださった皆さん、本当にありがとう。今回は今の私の生活を描いてみました。もう少し、ここニューヨークでがんばりますね。コロナが落ち着いて、ジャパンツアーでお会いできる時を楽しみにしています。
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。