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変わる日本の英語教育①

World Lifeな生活
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このWorld Lifeを読まれている皆様の年齢層は様々かと思います。

そこで,皆様,特に30代後半以上の方々に思い出していただきたいことがあります。

「皆さんが中学生だったころ,学校での英語の授業はどのような感じでしたか?」

コミュニカティブで実践的な授業でしたか,それとも,Reading Writingの文法中心の授業でしたか。

多くの人にとっては,日本の中学での授業は後者のパターンが多いかもしれません。

スピーキングに力を入れていた学校は少ないのではないでしょうか。

私が中学生だったころの授業では,「声を出す」のは先生が,

「リピートアフターミィ~」

と言って,教科書の文章を先生のあとについて読む時くらいでした。

ですので,スピーキングは皆無でした。

余談ですが,当時,私の中学使っていた教科書には芥川龍之介の「蜘蛛の糸 “The Spider’s Thread”」が収録されていました。

それを先生の後についてリピートするのですが,先生が「お釈迦様」のことをずっと

「ザ・ブダハ」と読み続けるのです。

「ん?違うんじゃない?」と思った私は,

「お釈迦様のことは『ブダハ』なのですか?発音記号が違うみたいなんですけど」

と,先生に質問。

Buddha “h”はサイレントなので,発音記号は【bú(ː)də】。カタカナにすると「ブダ」)

でも先生は,「ブダハはブダハ。そう書いてあるじゃないか!」。

まあ!何という回答でしょう(笑)

心の中では「え~,違うと思う」と思いつつも,それ以上は言えませんでした。

だって,革ジャンを着てハーレーに乗りながら怒鳴ってくるような怖い先生だったのですもの。

 

さて,話を戻しましょう。

文法指導や読み書きの中心だった中学の英語が,今,変わろうとしているのをご存知でしょうか。

「英語が使える日本人の育成のための戦略構想」

ここからはちょっとまじめなお話。

日本の英語教育は,長年,文法中心,読み書き中心と言われてきました。

「英文は読めばある程度の意味はわかるけど,話せないし,使えない。」

そう実感している人も多いと思います。

それを打破するために,文部科学省は2002年,「これからの国際化社会を生き抜く人材育成」として「英語が使える日本人の育成のための戦略構想」を発表し,その翌年,「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」を策定しました。

小学校での英語活動を必修化したり,ネイティブスピーカー指導者を増員し,日本人の英語教員の研修機会を増加したり,そして大学センター入試にリスニングテストを導入するなどを実施してきました。

しかし

2020年,戦後最大規模と言われる「教育改革」

「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」から18年。

まだまだ公立の学校で「英語が使える日本人の育成」ができているかと問われれば, “Yes”とは言いづらい状況です。

しかしながら,国は「グローバル化に対応できる英語教育」を諦めてはいません。

実は昨年より,「2020教育改革」として,あらたな改革がスタートしているのです。

延期となった計画もあるなど一筋縄ではいかない部分もありますが,しかし,「3つの柱」を中心に,着実にこれまでとは違う教育スタイルを築こうとしているのです。

「教育改革の3つの柱」

1.新学習指導要領の導入

2.大学入試改革

3.英語教育改革

まずはそれぞれを簡単に説明させてくださいね。

1.新学習指導要領の導入

教育に携わっていらっしゃる方はよくご存知かと思いますが,「学習指導要領」とは,全国どの地域で教育を受けても,一定の水準の教育を受けられるように学校教育法などに基づいて文部科学省が定めた「基準となるカリキュラム」のこと。

戦後から,約10年ごとに改定が行われてきています。

今回の教育改革で,小学校では昨年の2020年度,中学校では2021年度から新学習指導要領による学習がスタートしており,高校では来年度の2022年度からスタートします。

特に今回は,子どもたちの「生きる力を確実に育むこと」を目指して,「学校で学んだことを,自分の人生を切り開く力にする」,という目標ことが掲げられています。

これまで能動的なスタイルが中心となっていた授業も,「アクティブ・ラーニング」を取り入れ,グループディスカッションやディベートなどの学習方法を導入。

自分の意見を表現したり,他者の意見を受け入れたりするトレーニングを行うなど,社会的能力や経験,教養を自ら学ぶスタイルを取り入れています。

2.大学入試改革

皆様ご承知のように,従来の大学入試センター試験が廃止され,今年から「大学入試共通テスト」となりました。

本来は,国語や社会などでの記述式問題や,英語の4技能試験の導入が表明されていましたが,いずれも採点方法や公平性などの観点から,現段階では延期となっています。

しかしながら,今年行われた大学入試共通テストの英語では,これまで必ず出題されていた「単語の発音・アクセント」の問題はなくなり,使用語彙はこれまでよりも4割も増加しました。

さらにリスニングでは,これまで50点だった配点は100点に引き上げられ,問題数も大幅増加。2回繰り返して読まれていた英文も,半数以上が1回のみとなる等,いかに瞬時に理解できるか,という内容となっています。

これは,本来4技能で評価したかった部分を,出来る限り3技能で測るようにするための策だと考えられます。

もともと,新学習指導要領に掲げられている「思考力・判断力・表現力」の評価に対応する試験の実施の一つとして,試験に「スピーキング等の導入」が検討されているのですから,

最終的にはスピーキングテストは必ず導入されるでしょう。様々な問題点が解決されるまでは,今後も試験内容や実施内容が大きく変更となる可能性は十分に考えられます。

すでに2024年度には,この大学入試共通テストの大幅見直しも予定されていますし。

3.英語教育改革

英語教育改革は,教育改革の中でも最も力を入れている一つです。

大まかに言えば,

・これまで5・6年生で実施していた「外国語活動」は,3・4年生からスタートします。

・5・6年生の英語は正式な「教科」として導入。

・中学の授業は基本的に全て英語で行う。

・高校では英語でディベートしたり,自分の考えを英語で発表したりする。

となります。

~小学校3・4年生~

年間35時間(週1~2回)の外国語活動となり,「英語に慣れ親しむこと」を目標としています。英語で「聞く」,「話す(やりとり)・話す(発表)」の2技能3領域のコミュニケーション中心の内容となりますが,あくまでも慣れ親しむための「活動」なので成績には反映されません。

~小学校5・6年生~

英語が算数や国語と同じように「教科」となるため,成績がつけられるようになります。そのため目標習得語彙数が設定され,その数は600語~700語となります。

年間授業時間は70時間(週3~4回)となり,3・4年生の倍の授業数となり,「読む」「書く」の技能も追加されます。Be動詞,一般動詞,疑問詞,助動詞など,これまで中学1年で学習してきた文法などを学ぶようになります。

~中学校・高校~

【語彙数の大幅増加】

・これまで中学3年間で目標としていた習得語彙数は1,200語でしたが,2021年度からは1,6001,800語と大幅に増加します。さらに,小学校5・6年生で習得する600700語はすでに習得済みであるという前提で授業がスタートします(各教科書で移行措置あり)ので,

これまでよりも,学習する語彙はぐんと増加します。

・高校で習得する語彙数は,1,800語~2,500語となり,これまで中学と高校の6年間で3,000語だった目標習得語彙数は,今年度から4,0005,000語となります。

【学習文法事項の増加】

・また,小学校で英語が教科化されたことから,中学校で学習する文法項目にも変化が出てきます。これまで中学2年で学習していた過去進行形や動名詞などは1年生に,2年生では,SV+形容詞+(that)を学習したり,3年生では現在完了進行形や仮定法過去などを学習したりするようになります。

【英語を英語で理解しようとする力】

・さらに,授業はオールイングリッシュが基本となり,評価も「読む」「書く」「聞く」「話す(やり取り)・話す(発表)」の4技能5領域で評価されるようになります。

オールイングリッシュの授業は2018年から移行期間として始まっていますが,中学校では2021年から,高校では2022年から基本的に全面実施となります。

これらの改革に伴い,今年,令和3年の4月から中学校で使用される英語の検定教科書が大幅に改定されました。

その教科書。

私は仕事柄早々に手にしたのですが,その内容はこれまでとは大きく違っていました。

でも,「あら」と思うこともあったのです。

それは日本人であれば,「え,普通でしょ?」という表現なのですが,
英語で考えたら「う~ん,悪くはないけど…どうなんだろう・・・?」と思うものなのです。

その件については,また次回をお楽しみに。

それでは,TTYL!

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