ニューヨーク、マンハッタン島の6番街より西側、14丁目以北34丁目以南の地区をチェルシー地区と呼びます。
おしゃれなエリアとしてとても有名で、素敵なレストランやお店が連なり、アートギャラリーが200ほどもあります。以前はLGBTを代表する街で、現在もゲイバーなど残っているそうです。
そんなチェルシー地区の中でも、抜きん出ているチェルシー・マーケット。ここは、以前ナショナル・ビスケット・カンパニーの工場だった古いビルを改築した場所で、1階フロアと地下フロアに分かれており、1階フロアはワンブロックを丸々東西へ一本のコンコースとなっていて、その両側にお店がたくさん連なっています。その中から、今回も興味深いお店を何軒かフォトで紹介していきますね。
シーフード「The Lobster Place(ロブスター・プレース)」
NYで知る人ぞ知る、新鮮シーフードの専門店。ロブスター・ビスク(ロブスターのクリームスープ)がもともと美味しくて有名で、それと同じ店内にそれぞれ、オイスターバー、寿司バー、鮮魚売り場があります。
以前もお話しましたが、アメリカではいまだに生魚を食べる習慣がなく、いわばそれは、日本人の専売特許のようなもの。アメリカ人が、「アイライク寿司!」と言ったとしても、普通、それは生魚を食べるのが好き、と言う意味ではなく、カルフォルニアロール(アボカドとカニカマ)や、ドラゴンロール(うなぎの蒲焼とアボカド)などのアメリカ人用の、生魚ではないロール等のこと、を指します。
そんな感じなので、このようなお店は、本当に私たち生魚が好きな日本人にとっては貴重。オイスター(生牡蠣)も、いろんな種類があります。お値段はMP(マーケット・プライス)。鮮魚市場の値段によって、毎日お店の売り値が変わるそうです。
まず写真の1番右から、アトランティック(イースタン)オイスター、次はオリンピアオイスター、それからパシフィック(ジャパニーズ)オイスター、そしてクマモトオイスター、最後はヨーロピアンフラットと言う呼び名で、普段言われているようです。
ニューヨークで、クマモトオイスターは有名です。小ぶりですが、とってもミルキーで味が良いそうです。
と言うわけで、アメリカでは誰もが毎日お魚を食べるわけではないので、どうしてもとかくお魚は高級品。特にお刺身用の生魚はマンハッタン内でも購入できるお店は数件しかなく、ここは本当に貴重なお店です。私はお誕生日のご馳走とかに、楽しみに取っておきます〜。
The Lobster Place
https://www.chelseamarket.com/directory-all/the-lobster-place
ホットソース「HEATONIST(ヒートオニスト)」
タバスコ屋さんって思ってもらえばいいかな。とにかく世界中の、ホット(辛い)ソースが揃っています。サイズはほとんどがタバスコの瓶サイズ。お値段はピンキリで、何千円もするものもあります。大体の自分の好みを、辛いのが好き、とかちょっと酸っぱい味の感じ、とかコクのあるものが好き、とか言うと、お店の人がそれにぴったりのものをつまようじみたいなピックの先に一滴つけて、出してくれます。面白いですよね。
こちらは、めっちゃ辛いソース「ファイヤー!ファイヤー!」(スペルは造語)です。ここでは確か14ドル(約1540円)だったかな。
HEATONIST
https://www.chelseamarket.com/directory-all/heatonist
チーズ「SAXELBY CHEESEMONGERS(サクセルビー・チーズモンガース)」
ニューヨーク近郊の各農場から、手作りのあらゆる種類のチーズを産地直送でお届けするショップです。デリバリーもしてくれるとか。ここも、どんな感じのチーズが好きかお店の人に伝えると、薄くスライスしたものをテイスティングさせてくれます。ゴートチーズや、出来たてのモッツァレラ、ゴルゴンゾーラのようにカビがついたものとか日本では珍しいチーズも、あらゆる種類がここでは手に入ります。全てが手作りなのでそれぞれのチーズにストーリーがあるそうで、本当のチーズ好きには、たまらないお店だと思います。
SAXELBY CHEESEMONGERS
https://www.chelseamarket.com/directory-all/saxelby-cheesemongers
イタリア食材「Buon’Italia(ブオン・イタリア)」
直輸入イタリア食材専門店。肉の燻製は測り売りもしてくれるし、パスタソース、ビネグレット、バルサミコ、マスタード、ジャムなど、どれもこれもセンスの良いボトルに入っていて、またあらゆる種類のパスタやソルベ、ビスコッティなどもあり、見ているだけでもどれも美味しそうで、とっても楽しくなる食料品店です。
Buon’Italia
https://www.chelseamarket.com/directory-all/buonitalia
アジア食材「PEARL RIVER MART FOOD(パール・リバー・マート・フード)」
地下にあり、アジアの調味料やヌードル、スナック菓子などが勢揃い。日本のポン酢やワサビ、出前一丁&サッポロ一番も、手に入ります。日本のスナック菓子はポッキーなどを始めとして、キノコの山とか、結構懐かしいものも売っています。アメリカ人にとっては、日本は昨今のアニメや漫画、コンピュータゲームの人気の影響などもあり、エキゾチックで、憧れるアジアの一片なのだと思います。
PEARL RIVER MART FOOD
https://www.chelseamarket.com/directory-all/pearl-river-mart-foods
韓国屋台「Kimbap Lab(キンバプ・ラブ)」
パール・リバー・マート・フードのお隣にある、韓国のフード屋台。日本の皆さんにはすっかりおなじみのキンバプ(キンパプ)や、ビビンバ丼などと並んで、あのNetflixのイカゲームに出てきたダルゴナ・キャンディ(カルメラ焼き)が、$5で売られていました。
あのゲームでは、制限時間以内に、崩れやすいキャンディに刻印された形をうまくくり抜けないと負けとみなされた、あのキャンディです。あのドラマの後、世界中ですごい人気だそうで、ちなみに韓国では10分以内にうまくくり抜くことができれば、そのお店でもう一つもらえるのだとか。
Kimbap Lab
https://www.kimbaplab.com/
チェルシーマーケットは、ほんと見ているだけでも楽しいお店がいっぱいです。
次回チェルシーマーケットシリーズ最終回、あなたの3Dミニチュアが作れちゃうお店なんかもお届けします☆
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。