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ちょっと待って!危険な“do my best”

World Lifeな生活
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1月も半ばにさしかかり,

すでに新年の抱負を忘れかけてしまっている人,いませんか?

最初は,

「今年こそは頑張るぞ!」

と意気込んでみたものの,長続きしない…なんてこと,よくありますよね。

そう,日本語で言えば

「三日坊主」。

英語では三日坊主のことを

“quitter”とも言うそうなんです。

“quit”=やめる

ですが,そこに「人」を表す “er”を付けて “quitter”

「すぐにやめちゃう人」って感じでしょうか。

そうならないためにも,今年こそは頑張りたいもの。

「頑張る」ってもしかして,

“do my best”

なんて言っていませんか?

これ,ちょっと要注意なんです。

―なぜ「三日坊主」?―

「三日坊主」のことを英語では,

“quitter”

そもそも,なんで日本語では「三日坊主」って言うのでしょうか。

ご存知の方も多いかと思いますが,

「坊主」とは「僧侶」のこと。

一人前の僧侶になろうと意気込んで出家した修行僧が言葉の由来なのだそう。

ご存知のように,僧侶になるための修行は,生半可なものではありません。
早朝から掃除や読経など,厳しい修行の毎日。

しかし,そんな厳しい修行に耐えられず,たった3日で音を上げてやめてしまい,一般人(俗人)に戻ってしまう坊主(僧侶)のことを「三日坊主」というのだそう。

そのことから,「長続きしない」「飽きっぽい」「すぐにやめてしまう」ことを「三日坊主」と呼ぶようになったのですね。

そう考えると,英語で “quitter”というのも納得です。

「今年こそは,三日坊主にせずに長続きさせるぞ!」

そう決意しているアナタ,その決意を一言で表すと,

“I’ll do my best!”

って思いませんでしたか?

この言葉,私たち日本人は

「頑張る」= “do my best”

と訳してしまいがちです。

でも使い方にはちょっと注意が必要なのです。

―消極的な “do/try my best”―


まず,基本的なニュアンスからみていきましょう。

“do my best”は,「自分の最善を尽くす」という意味。

だから,「結果はどうであれ,最善を尽くす」ということにもなるんです。

自分が決めた目標などに対して,自分自身で

“I’ll do my best.”

というのは別になんの問題もありません。

でも,

「人から頼まれたこと」
「人にお願いする場合」

などに,

“do my best”
“try my best”
“do your best”
“try your best”

という表現を使うのは,もしかすると相手を嫌な気持ちにさせてしまうかもしれないのです。

例えば,以下のように上司になにか頼まれごとをされて,

“I’ll do my best.” を使って,

「わかりました。頑張ります!」と答えたつもりの部下。

日本語の

「頑張ります」には,

「頑張る」=「お任せください」「精一杯やって終わらせます」

という,言葉以上の意味が含まれているような気もするのですが,
英語ではこのようになってしまいます。

上司:I’d like you to finish this by next week.
(これを来週までに仕上げて欲しいのだが。)
部下:I see. I’ll do my best.
(わかりました。最善を尽くします。)

上司は,「来週までに仕上げて欲しい」と言っているにもかかわらず,
部下からは,

「最善を尽くします」

との返事。

これだと,

「最善は尽くしますが,終わるかはわかりません。」
「仕上がらないかもしれませんが,できるだけやってみますね。」

というニュアンスに取られてしまう可能性が大なのです。

ですので,このような場合の「頑張ります」は,

上司:I’d like you to finish this by next week.
(これを来週までに仕上げて欲しいのだが。)
部下:I see. I’ll get it done by next week.
   I see. I’ll finish it by next week.
(わかりました。来週までには終わらせます。)

のように,「必ず期日までには終わらせます」というはっきりとした表現を使うほうが好ましいのです。

また,もっと自信たっぷりに

部下: Of course. You can count on me.
(もちろんです。お任せください。)

のように言うと,きっと頼んだ上司は「お,頼もしいな」と思ってもらえるに違いありません。

多くの日本人の感覚からすると,自信はあっても

「わかりました。がんばります。」

のように,遠慮がちに表現してしまうかもしれませんが

英語では,はっきりと自信を表さないと相手を不安にさせてしまうことが多々あります。

ですので,

「でも自信過剰と思われたくないし…」

なんて思わなくて大丈夫。

“I’ll get it done by next week.”
(来週までには仕上げます。)
“I’ll finish it by next week.”
(来週までには終わらせます。)
“You can count on me.”
(お任せください。)

のように「しっかり,はっきり」と言うようにしましょうね。

― “Do/Try your best”―


人から頼まれごとをされた場合の「頑張ります」は,

“I’ll get it done by~.”
(〜までに仕上げます。)
“You can count on me.”
(任せてください。)

のように,はっきりとした自信を見せて,相手を安心させることが大切でしたね。

では,今度は自分が相手に

「頑張って!」

と言う場合はどうでしょうか。

これも,

“Please do your best.”

なんて表現を見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。

これも要注意。

昔,日本にある英語学校で働いていたころ,そこの学校がニュージーランドにいる先生を採用したことがありました。
日本へ出発する日も迫ったある日,まだ必要書類がその先生のもとに届いていないことが判明したのです。

その先生は,公的機関はもちろん郵便局などにも問い合わせたけれど,いつ届くのかがわからない状態でした。

そのとき,学校側(事務)がこんなメッセージを送ったのです。

“We hope you’ll do your best.”
(最善を尽くされますように)

これを見たその先生は大激怒。

「今,これだけ頑張っていろいろと手を尽くしているのに,さらに最善を尽くせとはどういうことだ!」と。

学校側は,「頑張ってくださいね。」と応援しているつもりで

“do your best”という表現を使ったのでしょうが,相手の先生にとっては,とても非情な言葉になってしまったのです。

このように,「頑張る」= “do my/your best”と型で覚えてしまっているだけだと,危険な場合もあるんですね。

では,どのように言えばよかったのか。

この場合は,

“Good luck!”
(幸運を祈る!)

のような簡単な表現でOKだったのですね。

さあ,2024年のあなたの目標や抱負,

「自分で決めたこと」に,「自分で頑張る」場合は,

“I’ll do my best.”
“I’ll try my best.”

というのは全く問題ありませんので,自分自信に発破をかけて,今年頑張りましょう!

それでは,また来週〜♫

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